税金の豆知識

Q30 パート・アルバイト等の給与で源泉徴収しなくていい条件とは?

最終更新日:2022/01/28

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パート等に支払うお金は源泉徴収しなければいけないの?

給料を支払う場合は、源泉所得税を差し引いて支払うのが通常です。
でも、日雇いアルバイトの方などに支払う場合も、すべて源泉徴収が必要なのでしょうか?

実は・・・日雇いのアルバイトへの給料など、一定の要件を満たす給与については、「日額表 丙欄」っていうのがあって、この丙欄を適用すると、日額9,300円未満は源泉徴収の必要がありません。

「給与」とか「雑給」勘定にすると必ず「源泉徴収」が必要だと思いこんでいて、請求書もないのに「外注費」に計上している経営者さんもいたりするんですよね。

パートさんへの支払の勘定科目は、「外注費」ではなく「雑給」。
かつ、今回ご紹介する「丙欄」に該当する場合は、源泉徴収は必要ありません!

 

1.適用要件

以下のいずれかの要件を満たす場合、「丙欄」が適用され、「源泉徴収」は必要ありません。

雇用期間があらかじめ2か月以内と定められている(注)
日々雇用されて継続して支払を受ける給与で、労働した日又は時間によって算定されるもの(日給や時給)

(注)当初の契約期間が2か月以内でも、雇用期間の延長や再雇用等で2ヶ月を超える場合には、2ヶ月を超えた日から、「日額表」の「丙欄」を使うことができません

 

2.扶養控除等申告書の提出・年末調整は?

原則として、毎月の給料から天引きする「源泉所得税」は、「扶養控除等申告書」の提出有無により税額が決まります。
提出がない場合は、通常「乙欄」で源泉徴収を行いますが、上記の要件に該当する「丙欄」適用の方は、「扶養控除等申告書」の提出も不要となります(所法197①二)。

また、「扶養控除等申告書」の提出がありませんので「年末調整」も不要となります。
 

3.よくある質問

支払は日払いのみ?後日まとめて払ったらダメ?支払は「日払」に限らず、上記の要件を満たしていれば、例えば、後日「まとめて月払いした場合」であっても、日額表の丙欄で計算が認められています(所基通185-8)。
2ヶ月働いた後、少ししてから再度同じところで働いたら?実態判断にはなりますが、就業状態が、他の雇用者(甲欄若や乙欄で雇用されている人等)と変わらない場合には、丙欄とは認められません(所基通185-9)。
丙欄適用の方への源泉徴収票の交付は必要?必要です。なお、税務署への提出は「同一人に対する給与支払額が50万円以下」の場合は不要となります(所法226①、所規93②四)。
  摘要欄には、「丙欄適用」と記入し、年末調整の対象とならない旨を記載します(所法190)。

 

4.建設労働者の特例

建設労働者に関しては、個別通達があって、次の要件両方を満たす場合は、丙欄の適用が可能です。

あらかじめ雇用される期間が8か月以内と定められている。
雇用された期間が1年以内であること。

 

5.参照URL

(パートやアルバイトの源泉徴収)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2514.htm

 

(日額表丙欄を適用する給与等に対する税額の計算)185-8
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/31/01.htm

 

(建設労務者に支払う給与に対する源泉所得税の取扱いに関する要望について)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/gensen/661227/01.htm

 

6.YouTube

 

YouTubeで分かる「パート・アルバイト等の源泉徴収しなくていい条件」
 

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