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Q7 社員旅行・慰安旅行・研修旅行を福利厚生費にする条件/従業員負担や会社負担はいくらまでOK?

公開日:2013/10/27 最終更新日:2021/07/20

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社内での旅行は経費?

従業員同士のコミュニケーションを深めるため、定期的に社員旅行に行く会社も多いのではないでしょうか?
今回は、社員旅行や従業員旅行が税務上経費になる要件をまとめます。
 

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1.税務上の考え方

原則的に従業員に対して、経済的利益を供与した場合は「給与」となります。
つまり、法人側は「経費」にはできますが、受け取った個人側には「所得税」がかかります。
 
ただし、社員旅行や忘年会など、通常一般的に福利厚生の一環として行われる場合は、例外的に「福利厚生費」として処理(=従業員側に所得税かからない)することが認められています。
 

2.従業員の慰安・社員旅行

税務上、福利厚生費にするための要件(タックスアンサーNo.2603)

旅行期間 4泊5日以内(海外旅行は、外国滞在日数が4泊5日以内)
参加人数 全体人数の50%以上
金額 従業員に供与する「経済的利益」の額が少額
(1)旅行期間

国内旅行の場合は旅行期間が「4泊5日以内」であることが必要とされています。
海外旅行の場合は、「外国滞在日数が4泊5日以内」で、機内泊分は含まれません
 

(2)参加人数~50%以上の判断~

実務上、迷いやすい論点を以下にまとめておきます。

アルバイト・パートも含めて50%? 正社員だけでなく、アルバイト等も含めて50%以上の参加が必要。
支店・工場単位の社員旅行は? 可能。ただし、工場、支店単位ごとで50%以上の参加が必要。
役員のみ・特定の従業員のみでの社員旅行は? 給与・役員給与扱いとなり、個人側に課税される
(業務上必要な視察旅行の場合は、旅行交通費として処理可)。
家族・取引先同伴の場合は? 家族分は給与扱いとなり、個人側で課税される。取引先分は交際費扱い。
フリーランス・一人社長の場合は? 社員がいないフリーランスや一人社長の場合は、そもそも経費自体×。
(3)金額の判断

会社負担費用の明文規定はありませんが、国税不服審判所の裁決によれば・・
「一人あたりの会社負担額は10万円以内であるかどうか」が目安です。
従業員の「自己負担」が半分以上等である必要はありませんので、旅行代金が10万円の場合は、全額会社負担でも問題ありません

年に何回?2年に1回の旅行で20万? 1回の旅行についての目安が会社負担10万程度です。
2年に1回だからといって20万円会社負担にはできません。
不参加の従業員に旅費分を金銭支給した場合は? 給与と課税されます。金銭を受領した従業員等だけでなく、その社員旅行「全体が給与とみなされる可能性」があります

3.研修旅行・視察旅行

「研修旅行」は、社員親睦を目的とした社員旅行とは異なり、業務上必要な視察、知識の習得などを目的としたものです。
したがって、社員旅行のような「細かい要件」の規定は特にありません
 

(1)原則 旅費交通費

会社の業務を行うために、「直接必要な研修旅行」は、常識的な金額であれば給与課税されません。
一般的には、「旅費交通費等」、出張と同様の科目で処理を行います。
 

逆に言うと、業務に直接必要でない場合は「給与課税」されます(タックスアンサー2603)。
 

(業務に「直接必要なものとはならない」例)

同業者団体の主催する、主に観光旅行を目的とした「団体旅行」
旅行のあっせん業者などが主催する「団体旅行」
観光渡航の許可をもらい海外で行う「研修旅行」

その他、観光地での飲食費、お土産代なども、業務に「直接関係ありません」ので費用とは認められません。
 

(2)家族同伴の場合は?

家族部分については、社員旅行と同様、個人に対する「給与課税」となります。

例外的に、海外渡航の場合限定ですが、以下の場合は、家族同伴の部分が旅費交通費等の経費で認められています。

(海外渡航で「旅費交通費」と認められるケース)

(国税庁の法令解釈通達9−7−8「同伴者の旅費」)
●役員が常時補佐を要する身体障害者であり、配偶者などが補佐人である場合
国際会議への出席など、配偶者の参加が必要である場合
●配偶者などが外国語に長けており、一時的に通訳として委託する場合

 

(3)海外渡航の場合

海外渡航の場合は、特に別建てで規定されていますので、税務署も厳しくチェックされます。

「その海外渡航が旅行期間のおおむね全期間を通じ、明らかに法人の業務の遂行上必要と認められるものである場合には、その海外渡航のために支給する旅費は、社会通念上合理的な基準によって計算されている等不当に多額でないと認められるものに限り、その全額を旅費として計算することができる」

 

また、海外視察渡航の場合は、法令解釈通達で、

(1) 団体旅行の主催者、その名称、旅行目的、旅行日程、参加費用の額等その旅行の内容
(2) 参加者の氏名、役職、住所

を説明する書類の整備が明確に規定されています。
観光が含まれる場合は、損金算入割合が規定されていますので、ご留意ください。
 

(4)記録等を残す

研修・視察旅行の場合は、旅行の日程表や研修内容、視察結果、レポート、議事録、パンフレットなどをきちっと残しておき、合理的に説明できることが必要です。
また、観光部分が混じっている場合は、当該観光部分は除外しておく必要があります。

 

4.否認事例

従業員のレクリエーション旅行は、判例や、国税不服審判所で以下の事例があります。

東京高裁 事例(※1) 海外の慰安旅行で、形式要件(期間、従業員参加割合)は満たしていても、会社負担額が少額とは認められないなどとして給与認定され、源泉徴収義務があると判断された事例
国税不服審判所 審査事例(※2)
海外への慰安旅行の一般的な会社負担額(旅行費用の平均額8万1,154円の70.1%)を大きく上回るものとして、原告の請求が棄却

(※1)平成25年(行コ)第31号(平成25年5月30日判決)
    原審:平成23年(行ウ)第385号(平成24年12月25日判決)
(※2)平成22年12月17日付け事例
 

慰安旅行については、会社負担額等を慎重に検討しなければいけませんね!

 

5.参照URL

(従業員レクリエーション旅行や研修旅行)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2603.htm

(海外渡航費) https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_07_02.htm

(海外渡航費の取扱い) https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/001011/01.htm

 

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