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Q8【設立2期目消費税注意】特定期間売上・給与による消費税課税判定とは?簡易課税の場合は?

最終更新日:2022/01/17

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設立2年間は消費税がかからない?

消費税納税義務の判定は、原則として「基準期間」の課税売上高が1,000万円超の場合に納税義務が生じます。
「基準期間」は、原則として、2年前の期(前々事業年度)を指します。
例えば、2022年3月期の法人の「基準期間」は、2020年3月期です。

しかし、「基準期間」における課税売上高が1,000万円以下でも、例外的に、「特定期間」 の課税売上高等が1,000万円を超える場合には、納税義務が免除されません。

今回は、例外的に「消費税課税事業者」となる「特定期間」での判定につき解説します。

 

1.特定期間で判定する場合

(1)特定期間による例外

例外的に、基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、以下の場合は消費税が課税されます。

「特定期間」の課税売上高が1,000万円を超えた場合には、翌年から消費税が課税される
ただし、課税売上高での判定に替えて「給与」での判定も可能。

特定期間中の課税売上高が1,000万円を超えていても、特定期間中の「給与等の金額」が1,000万円を超えていなければ、該当しません。
 

給与の範囲 通常給与の他、賞与、役員報酬、アルバイト代を含む。
通勤手当は含まない。
現金基準 支払ベースで判定。未払額(特定期間中に支払なし)は含まない(消基通1-5-23)
(2)特定期間とは?

特定期間とは、以下の期間を指します。

個人事業者の場合 1月1日から6月30日までの半年間
法人の場合 原則、前事業年度開始の日以後の6か月間

例えば、個人事業主の場合、前年3月1日に開業した場合の特定期間は「3月1日~6月30日」、前年7月1日に開業した場合は、特定期間はありません。

一方、法人の場合、前事業年度が1 年未満となる場合は非常に複雑です(法人設立2 期目、事業年度変更等)。「特定期間」につき、様々なパターンがあります。
代表例を以下解説します。
 

2.法人の場合の「特定期間」は?

(1)原則

法人の場合、「特定期間」は、原則、前事業年度「上半期」の6か月間となります。
 

(2)例外 短期事業年度

前事業年度が次のいずれかに該当する場合、前事業年度は「特定期間」とはなりません。短期事業年度と呼ばれます。(施行令20条の5①)

(1) 前事業年度が7か月以下
(2) 前事業年度が7カ月超8か月未満の場合で、一定要件を満たす場合(※)

(※)前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間の末日の翌日から前事業年度終了の日までの期間が2ヶ月未満の場合

なお、前期が「短期事業年度」に該当する場合、厳密には、特定期間の判定がなくなるわけではなく、特定期間の判定時期が前々事業年度に移行することになります(が、前々事業年度が、その事業年度の基準期間となる場合は、結果的に前々事業年度も特定期間とはなりません(令 20 の5②一))。

 

3.例題

(1)例題

● 2021年8月1日に設立した法人(決算月 3月)
● 各期間の課税売上高等は以下のとおり(税抜)

第1期 第2期 第3期
2021.8.1~2022.3.31 2022.4.1~2023.3.31 2023.4.1~2024.3.31
課税売上高 3,800万円 7,500万円 7,200万円
期首(設立日)~6か月間の課税売上高 3,200万円 3,800万円 3,700万円
期首(設立日)~6か月間の給与 1,200万円 1,300万円 1,350万円
(2)結果
第1期 第2期 第3期
判定 免税事業者 課税事業者 課税事業者
理由 基準期間・特定期間ともにないため免税事業者 第1期の期間が8ヶ月以上のため、特定期間(2021/8/1~2022/1/31)の売上or給与で判定
⇒どちらも1,000万超のため課税事業者
基準期間(第1期)の課税売上高が1,000万円超のため課税事業者(※)

(※)3,800万円 ÷ 8カ月 × 12カ月 > 1,000万円
 

4.事業年度が1年に満たない場合の留意事項

上記例題をもとに、設立1期目が1年に満たない場合の留意事項をまとめます。

(1)設立1期目の事業年度が「7カ月以下」の場合

上記例題で設立日が9月1日の場合、第1期事業年度は7か月以下となるため、特定期間による判定はなく、第2期は免税事業者となります。

 

(2)設立1期目の設立日が、月初でない場合

例えば、上記例題で、設立日が7月15日の場合などです。
特定期間は、原則として、前事業年度開始の日以後「6か月の期間」と定義されていますが、月末決算法人で、設立日後、6か月の期間の末日が月末でない場合は、その6か月の期間の末日の属する月の「前月末日までの期間」を「6か月の期間」とみなし、納税義務を判定することになります(消法9の2④二、消令20の6①一)。
したがって、設立日が7月15日の場合は、特定期間は7月15日~12月31日ということになります。
当該期間の売上又は給与が1,000万円超の場合は、2期目は課税事業者となります。

 

(注) 上記以外にも、新たに設立した法人で決算期変更を行った法人等については、その法人の設立日や決算期変更の時期がいつであるかにより、特定期間が異なる場合があります。詳しくは、下記「7.参照URL 事業者免税点の判定」(国税庁HP)をご参照ください。
 

5.簡易課税の適用判定は?

特定期間における課税売上高は「納税義務判定」にのみ関係し、簡易課税制度の適用判定には関係ありません。したがって、例えば、上記例題の第2期は「基準期間」が存在しませんので、課税売上高5,000万以下(ゼロ)となり、簡易課税の適用は可能です。

また、第3期の「基準期間」は第1期となります。法人は事業年度が 1 年に満たない場合は年換算しますので、3,800万円÷8か月
×12か月⇒5,000万円超となり、第3期は簡易課税の適用はできません。

 

6.税務署への届け出

特定期間における課税売上高等が1,000万円を超えた場合、「消費税課税事業者届出手続(特定期間用)」を税務署に提出します。
 

7.参照URL

特定期間の課税売上高による免税事業者の判定https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/22/08.htm

特定期間の判定https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/22/10.htm

事業者免税点の判定https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/pdf/h2309kaisei.pdf

納税義務の免除https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm

 

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