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Q36 【記入例あり】奥様やお子様への給料は経費にできる?個人事業主の青色事業専従者給与とは?配偶者控除との関係は?

公開日:2015/02/19 最終更新日:2021/03/04

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Q36 青色専従者給与は変更できる?要件は?

確定申告

事業者は、自分自身に給料を支払って経費にすることはできません。また、奥様に給料を渡しても、原則的には必要経費にすることができません。
しかし、例外的に、奥様等身内の方に渡す給料に関しては、経費に算入できる制度があります。
「青色事業専従者給与」と呼ばれるものです。

今回は青色専従者給与のメリットデメリット、届出書の記載方法等につき解説します。

 

0.YouTube

 

1.青色専従者給与のメリットデメリット

 

メリット デメリット
●奥様への給料が必要経費となり、税金圧縮可能。
●給与受取側は、額面に応じた給与所得控除があるため、「所得分散効果」がある。
●専従者給与を支払う場合は「配偶者控除」「扶養控除」と重複適用不可(※)
配偶者控除等を適用したほうが安くなるケースあり

(※)例えば、青色事業専従者給与を合計所得金額が48万円以下(年収ベース103万円以下)になるように支給しても、どちらか一方だけしか適用できません。注意です。

 

2.控除額・要件

(1)控除額

実際支払った給与の額

 

(2)要件
青色事業専従者(※)に支払われた給与であること
「青色事業専従者給与に関する届出書」を、所轄税務署長に提出
届出書の記載方法で支払われ、かつ記載金額の範囲内で支払われたもの
労務の対価として相当な金額であること(過大部分は×)

(※)「青色事業専従者」は、次の要件すべてを満たす人

青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族で、その年の12月31日現在で年齢が15歳以上
その年を通じて6月を超える期間、その青色申告者の営む事業に専ら従事(※)

(※)「専ら従事」 とは?

「 専ら従事」とは、その年を通じて6か月を超える期間 (一定の場合には、事業従事期間の2分の1を超える期間)

⇒例えば、奥様が副業している場合でも、上記の「従事する期間」を満たす場合は、要件を満たします。

 

(3)期の途中からの支給は?

「青色専従者給与に関する届出書」の提出期限は、以下の通りとなります。

原則 専従者給与を支払う年の3月15日まで
例外 その年の1月16日以後開業された場合や、新たに専従者が増えた場合は、その日から2か月以内

つまり、「新たに専従者が増えた場合」は、3月15日以降でも、期の途中で「届出提出」は可能です。ただし、「専ら従事」の論点がありますので、基本的にはその年を通じて6か月超は「専従者として従事」が必要です。

なお、年後半で提出した場合も、例えば、前職退職時期との関係等の「相当の理由」があれば、従事可能期間の2分の1を超える期間専ら事業に従事していれば問題ありません(所施令第165条第1項第2号)。

 

3.金額の変更は?金額の適正額は?

(1) 金額の変更は?

年の中途であっても、減額や増額もできます

ただし、届出した金額を超える場合は「青色事業専従者給与に関する変更届出書」を提出する必要があります。
こちらも、年の途中での提出が可能です。

 

届出金額の範囲内 減額や増額は可能。全く支給しないのもOK
「届出金額」を超えて支払う場合 「青色事業専従者給与に関する変更届出書」の提出必要

法人の場合、役員報酬は、原則として期の途中で変更できないので、これと比べるとと、個人事業主の「青色専従者給与」は柔軟性がありますね。
提出期限は「遅滞なく」となっていますので、「増額後の給与支給日まで」に届け出するのが無難ですね。

 

(2) 適正額は?

税務上、特に金額の縛りはありません。適正額というと、その「お仕事に見合った金額」ということになります。
ただし、給与収入103万を超えてくると配偶者に「所得税」がかかることや、給与収入130万を超えてくると「社会保険」が課税されるなど・・別の論点もあります。
このあたりとの兼ね合いで、決めている方が多いかもししれません。
 

4.青色専従者給与と配偶者控除・扶養控除との関係

(1) 年途中まで青色専従者給与支払⇒決算期末には支払っていない場合は?

