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Q42 食事代が福利厚生費で認められる条件/仕訳や消費税の取扱い/社長やフリーランスは?

公開日:2015/09/07 最終更新日:2021/07/19

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社員食堂や残業食事代には税金がかかる?

従業員等が残業等の際に、会社負担でパンなどを差し入れるケースもありますよね?
残業食事代を会社が負担した場合、「一定要件」を条件に「福利厚生費」処理が認められています。

「福利厚生費」として処理が可能な場合は、従業員側には所得税が課税されません。

社員食堂や残業食事代には税金がかかる?

 

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1. 勤務時間外の残業食事代

残業・宿日直時の食事に関しては、「業務上必要な支出」であることから、一定の場合は「福利厚生費」として認められ、給与課税されません
なお、ここでの残業食事代は、あくまで「勤務時間外」での支給に限定されます。
例えば、深夜勤務(18時から26時など)で、「勤務時間内」で夜食を出した場合は含まれません
(この場合は、下記「2、勤務時間内の食事補助」の取扱が適用されます)。

 

(1)要件
会社が実費負担(現物支給) 現物を支給するなど実費負担が原則です。渡切り現金での支給は「給与課税」されます。食事手当等で「給与上乗せ」も、もちろん×です(※)
全従業員を対象 全従業員を対象としている必要があります。特定の役員や従業員だけを対象とした場合は、交際費や給与認定されます。
社会通念上常識の範囲内の金額 ●コンビニ・出前・ファーストフード・通常の飲食店など常識の範囲の金額が要件です。居酒屋の場合は、交際費や給与認定される可能性が高いです。

(※)いっしょに飲食店に食べに行くのはOK。また、会社側で食事を用意できない場合、「本人が立替、後日レシートで精算」も、残業にともなう「実費弁償」と考えられ、現金支給には該当しないと解されています。

 

(2)宿日直の場合

宿日直に関しては、宿直料等として、勤務1回あたり4,000円以内(食事含めて)の現金につき「非課税」とできる規定があります。実費弁済的な取り扱いとして、例外的に認められています。
 

(3)個人事業主本人・社長・一人社長の場合は?

個人事業主自身の残業食事代は、単なる生活費とみなされ、福利厚生費は認められません
社長や役員を対象とした「残業食事代」は、他の従業員同様認められますが、オーナー兼一人社長の場合の「社長」への残業食事代は、「給与認定」される可能性が高いです。詳しくは、Q79をご参照ください。
 

2.勤務時間内の食事補助

「勤務時間外」の残業食事代ではなく、「勤務時間内」の場合はどうでしょうか?
例えば、お弁当代や、社員食堂(材料費のみ)で会社が一部費用負担する場合などです。

こういった「勤務時間内」での食事補助についても、一定の場合は「福利厚生費」扱いが認められています
 

(1) 要件

「勤務時間内」の食事補助に関しては、上記「1.残業食事代」の要件に加えて、下記両方の要件を満たす必要があります。

従業員等が
食事代の半分以上負担
●例えば、1か月当たり食事価額5,000円、従業員負担額が2,000円の場合は要件を満たしません。この場合は、会社負担額3,000円(5,000円‐2,000円)全額が給与課税されます。
⇒半分に満たない部分500円だけでなく、会社負担額全額に課税される点に注意。
会社負担額一人当たり
月額3,500円(税抜)以下
●例えば、1か月当たり食事価額5,000円、従業員負担額が1,000円の場合は要件を満たしません。この場合は、会社負担額4,000円(5,000円‐1,000円)全額が給与課税されます。
⇒3,500円超過部分500円だけでなく、会社負担額全額に課税される点に注意。

なお、従業員の中には、「半分負担が嫌」なので食事補助を受けない方がいるかもしれません。こういった場合も、法人から従業員に「食事補助の機会を与えている事実」があれば、たとえ補助を受けない方がいたとしても、「福利厚生費」の損金性に影響はありません。
 

(2) 深夜勤務の場合

深夜勤務の方については、社食が閉まっているなど夜食の提供が難しい場合に、例外的に「現金で支給」できる以下の規定があります。

深夜勤務(22時~29時の間の勤務)で、夜食の現物支給ができない場合、1食あたり300円以下(税抜)の現金支給については、給与課税されません。

 

ただし、この規定は、深夜勤務が「勤務時間内」の方の規定です。例えば、勤務時間が9時~17時までの方が、残業で22時を越えた場合の規定ではありません。
(食事の現物支給と同視が立証できれば、「非課税」の余地はあるという見解もあります(税務通信 NO 3532)
 

(3) 打ち合わせなどで支給される食事代は?

