税金の豆知識

  • ホーム
  • 税金の豆知識
  • Q6【2023年改正】消費税インボイス制度で2年間免税がなくなる?課税事業者と免税事業者とは?

Q6【2023年改正】消費税インボイス制度で2年間免税がなくなる?課税事業者と免税事業者とは?

公開日:2013/10/20 最終更新日:2021/07/20

14242view

消費税の課税事業者と免税事業者

2023年10月より消費税インボイス制度の導入が予定されています。
現在「免税事業者」であるフリーランスや、一人親方にとっては・・非常に大きなインパクトが予想されます。
 
今回は、基本的な消費税のしくみから、課税事業者・免税事業者の区分、インボイス制度の概要をお伝えします。
 

0.YouTube

 

1.消費税納税のしくみ

(1) 消費税の仕組み

消費税は、売上時に「預かった消費税」から、仕入等の際に「支払った消費税」を差し引いた金額を納税する税金です。
 

 

(2) 具体例

(例)取引が、売上1,000(別途消費税100)、仕入800(別途消費税80)だけの場合

●上記例の場合、100-80=20が「消費税納税額」となります。

●消費税は、売上時に預かった消費税100のうち、支払った消費税80を差し引いて、残った20を納税するだけですので、事業者が負担する税金ではありません(=預かったものを払うだけ)。
 

 

(3) 課税事業者と免税事業者って?

消費税は、税務署に納税する主体となるか?という観点から「課税事業者」「免税事業者」の2種類に区分されます。
消費税納税義務のある事業者は「課税事業者」、消費税納税義務のない事業者は「免税事業者」と呼ばれます。
 

(4) 免税事業者の条件

原則的に、消費税免税事業者となる場合は、以下のケースです
「特定期間」や、「設立時資本金1,000万以上等」の場合を除く)
 

事業開始後2年以内
前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下

基本的には、上記いずれかの条件を満たせば、消費税の納税義務が免除されます。
 

(5) 課税事業者と免税事業者の相違点

取引時に、消費税の支払いや、請求するという点では「課税事業者」も「免税事業者」も同じです。
よく「自分は免税事業者だから・・消費税を請求できないのでは?」という質問がありますが・・
「免税事業者」でも、もちろん消費税の請求は可能です。
 

「課税事業者」と「免税事業者」の違いは、売上等の入金時に「預かった消費税」と、仕入等支払時に「支払った消費税」との差額を、税務署に「納税する義務があるか」どうか?というところです。
 

先ほどの具体例 売上1,000(別途消費税100)、仕入800(別途消費税80)に当てはめると、以下の通りとなります。

区分 納税額の扱い 先ほどの例あてはめ
免税事業者の場合 預かった消費税を納税する義務がないので、結果、自分のお金にすることができます。 納付すべき税金20を納税することなく、自分のポケットマネーにすることができます。
課税事業者の場合 入金時に「預かった消費税」のうち、「支払った消費税」との差額を納税する義務があります 残った税金20は税務署に納税する必要があります。

 

2.消費税の大改正 インボイス制度

2023年10月からインボイス制度が導入され、実質、免税事業者のメリットはなくなります。

 

(1) インボイス制度とは?

インボイスとは、「仕入税額控除ができる請求書」のことを指し、既存の請求書とは異なったエビデンスになります。
インボイス制度は、登録を受けた課税事業者のみが「インボイス」を発行でき、インボイスがないと、消費税の仕入税額控除ができなくなる制度です。
 
つまり、今までの請求書だと、消費税の「仕入税額控除ができない」という、大改正になります。
しかも・・「免税事業者」はインボイスを発行できません

 
(特徴)

「適格請求書」等の保存を要件として「仕入税額控除」ができる
税務署長の登録承認を受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」だけが「適格請求書」を交付できる
「適格請求書発行事業者」は、課税売上高1,000万円以下の「免税事業者」でも「消費税申告納税義務」が生じる
(2) 影響

