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Q38 【完全解説】社宅家賃の具体的計算方法/勘定科目・消費税の取扱い/駐車場・光熱費・住宅手当の取扱いも解説

公開日:2015/04/13 最終更新日:2021/04/02

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Q38 社宅家賃の具体的計算方法

法人の社長で、自宅の家賃は会社の経費にできるの?って思われた方はいませんか?

答えは・・経費にすることが可能です。

法人には、一定範囲で「社宅」という恩典が認められています。
つまり・・「法人名義」で賃借、社宅として役員に転貸すると、法人で経費にできるだけでなく、個人側にも所得税がかかりません(個人事業主には、社宅制度はありません)。

(タックスアンサー NO2600、2597)要約
役員(使用人)に対して社宅等を貸与する場合は、役員(使用人)から1か月当たり一定額(以上)の家賃を受け取っていれば、給与として課税されません。

で、ここでの「一か月当たり一定額の家賃」は、かなり安く設定できるんです。

(なお賃貸借契約が「個人名義」の場合は、社宅とはなりません。個人が会社から家賃をもらうと、個人側で「所得税」が発生しますので、あまり節税にはなりません。)

 

0.YouTube

1.役員の場合

役員向けの社宅の場合、(1)小規模な住宅と(2)それ以外の住宅とに分け、計算方法が定められています
なお、240㎡を超えるようなものや、240㎡以下でも個人的趣味等を著しく反映した豪華なものは、役員社宅の取扱いが認められず、「通常相場並みの賃貸料」が家賃とされます。
 
(小規模な住宅とは?)

小規模な住宅は、下記に該当する住宅となります。
下記に該当しないものは「小規模でない社宅」となります。

法定耐用年数が30年以下の建物 床面積が132㎡以下
法定耐用年数が30年を超える建物 床面積が99㎡以下

区分所有建物は「共用部分の床面積」をあん分し、専用部分の床面積に加えて判定

 

(1)小規模な住宅の場合

次の①から③までの合計額が「賃貸料相当額」になります。

(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
12円×(その建物の総床面積(㎡)/3.3㎡)
(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
(2)小規模でない住宅の場合

その社宅が自社所有か、賃借物件なのかで「賃貸料相当額」の算出方法が異なります。
それぞれ、以下の金額が「賃貸料相当額」になります。

 

自社所有の場合 {(建物固定資産税課税標準額)×12%(※)+(敷地固定資産税課税標準額)×6%} ×1/12
賃借物件の場合 家主支払家賃の50% vs 上記(自社所有)で算出した賃貸料相当額のいずれか大きい金額

 (※)法定耐用年数が30年を超える建物の場合は10%

2.使用人の場合

次の①から③までの合計額が「賃貸料相当額」になります。役員の「小規模な社宅」と計算式は同じです。

(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
12円×(その建物の総床面積(㎡)/3.3㎡)
(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

3.具体例

(例題)役員社宅 小規模住宅のケース

●法人が150,000円/月で賃借しているマンションを、社長に社宅として賃貸する
●マンション総床面積99㎡(建物法定耐用年数30年超)
●建物固定資産税の課税標準額5,000,000円
●敷地の固定資産税の課税標準額2,000,000円

(1)賃料相当額の計算

次の①~③の合計額が、基準となる1か月家賃となります。

建物の固定資産税の課税標準額×0.2% 5,000,000円×0.2%=10,000円
12円×(建物の総床面積(㎡)/3.3㎡) 12円×(99㎡÷3.3㎡)×0.2%=360円
敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22% 2,000,000円×0.022%=4,400円
合計 14,760円
(2)結論

役員は会社に14,760円を支払えば、給与課税されません。
一方で、法人は、外部に毎月家賃を150,000円支払っていますので、支払家賃と受取家賃の差額135,240円(150,000円-14,760円)が実質経費となりますので、大きな節税効果がありますね!

なお、「固定資産税の課税標準額」が分からない場合には、「会社が支払う家賃の50%以上を役員から徴収しておく」と、実質的に問題になることはありません。
 

4.仕訳・勘定科目・消費税の取扱い

上記3の「具体例」をもとに、仕訳を記載します
役員の給料は50万円とします(源泉・社保の仕訳は省略)。

借方 貸方
家賃支払時 地代家賃(非仕) 150,000 現金 150,000
給料支払時 給料 500,000 雑収入(非売)
現金
14,760
485,240

●法人は、地代家賃150,000-雑収入14,760円=135,240円が実質経費となります。
●消費税上、住宅貸付は「非課税」ですので、支払賃料、受取賃料ともに消費税「非課税」となります。
 

5.適正金額(賃借料相当額)を収受しなかった場合は?

●無償貸与or賃貸料相当額より低い家賃の場合は、受取家賃と賃貸料相当額との差額が給与課税されます(※)。(ただし、使用人の場合に、使用人からの受取家賃が、賃貸料相当額の50%以上の場合は、給与課税されません)

上記具体例をもとに、仮に、役員からの「受取賃料」が0円の場合は、賃料相当額(14,760円)-0円(受取家賃)=14,760円が給与課税されます。仕訳は以下の通り。

借方 貸方
家賃支払時 地代家賃(非仕) 150,000 現金 150,000
給料支払時 給料 514,760 雑収入(課売)(※)
現金
14,760
500,000

(※)役員に対する無償の譲渡等は「資産の譲渡等」に該当します(消基通5-3-5)。
したがって、本来受け取るべき賃料相当額は、消費税「課税売上」で認識します。

 

6.水道光熱費・社宅駐車場・住宅手当は?

項目 社宅家賃の対象か? 消費税の取扱い
共益費 〇(住宅の賃料と同様の扱い) 非課税(同左)
水道光熱費 原則×(水道光熱費は生活費のため個人負担)

課税
社宅駐車場 ×(社宅駐車場は「社宅」には該当しないため) 課税

住宅手当(※) ×(住宅手当は「給与課税」)

対象外(給与)

●光熱費については、当該料金の額が①居住に通常必要であると認められる範囲内かつ②各人ごとの使用部分に相当する金額が明らかでない場合に限り、非課税(法解通36-26)
●駐車場代や水道料金料金が、住宅賃料に含まれているときは、原則として非課税取引として取り扱われます。
(駐車場については、車の所有に関わらず「1戸当たり1台以上の駐車スペース」が割り当てられている場合に限定)
●駐車場代と水道料金の従業員負担分を会社が一時的に「立替払い」するケースもあります。この場合は立替金(不課税取引)として処理することも認められています。
(※)入居者が直接契約している場合の家賃負担も、同様に「給与課税」されます。

 

7.(ご参考)固定資産税評価額の入手方法

賃貸物件の場合、通常は「固定資産税課税証明書」が手元にないと思います。
この場合は、市役所等で入手することが可能です。以下のどちらかの方法で入手します。

直接「市税事務所」に行って「固定資産課税証明書」の写しをもらう。
「固定資産証明・閲覧申請書」を市税事務所に郵送し、課税証明を返送してもらう。
(郵送の場合は、手数料として、定額小為替固定資産1種類当たり300円分を同封)

 

8.参照URL

(役員に社宅などを貸したとき)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2600.htm

(寄宿舎の電気料等)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/03.htm

(使用人に社宅や寮などを貸したとき)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2597.htm

(住宅の貸付 消費税の取り扱い)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6226.htm

 

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