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Q14【簡単な方法】労働保険の会計処理・仕訳は?勘定科目は法定福利費のマイナスでもOK!

公開日:2013/12/07 最終更新日:2021/07/14

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労働保険料の会計処理/勘定科目

労働保険の会計処理は・・結構頭が混乱する方も多いかもしれません。
なぜなら、①従業員預り部分と会社負担部分の2種類で構成され、しかも②労働局への支払が「年間概算払」のためです。

今回は、労働保険料の概要と、会計処理についてまとめます。
 

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1.労働保険料とは?

「労働保険」は、①労災保険と②雇用保険の2種類から構成されています。
一般的に「労働保険」と言われるのは、上記①+②の合計となります。

労働保険(労災保険料+雇用保険料)は、事業主が一括で前払いし、「従業員負担分」につき、毎月給与から控除して預かる形となります。
なお、役員は、原則として労働保険の対象となりません。

(労働保険の内訳)

労災保険 全額事業主負担
雇用保険 事業主、従業員それぞれで負担

 

2.労働保険料の計算方法

2022年3月期(第1期)の概算&確定保険料を例にして説明します。

種類 支払時期 内容
第1期の概算保険料 2021年7月 第1期(2021/4~2022/3)の「賃金見込額」に保険料率を掛けて算定&支払。
第1期の確定保険料 2022年7月 第1期(2021/4~2022/3)の「実際支払賃金総額」に保険料率を掛けて算定&支払。
実際支払額は上記「概算保険料」との差額です。(注)
第2期の概算保険料 2022年7月 第2期(2022/4~2023/3)の「賃金見込額」に保険料率を掛けて算定&支払。
大きな変動が見込まれない場合は、第1期の確定賃金額をもとに概算保険料を計算。

(注)不足の場合は、第2期「概算保険料」と合わせて追加納付。過納付の場合は、第2期の「概算保険料」に充当。
 

3.労働保険料の損金算入の時期等

労働保険料の損金算入時期をまとめると、以下の通りとなります。
ただし、法人負担部分のみとなります(従業員負担部分は損金×)。

概算保険料 概算保険料の申告日or納付日(※1)
確定保険料 不足の場合(納付) 概算保険料の申告日or納付日
超過の場合(還付) 確定保険料の申告日に益金算入(※2)

(※1)確定保険料申告前の決算で、未払計上により損金算入も認められます
(※2)通常は、実際還付を受けるわけではなく、次年度の概算保険料から控除されます。
 

4.具体的な会計処理

労働保険の会計処理は・・考えると奥深いですが、中小企業では、一番簡単な「現金主義」で十分かと思います。
 
(例題)3月決算。2022年3月期の概算・確定労働保険料

● 2021年4月労働保険加入。2022年3月期の「概算労働保険料」1,440を支払った(年間給与見込120,000)(※)
●2022年3月期の「確定労働保険料」は1,560と算定された(実際年間給与130,000)(※)
●労働保険料率12/1000(労災保険料率3/1000、雇用保険料率9/1000(うち事業主6/1,000・従業員3/1000))とする。
●簡便的に、給与支払時の天引きは、雇用保険のみとする。

(※)

概算保険料 年間給料見込額 120,000×12/1,000=1,440
確定保険料 年間給料確定額 130,000円×12/1,000=1,560
(1)現金主義での仕訳

中小企業で圧倒的に多いのは、下記の処理です。現金主義で仕訳を行います。
中小企業の場合は、下記で十分かと思います。

借方 貸方
概算払時(2021年4月) 法定福利費(労・雇) 1,440 現金 1,440
給与支払時(※1) 給料 130,000 現金
法定福利費(雇)
129,610
390
期末 仕訳なし
確定保険料支払時(2022年7月)(※2) 法定福利費(労・雇) 120 現金 120
次年度概算払(2022年7月) 法定福利費(労・雇) 1,560 現金 1,560

(※1)年間合計の給与仕訳で記載しています(130,000×3%)。
実際の毎月の仕訳は、毎月の給料×3%(雇用保険料率)の仕訳となります。
(※2)決算期末(2022年3月)に、未払計上も認められます
 

(ご参考~前払部分の取扱い~)

厳密には、概算保険料(法人負担分)には、「前払部分」が含まれています
しかし、税務署上の運用としては、継続適用を条件として、支払時に損金処理しても、大きな問題になることは少ないようです。(具体的な記載箇所はありませんが、短期前払費用(法人税基本通達2-2-14)の考え方からのようです)。
 

(2)発生主義での仕訳

上場会社などでは、発生主義が要求されますので、以下の仕訳となります。
ただし・・BSの相殺処理等で頭が混乱する可能性高いですので、中小企業の場合は上記(1)で十分です。

借方 貸方
概算払時(2021年4月) 前払費用(労・雇) 1,440 現金 1,440
給与支払時(※1) 給料 130,000 現金
前払費用(雇)
129,610
390
会社負担分概算費用計上(※2) 法定福利費(労) 1,170 前払費用(労) 1,170
決算時(※3) 前払費用(労・雇) 120 未払費用 120
確定保険料支払時(2022年7月) 未払費用 120 現金 120
次年度概算払(2022年7月) 前払費用(労・雇) 1,560 現金 1,560

(※1)年間合計の給与仕訳で記載しています(130,000×3%)。
実際の毎月の仕訳は、毎月の給料×3%(雇用保険料率)の仕訳となります。
(※2)年間合計で記載しています(130,000×9%)。
実際の毎月の仕訳は、毎月の給料×9%(雇用保険料率)の仕訳となります。
(※3)前払費用マイナス残高を「未払費用」に振替える仕訳です(前払費用プラス残高の場合は「仕訳なし」)。
 

(ご参考)

従業員からの預り分は「預り金」、会社負担概算計上分は「未払費用」で計上することも考えられますが、決算時のBS相殺処理が混乱してしまいますので、実務上、イメージしやすい仕訳で記載しています。
あくまで月次決算「損益重視」の観点、「概算分法定福利費」計上を優先し、BS表示の優先度合いを下げています。

 

5.労働保険料の申告時期・納期日

労働保険料の申告は、毎年6月1日から7月10日までに行います。

概算保険料額は、原則的に、7月10日までに納付しますが、
40万円以上の場合(or労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合)は、納付を3回に分割することができます
その場合も、過不足の精算は、第1期目の納付時にまとめて行います。

第1期(4月1日~7月31日) 支払期限7月10日
第2期(8月1日~11月30日) 支払期限10月31日
第3期(12月1日~3月31日) 支払期限1月31日

 

6.参照URL

(労働保険料の損金算入時期等)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_03.htm

 

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