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Q185【どちらが有利?】個人の「寄付金控除」と「税額控除」の違いは?対象団体や種類は?

公開日:2021/10/01 最終更新日:2021/10/05

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Q185【どちらが有利?】個人の「寄付金控除」と「税額控除」の違いは?対象団体や種類は?

個人が「寄付」をした場合、税制上は「寄付金控除(所得控除)」と「寄付金特別控除(税額控除)」のうちどちらか「有利な方」の選択が可能です
しかし、どちらが有利なのか?はなかなかイメージわきにくいと思います。今回は①寄付金控除②寄付金特別控除の内容を解説し、どちらが有利か?を比較検討します。

 

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1. 所得税上の寄付金の恩典

個人が「寄付」をした場合、所得税上は、以下どちらか有利な方の選択が可能です。

(1) 寄付金控除(所得控除)

「寄付金控除」は、所得から差し引ける「控除」です。医療費控除、社会保険料控除などが代表例です。

 

(2) 寄付金特別控除(税額控除)

寄付金特別控除とは、算定された所得税額から「直接税額」を差し引ける控除です。住宅ローン控除などが代表例です。

 

2. 寄付金控除(所得控除)

(1) 対象は「特定寄付金」のみ

個人の場合は、法人と異なり、特定寄付金(支出先が国、地方公共団体、公益法人など)のみが寄付金控除の対象となります。法人のように、一般の寄付金(お寺や神社等)が寄付金控除の対象となるわけではありません。

 

(2) 寄付金控除の対象となる主な団体

「特定寄付金」となる主な団体は以下の通りです。通常、「領収書」に「寄附金控除の対象」の旨が記載されていますので、実務上はあまり迷うことはありません

国、地方公共団体
指定寄付金(公益社団法人及び公益財団法人)
特定公益増進法人への寄付金(独立行政法人、地方独立行政法人、自動車安全運転センター、日本赤十字社、公益社団法人及び公益財団法人、学校法人、社会福祉法人・更生保護法人)
特定公益信託の信託財産としての支出、認定NPO法人等への支出、政治活動に関する寄付金、特定新規中小会社の株式取得費用

 

(3) 寄付金控除(所得控除)の限度額

寄付金控除額= 特定寄付金の額合計-2,000円(100円未満切捨)

●「特定寄付金の額合計」は、「総所得金額等」の40%が限度

総所得金額等とは 総所得金額等とは、合計所得金額から、純損失or雑損失等の繰越控除適用後のすべての合計所得のことをいいます。純損失、雑損失等の繰越控除がない場合は、合計所得金額と同額になります。
合計所得金額とは 事業所得、給与所得、雑所得(公的年金等)、配当所得、不動産所得などの所得金額を合計した金額(純損失or雑損失等の繰越控除適用前)のことをいいます。土地・建物等の譲渡所得など、分離課税の所得(特別控除適用前)も含まれます(退職所得は含まれない)。

 

3. 寄付金特別控除(税額控除)

(1) 対象は3種類のみ

寄付金特別控除(税額控除)が適用される取引は、限定されています。①政党等寄附金特別控除②認定NPO法人等寄附金特別控除③公益社団法人等寄附金特別控除の3種類となります。こちらも、一般的に「領収書」に「寄附金税額控除の対象となる」旨が記載されていますので、実務上はあまり迷うことはありません

 

(2) 公益社団法人等寄付金とは

「公益社団法人等寄付金」となる主な団体は以下の通りです。

公益社団法人及び公益財団法人(例 公益財団法人ロータリー日本財団、ロータリー米山記念奨学会など)
私立学校法第3条に規定する学校法人等
社会福祉法人、更生保護法人、国立大学法人、公立大学法人、独立行政法人国立高等専門学校機構又は独立行政法人日本学生機構

なお、税額控除可能な「公益社団法人」を検索できるサイトがあります。こちらご参照ください。

 

(3) 寄付金特別控除(税額控除)の限度額

寄付金税額控除額=(対象寄付金の額合計-2,000円)×40%(100円未満切捨)
(政党等寄附金特別控除の場合は30%)

● 控除額は、①特別控除額・②+③特別控除額の合計額、それぞれその年分の所得税額の25%が限度
●「対象寄付金の額合計」は「総所得金額等」の40%が限度

 

4. 具体例

● 公益社団法人等寄付金(特定寄付金)100,000円、その他の寄付金はない。
● 簡便的に、寄付金以外の所得控除は無視(基礎控除も無視)。
● 復興特別所得税、住民税は無視します。

 

5. 「総所得金額等」が1,000万円の場合

(1) 寄付金控除の場合(所得控除)

① 寄付金控除の金額
寄付金額100,000円-2,000円=98,000円
1,000万円(総所得金額等)×40%=400万円
限度額内のため、寄付金控除額は98,000円

② 所得税額の計算
1,000万円-98,000円(寄付金控除)=9,902,000円
9,902,000円×33%-1,536,000円=1,731,660円

 

(2) 寄付金特別控除の場合(税額控除)

① 寄附金特別控除の金額
(100,000円-2,000円)×40%=39,200円
1,000万円×40%=400万円
限度額内のため、寄附金税額控除額は39,200円

② 所得税額の計算
(1,000万円×33%―1,536.000円)-39,200円=1,724,800円

 

(3) 結論

寄付金特別控除の方が6,860円 税金圧縮効果は高くなる。

 

6. 総所得金額4,000万円の場合

(1) 寄付金控除の場合(所得控除)

① 寄付金控除の金額
上記7と同じ。 寄付金控除額は98,000円

② 所得税額の計算
4,000万円-98,000円(寄付金控除)=39,902,000円
39,902,000円×40%-2,796,000円=13,164,800円

 

(2) 寄付金特別控除の場合(税額控除)

③ 寄附金税額控除の金額
上記7と同じ。寄附金税額控除額は39,200円

④ 所得税額の計算
(4,000万円×40%―2,796,000円)-39,200円=13,164,800円

 

(3) 結論

寄付金控除と寄付金特別控除の税効果は全く同じ金額となる。

 

7. 所得控除と税額控除どちらが有利なのか?

(1) 各々の税金圧縮効果は?

②寄付金控除は、所得からの控除となりますので、税額圧縮効果は、寄付金額×所得税率をかけた金額となり、各人の所得税率によりインパクトは異なります。一方で、税額控除は、税金から「直接マイナス」できる控除ですので、税金圧縮効果は、おおむね「寄付金額×40%」で「固定的」な税金圧縮効果となります
つまり、所得税率が40%を上回ると「所得控除」の方がお得、それ以下の場合は、「税額控除」の方がお得(or効果が同じ)ということになります。

 

(2) 結論

上記の通り、「寄付金控除」と「寄附金税額控除」の損益分岐点は、おおむね所得税率40%ということになります(限度を超える「寄付金」は除く)。
この点、所得税率が40%を超える「課税所得金額」は・・4,000万円以上となりますので・・基本的には「税額控除」の方が安くなる!と考えてよさそうです
(政党等寄附金特別控除の場合は損益分岐点が30%に下がります)

 

8. 参照URL

(寄附金を支出したとき)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/04_3.htm

(一定の寄付金を支払ったとき)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1150.htm

(特定公益増進法人に対する寄附金)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5283.htm

(公益社団法人等に対する寄付)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1266.htm

(政党等寄附金特別控除)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1260.htm

(認定NPO法人等寄附金特別控除)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1263.htm

(所得税率速算表)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

 

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