税金の豆知識

Q53【具体例付】輸入に消費税はかかるのか?勘定科目・仕訳・申告書記載方法

公開日:2016/04/04 最終更新日:2021/07/19

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輸入消費税の会計処理

輸入には消費税が課税されるのか?疑問に思う方も多いかもしれません。
実は・・消費税がかかります。

輸入の際には、通常の関税の他、消費税が課税されます。

今回は、輸入手続きの一連の流れと、輸入消費税の会計処理をまとめます。

 

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1. 輸入商品引取時の一般的な税関手続

輸入商品を引き取る場合の一般的な流れは、以下の通りとなります。

税関で、関税と輸入消費税の計算を行い「輸入申告」を行う。
上記の税金を税関(国)に直接支払う。
輸入許可が出れば「輸入許可通知書」を受取り、商品を引き取る。

一般的に、「輸入申告」は、FedExやDHL等の輸入代行業者、通関業者に頼むことが多く、「商品」や「輸入許可通知書」は、これらの業者を通じてお手元に入荷されることになります。

 

2. 消費税の課税対象

原則的な課税対象 国内で、事業者が、事業として対価を得て行う資産の譲渡等
例外 「外国貨物の輸入」には、消費税が課税される

●「輸入」は、海外での商品購入のため、商品購入時点では、消費税は不課税となります(国内ではないので)。
●ただし、国内製品との比較で価格面に不利にならないように、例外的に外国貨物の輸入には「消費税」が課税されます。

 

つまり、海外で商品を購入した時点では、消費税「不課税」だが、日本で、保税地域から荷物を引き取る際には、「外国貨物の輸入」として消費税が課税される流れとなります。これが「輸入消費税」となります。

なお、輸入消費税は、法人だけでなく、個人でも同様に消費税がかかります。

 

3. 輸入消費税の金額算定方法・誰に払ってるのか?

(1) 輸入消費税の金額算定方法

「輸入消費税」といっても、内容は日本国内の消費税のことです。ただし、算定方法が、通常の国内課税仕入消費税と異なり、単純に仕入価格×10%ではありません。以下の通りです。
 

輸入消費税=(CIF価格(※1)+関税)×消費税率(10%)(※2)

(※1)CIF価格とは??・・商品価格+輸入港までの海外運賃+保険料

(※2)実際には端数計算等があり、単純な10%とはなりません。

 

なお、関税も、上記のCIF価格をもとに、国や諸条件ごとの「税率」を掛け合わせて算定します。

 

(2) 誰にはらってるのか?

国内仕入等の場合は、消費税は仕入業者等に支払っていますが、輸入消費税は、仕入業者等ではなく、直接国に支払っています。(輸入消費税は、通関業者が立替払いするケースが多いので、通関業者の請求書に記載されている場合がありますが、通関業者を通して、直接国に支払っています)

 

4. 会計処理

(1) 仕訳イメージ

海外から仕入れた場合の仕訳は、一般的にこんな感じです。

借方 貸方
輸入仕入(輸仕本体)
仮払消費税(輸仕消税 国税)
仮払消費税(輸仕地税 地方税)
12,000
1000
280
買掛金 13,280
(2) 国内仕訳と違う点

仕訳自体は、国内仕入の場合と同じですが、以下の点が違います。

特徴 理由
消費税がぴったり本体×10%にはならない 輸入消費税の金額が、CIF価格等を基準に決まるので。
輸入仕入は国内取引の仕入とは区分して入力
(輸仕本体)(※)
輸入仕入にかかる消費税は、CIF価格を基準に別建て計算するため、国内仕入(課税仕入)のような一律10%の課税仕入扱いはできないため
輸入消費税は、国内取引の仮払消費税とは区分し、手入力する
(国税・地方税に区分)
輸入消費税は、CIF価格を基準に算定され、国内仕入×10%で算定する国内仕入消費税額とは異なる計算方法のため

(※)輸入仕入の消費税区分は、「対象外」となります。

 

(3) 支払内容ごとのまとめ

輸入の際によく出てくる取引ごとに、「勘定科目」「税区分」をまとめると以下のようになります。
輸入時の取引は、おおむね仕入に付随する費用(仕入諸掛)ですので、「勘定科目」は、租税公課ではなく、「仕入高」(=仕入のために要した費用)となります。

種類 課税内容 勘定科目 税区分
輸入消費税申告
(通関業者代行)
商品本体価格 輸入消費税 仕入高 輸仕本体
関税 輸入消費税 仕入高 輸仕本体
海外運賃 輸入消費税 仕入高 輸仕本体
保険料 輸入消費税 仕入高 輸仕本体
輸入消費税 仮払消費税
(国税)
輸仕消税
輸入消費税 仮払消費税
(地方税)
輸仕地税
消費税確定申告
(通常の)
通関手数料 国内消費税 仕入高 課税仕入
コンテナ運送料 国内消費税 仕入高 課税仕入
コンテナヤード
チャージ
対象外 仕入高 不課税

5. 消費税確定申告書の記載

(1) 申告書での記載箇所

輸入消費税は、通常の課税仕入にかかる「消費税」とは、記載箇所が異なりますので、留意しましょう。

(付表2-(1))

記載対象
課税仕入に対する支払対価の額
(税込み)
国内取引の課税仕入
課税仕入れに係る消費税額
(国税のみ)
上記の消費税
課税貨物に係る消費税額
(国税のみ)
輸入消費税の国税部分

 

(2) 注意事項

税関での輸入手続などは、「輸入業者」に委託するケースが一般的ですが、「輸入許可証」などの名義が「通関業者」となっている場合、「仕入税額控除」が認められないケースがあるので注意しましょう
(税務通信 平成28年12月5日 NO3436から抜粋)。

 

6. 具体例

●商品代金500,000
●輸入業者からの関税等の請求代金214,923円。内訳は以下。
関税70,000、輸入消費税(国税)44,400、輸入消費税(地税)12,523、通関手数料80,000(国内消費税8,000)
●上記以外取引はないものとする

 

(1) 仕訳
借方 貸方
①(本体仕入) 海外仕入(輸仕本体) 500,000 買掛金 500,000
②(通関業者請求) 海外仕入(輸仕本体)(※1)
仮払消費税(輸仕消税)(※2)
仮払消費税(輸仕地税)(※2)
国内仕入(課仕)(※3)
仮払消費税(10%)(※3)
70,000
44,400
12,523
80,000
8,000
買掛金 214,923

(※1)関税は「輸入消費税」の対象となるため、国内仕入とは区分し、科目「海外仕入(輸仕本体)」で処理します。
(※2)輸入消費税は、「仮払消費税(国税)」「仮払消費税(地方税)」に区分して「手入力」します。
(※3)通関手数料は、通常の国内消費税の対象のため、科目は「国内仕入(課税仕入)で処理します(仕入諸掛)

 

(2) 消費税申告書の記載

(附表2-(1))

 

7.参照URL

~消費税の課税対象~https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6105.htm

~関税・消費税の税額計算方法~http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1111_jr.htm

 

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