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Q58【事業所税】課税されるケースは?会計処理や勘定科目・税務処理・損金算入時期は?/免税点はあるのか?

最終更新日:2024/02/03

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事業所税って何?損金計上時期は?

法人や個人に課税される税金として、「事業所税」という税金があります。「事業税」と名前は似ていますが、全く別の税金です。
全ての法人や個人に課税される税金ではなく、「特定の市区町村」で事業を行っている場合に課税される「市民税」の種類の1つです。

今回は「事業所税」が課税される対象や、会計税務処理・免税点等につき解説します。
 

1. 課税対象

事業所税が課税される対象は、「特定の市区町村」で「事業所等」を構えて事業を行う法人(or個人)です。
「特定の市区町村」とは、人口30万人以上の市区町村となります。例えば、兵庫県の場合は、神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市、明石市、姫路市となります。

したがって、上記の市町村に法人を移転する場合は、事業所税が課税されるケースがあります。
 

2. 免税点

事業所税には、①事業所用家屋の床面積に課税される資産割と、②従業員給与に対して課税される従業者割の「2種類」があります。

中小企業の負担軽減の観点で、以下の免税点が設けられています。免税点以下の場合は、事業所税は課税されません。

免税点に該当するかどうかは、事業年度末日で判定し、各々の各指定都市内で有するすべての事業所を合算して判定します。

資産割各指定都市内の「事業所床面積合計」が1,000㎡以下
従業者割各指定都市内の「従業者合計」が100人以下

●上記のうち、片方だけが免税点を超える場合は、免税点を超えた方につき単独で申告・納付します。
●事業所等に共用部分がある場合は、共用部分を含んだ面積で判定します。
免税点の判定には、パート・アルバイトは含まれません(役員は含まれます)。また、年齢65 歳以上の方や障害者も含まれません。
●「特殊関係者」(親族その他の特殊の関係にある個人又は同族会社)と同一の家屋で事業を行っている場合、その特殊関係者の行う事業は共同事業とみなされます。この場合、免税点の判定はその者の事業と特殊関係者の事業を合算して行います(みなし共同事業)。

 

3. 事業所税の計算方法・納期限

①資産割②従業者割、それぞれの計算方法をまとめると、以下となります。

資産割事業年度末日の各指定都市内の事業所床面積合計(㎡)× 600円/㎡
従業者割年間に支払われた各指定都市内の従業者給与総額 × 0.25%

なお、期中に事業所を新設・廃止した場合は、新設・廃止日から1カ月以内に「事業所等の新設・廃止申告」を行います。期中新設・廃止の場合の納税額は、月割計算になります。
 

(1) 資産割の対象となる事業所

「事業所等」とは、事業の必要から設けられた人的、物的設備で、継続して事業が行われる場所をさします。具体的には、事務所、店舗、工場、倉庫等などです。所有するものに限らず、借りて使用している場合も含まれます。

ただし、一定の施設において行う事業は非課税とされます。
 
【事業所等に該当しない代表例】

社宅、社員寮などの住宅「住宅」は事業所等に該当しません。
設置期間が2~3か月程度の現場事務所等事業継続性がないため、事業所等と扱いません。
福利厚生施設保養所、食堂などは非課税。更衣室・休憩室などは実態判断されます。
路外駐車場広く一般に公開される「時間貸し駐車場」は非課税となります。

【共用部分の取扱い】
事業所家屋の共用部分がある場合、共用部分の床面積も課税対象となります。共用部分も含めた事務所床面積の算式は以下となります。

 

(2) 従業者割の対象となる給与

●65歳以上の者や、障害者の給与は含めません。
役員やアルバイトの給与は含みます(ただし、免税点判定の際は、アルバイトの人数は含めません)
●賞与や各種の手当は含みますが、退職給付金、年金、恩給等は含まれません。

 
 

(3) 納期限

申告・納付期限は、法人の場合は事業年度終了の日から2月以内、個人の場合はその年の翌年3月15日となります。
 

4. 会計・税務処理

(1)会計処理

事業所税は、「申告納税方式」となりますので、通常の決算時の法人税等と同様に「未払計上」を行います。
決算仕訳で、「租税公課」及び「未払事業所税」を計上します。

 

(2)税務処理・損金算入時期

申告納税方式の税金は、原則的に、申告書を提出した事業年度に損金算入が認められます。事業税等と同様です。
つまり、決算で未払計上した場合は、申告上、加算処理を行いますが、翌年申告書提出時に減算処理を行います。固定資産税など、賦課決定日に損金算入できる賦課課税方式の税金とは大きく異なります。

ただし、製造原価等で、決算時に損金経理により未払計上した事業所税は、損金経理をした事業年度に損金として認められる例外規定があります。
   
 

5. 免税点以下でも申告が必要なケースも

免税点以下で課税されない場合でも、申告が必要なケースがあります。
以下の場合は、たとえ税金が課税されない場合でも、申告書の提出が必要となります。

資産割各指定都市内の「事業所床面積合計」が800㎡超
従業者割各指定都市内の「従業者合計」が80人超

6. 参照URL

(No.5300 損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5300.htm

 

 

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