扶養控除等の要件は、「青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払を受けていないことが要件となっています。したがって、期末時点では給料を支払っていない場合でも、期中に支払が一度でもある場合は、その年は「配偶者控除等」との重複適用ははできません。
 

(2)他の方の青色専従者給与の場合は?

ご自身or生計を一にする方の専従者として給料を受け取っている場合は、「配偶者控除等」と重複適用はできません。
逆に言うと、「生計を一」にしない他人から「青色専従者給与」をもらっている場合であれは、ご自身の「配偶者控除等」の適用は可能となります(所得税基本通達2-48)。
 

5. 個人事業主の専従者給与支払時の源泉徴収について

源泉徴収税額は、通常の外部への給料と税率は変わりありません。つまり、専従者給与であったとしても、毎月の源泉徴収は普通に実施しなければいけません。

 

6.専従者給与を支払った場合の税金インパクト~具体例~

● Aさんの所得は5,000千円(専従者給与控除前)。
● 奥様は専業主婦で収入なし。
● 専従者給与を支払わない場合のAさんの所得控除は860千円(基礎控除480千円+配偶者控除380千円)のみ。
● この度、奥様に経理業務を依頼するため、年間250万「青色事業専従者給与」を支払うことになった。
● 専従者給与を支払う場合の奥様の所得控除は480千円(基礎控除480千円のみ)のみとする。

 

専従者給与支払前 専従者給与支払後
所得(青色専従者給与控除前) 5,000千円 5,000千円
青色専従者給与 2,500千円
差引 5,000千円 2,500千円
所得控除(基礎+配偶者控除) 860千円 480千円
差引課税所得 4,140千円 2,020千円
所得税+住民税(Aさん+奥様) 815千円 485千円
(1) 青色専従者給与を支払わない場合

Aさんの「課税所得」は、所得から所得控除860千円(基礎+配偶者)を差引き、4,140千円⇒税額は815千円

 

(2) 青色専従者給与を支払う場合

●Aさんの「課税所得」は、専従者給与2,500千円、基礎控除480千円を差引き、2,020千円⇒税額は約307千円
●奥様は、2,500千円の収入が生じるが、「給与所得控除」830千円+基礎控除480千円を差し引き、「課税所得」は119万⇒税額は約179千円
 

Aさん+奥様の税額合計は約485千円

 

(3) 結論

専従者給与を支払うことで、Aさん家族全体の税額は330千円(815千円―485千円)圧縮されました!

 

7. ご参考~白色申告の方~

白色申告の方は、「白色専従者給与」というものが認められます。

(1) 経費で認められる額

次の①②どちらか低い金額

事業主の配偶者・・86万円
上記以外・・1人につき50万円
この控除をする前の事業所得等の金額÷(専従者の数+1)

「青色専従者給与」よりは、認められる金額が低いですね。

 

(2) 要件

 

白色申告者の営む事業に「事業専従者」(※)がいること
確定申告書の「専従者控除」欄に記載(事前の届出は必要ありません)

(※)「事業専従者」は、次の要件すべてを満たす人

白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族で、その年の12月31日現在で年齢が15歳以上
その年を通じて6月を超える期間、その白色申告者の営む事業に専ら従事

「専ら従事」の論点は、配偶者、扶養控除等の論点は、「青色専従者給与」と全く同じです。

 

8. 青色専従者給与届出書・変更届の記載例

詳細は、下記YouTubeをご参照ください。一般的な変更理由も具体例で記載しています。

 
(青色事業専従者に関する届出届)

 
(青色事業専従者に関する変更届出届)

 

9.参照URL

(青色事業専従者給与と事業専従者控除)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2075.htm

 

(年中途従事した場合の青色事業専従者給与)https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/04/10.htm

(青色事業専従者である妻)https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/11.htm

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