インボイス制度導入後は・・仕入等支払業者は、「適格請求書」がないと「仕入税額控除」ができない
 
●⇒仕入先の「免税事業者」は、「適格請求書」を取引先に発行しなければ、取引が制約される可能性大!
●⇒「免税事業者」は、上記の取引制約を解消するため、「適格請求書発行事業者」に変更を検討
●⇒しかし・・「適格請求書」を交付できるのは「課税事業者」に限定
●⇒現在の免税事業者は、「課税事業者」に変更せざるを得ない⇒従来の免税の恩典がなくなる!
 
・・ということになります。
 
(各事業者ごとのまとめ)

課税事業者への影響(仕入側) ●インボイス制度導入後は、免税事業者は、「適格請求書発行事業者」になれないため、たとえ仕入先からの請求書があっても、消費税仕入税額控除を受けることはできない。
●そうすると・・課税事業者は、免税事業者からの仕入の代わりに別の「適格請求書発行事業者」(課税事業者)からの仕入を検討。
●あるいは、既存仕入先に、消費税分だけ「値下げ」を要求する影響、が考えられる。
免税事業者への影響(売上側) ●従来通り取引を継続したい場合は、課税売上高1,000万円以下の免税事業者であっても、課税事業者を選択し、「適格請求書発行事業者」となることが考えられる。
●この結果、今まで免税だったにもかかわらず、新たに「消費税の納税義務者」となる!

 

(3) 具体例

●A社(課税事業者)、売上1,000(税別)、仕入800(税別)
●上記A社は、免税事業者X社1社のみから800全額仕入をしているものとする。
●免税事業者X社は、インボイス制度導入後も、「免税事業者」を継続するものとする。
●A社の消費税納税額は?(経過措置は便宜上無視します)

①従来

A社の納税額は、20(100-80)

 

②2023年10月以降~

A社の納税額は、100(100-0)
 

(結論)
改正前は、仕入額880(税込)のうち、80は「仕入税額控除」可能な結果、消費税納税額は20。
⇒202年10月以降は、仕入額880(税込)のうち、80を「仕入税額控除」できなくなるため、消費税納税額が増加します。
 

(影響)
●A社は、従来のX社との取引を継続せず、別の仕入業者との取引を検討するかもしれません。
●あるいは、従来の「仕入税額控除額80部分」の値引きを依頼し、800での取引を要求する可能性があります。
 

 

(4)影響がない業種

一般消費者向けのビジネスや、取引先が「免税事業者」に限定される場合は、取引先に消費税納税義務がないため、上記の影響はありません。
例えば、「飲食店」や「ネットショップ」など、BtoCのビジネスの場合は、影響はないと考えられます。
 

(5) 経過措置

2023年10月から導入されるインボイス制度は、影響が大きいため、下記の「段階的な経過措置」があります。
 

時期 仕入税額控除割合
2023年9月30日まで 100 %
2023年10月1日~2026年9月30日まで 80%
2026年10月1日~2029年9月30日まで 50%
2029年10月1日から 0%

 

3.「適格請求書発行事業者」の登録

「課税事業者」でなければ登録を受けることはできません。
したがって、免税事業者の場合は、まず「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者となる必要があります。
そのうえで、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、登録を受ける流れになります。
 

登録申請書は、2021年10月1日から提出可能です。
インボイス制度が導入される2023年10月1日から登録を受けるには、原則として2023年3月31日までに「登録申請書」を提出しなくてはいけません。
(なお、免税事業者が2023年10月1日を含む「課税期間中」に登録を受けるには、登録を受けた日から課税事業者となる経過措置があります)
 

濱田会計事務所への無料ご相談・お問い合わせは0120-932-116まで

まずは無料面談からお話をお聞かせください。
どんな些細なお悩みでも結構です。
お電話お待ちしております。

0120-932-116

お問い合わせはこちら