税金の豆知識

Q37固定資産を売却した場合の消費税仕訳/会計処理

公開日:2015/03/17 最終更新日:2020/09/18

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Q37固定資産を売却した場合の消費税仕訳/会計処理

固定資産を売却した場合の消費税仕訳/会計処理

あまり機会はないかもしれませんが、「固定資産を売却した場合」の会計処理に悩まれる方も多いと思います。
今回は、「消費税」の観点で、固定資産売却の際の会計処理をまとめます。
 
例えば、簿価3,000千円の車を1,000千円で売却した場合を考えてみましょう。

 

この場合、損してるんだから、消費税なんてかからないのでは?・・と考える方もおられるかもしれません。
しかし、消費税は「課税資産の譲渡対価」にかかる税金ですので、「損しても得でも」関係なく消費税は課税されます。
 
つまり、消費税は「譲渡益」に対して課税されるわけではなく、「譲渡額」に対して課税される税金なんですね。
これに対して、法人税や所得税は、「もうけ」に対して税金が課税されますので、「譲渡損」の場合は税金がかかりません。
ここが消費税と法人税等の大きな違いになります。

1.売却損の場合

例題
● 簿価3,000の車を1,000(税込)で売却した。
● 消費税は10%とする。
●以下、単位はすべて千円とします。

固定資産を売却した場合の消費税仕訳/会計処理

(1)通常の仕訳

消費税を考慮しない場合の仕訳は以下の通りです(期中の減価償却費は省略。以下同様です)。

借方 貸方
現金
固定資産売却損
1,000
2,000
車両 3,000

● 一般的な会計ソフトでは、売上等に関しては、仕訳を入力すると自動で消費税(仮受消費税)を認識してくれますが、上記仕訳を入力しただけでは、消費税は正しく自動認識してくれません。
●実際の消費税は、売却額1,000に対して課税されます。
 つまり、税込1,000÷1.1×0.1=90の消費税(仮受消費税)を認識する必要があります。
 

(2)消費税を認識するための考え方

仕訳を考えるにあたって、「売却収入」と「売却原価」を分解するとわかりやすいです。

借方 貸方
現金 1,000 固定資産売却収入(売却益) 1,000
→消費税課税対象
借方 貸方
固定資産売却原価 3,000 車両 3,000

●「売却収入」は、「固定資産売却益」(課税売上)で入力すると消費税を認識してくれます。

 

(3)消費税を考慮した実際の仕訳

私が普段お伝えしている仕訳は、以下の通りです(やり方はいろいろあると思います)。

① 一旦売却額を全額「売却益」で計上し、消費税を認識する。

借方 貸方
現金 1,000 固定資産売却益(売却収入)
仮受消費税
910
90

② 売却簿価を全額「固定資産売却損」(不課税)で計上する

借方 貸方
固定資産売却損(不課税) 3,000 車両 3,000

③ 売却益と売却損を相殺する

借方 貸方
固定資産売却益(不課税) 910 固定資産売却損(不課税) 910

●この仕訳は、単純に売却益を相殺するためだけの仕訳で、「消費税」には全く関係ありませんので「不課税取引」として手入力します。
●「不課税取引」にしておかないと、誤って消費税を自動認識してしまうケースがあるため、注意しましょう。

 

(4)結果

消費税は売却額1,000に対して認識され、正しい売却損2,090が計上されます。

 

3.売却益の場合

では、売却益の場合はどうでしょう?

例題
● 簿価3,000の車を5,000(税込)で売却した。
● 消費税は10%とする。

固定資産を売却した場合の消費税仕訳/会計処理

(1)通常の仕訳

消費税を考慮しない場合の仕訳は以下の通りです。

借方 貸方
現金 5,000 車両
固定資産売却益
3,000
2,000

● 一般的な会計ソフトでは、売上等に関しては、仕訳を入力すると自動で消費税(仮受消費税)を認識してくれますが、上記仕訳を入力しただけでは、消費税は正しく自動認識してくれません。
●消費税は、売却額5,000に対して課税されます。
つまり、税込5,000÷1.1×0.1=454の消費税(仮受消費税)を認識する必要があります。
 

(2)消費税を認識するための考え方

基本的には「売却損」の場合と同じ流れで、売却収入と売却原価を分解します。

借方 貸方
現金 5,000 固定資産売却収入(売却益) 5,000
借方 貸方
固定資産売却原価 3,000 車両 3,000

●「売却収入」は、「固定資産売却益」(課税売上)で入力すると消費税を認識してくれます。

 

(3)消費税を考慮した実際の仕訳

私が普段お伝えしている仕訳は、以下の通りです(やり方はいろいろあると思います)。

① 一旦売却額を全額「売却益」で計上し、消費税を認識する。

借方 貸方
現金 5,000 車両売却益(売却収入)
仮受消費税
4,546
454

5,000÷1.1×0.1=454
 

② 売却簿価を全額「固定資産売却損」(不課税)で計上する

借方 貸方
固定資産売却損(不課税) 3,000 車両 3,000

③ 売却益と売却損を相殺する

借方 貸方
固定資産売却益(不課税) 3,000 固定資産売却損(不課税) 3,000

 

(4)結果

消費税は売却額5,000に対して認識され、正しい売却益1,546が計上されます。

 

4.ご参考~期中の減価償却費~

期中に固定資産を売却した場合には、売却時までの月割減価償却費を計上する場合もあると思います。
その場合は、上記仕訳の後、「減価償却費」対応金額を売却益(or損)から振替えます。
この仕訳も、単純な振替取引のため「不課税取引」となります。

 

借方 貸方
減価償却費(不課税) XXX 固定資産売却益又は損(不課税) XXX

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