お客様と飲食店や弁当で食事しながらの打ち合わせ時の食事代は「業務を円滑に行うための費用」であるため、「給与課税」はされず「会議費」となります。
 

3. 従業員から徴収した食事代の会計処理

事業者が、従業員負担分の食事代などを受け取る取引は、原則として「課税資産の譲渡等の対価」となり、「受取金額」が課税売上となります。例えば、会社が弁当代等の一部を負担し、「有償」で従業員に提供した場合は、従業員から受け取る食事代金が「課税売上」となります。

ただし、会社側が負担した弁当等の購入代金は、「課税仕入」に該当します。
 

(1) 消費税法上の規定
直営や外部委託給食施設(※1) 無償で食事提供 課税対象外
有償で食事提供 徴収代金が課税売上
外部の食堂(※1) 食券無償で交付 課税対象外
食券有償で交付 徴収代金が課税売上(※2)

(※1)事業者が負担する材料費、光熱費、施設の運営費、外部食堂への食事代金は課税仕入
(直営給食施設の従業員に支払う給与は課税仕入×)

(※2)従業員から受け取った食券代金を「預り金」処理し、契約食堂代金に充当する場合は、例外的に課税対象外OK。この場合は、「事業者実際負担部分」のみが課税仕入の対象。
 

(2)仕訳例

仕訳方法は「雑収入」「立替金」など色々考えられますが、上記の通り、従業員から徴収した金額が、原則として「課税売上」になることから、実務上は、「雑収入(課税)」で統一しておく方が混乱が生じないかと思います。

(例題)
●1人1か月弁当代5,400円を会社が支払(税込額・軽減税率適用)
●従業員負担分は、給与から天引きする
●従業員給料は200,000円/月。給与源泉、社会保険料等の仕訳は簡便的に省略する

 

①福利厚生費処理が認められる場合

上記例で、従業員が月3,000円負担するケースの場合、「福利厚生費」の要件を満たします。
従業員1人あたりの仕訳は以下の通りとなります。

借方 貸方
弁当購入時 福利厚生費(課仕/軽) 5,400 現金 5,400
給与天引時 給与 200,000 現金
雑収入(課売/軽)
197,000
3,000

●経費の額は、5,400円‐3,000(従業員負担額)=2,400円となり、実質2,400円消費税仕入税額控除が可能です。
●また、全額が「福利厚生費」となるため、従業員側には給与課税されません
 

②福利厚生費の要件を満たさない場合

上記例で、従業員が月1,000円負担するケースは、「福利厚生費」の要件は満たしません。
従業員1人あたりの仕訳は以下の通りとなります。

借方 貸方
弁当購入時 福利厚生費(課仕/軽) 5,400 現金 5,400
給与天引時 給与 200,000 現金
雑収入(課売/軽)
199,000
1,000
給与振替 給与(不課) 4,400 福利厚生費(課仕/軽) 4,400

●経費の額は5,400円‐1,000(従業員負担額)=4,400円となりますが、全額給与扱いとなるため、実質消費税仕入税額控除の額は「ゼロ」となります。
また、全額が「給与」となりますので、従業員側は給与課税されます(源泉徴収の仕訳は省略)。

 

4.参照URL

(食事の支給による経済的利益はないものとする場合)
https://www.nta.go.jp/law/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/05/04.htm

(食事を支給したとき)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2594.htm

(深夜勤務夜食の金銭支給)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/gensen/840726/01.htm

(宿日直料)
https://www.nta.go.jp/law/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/04/03.htm

(従業員負担消費税)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6471.htm

(食事を支給したときの非課税限度額の判定)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2594-1.htm

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