税金の豆知識

Q72 短期前払費用って何?

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Q72短期前払費用って何?

店舗や事務所の家賃などは、翌月分をその「前月まで」に支払うケースが多いですね?
今回は、こういった「毎月支払うような経費」がいつ経費になるか?のお話です。

 

1.原則的な取扱い

家賃などの支払経費は、原則、「役務提供を受けた月」に経費計上を行います。
例えば、12月決算でに、12月に翌月1月分の家賃を支払っても、12月の経費にはできず、あくまで1月の費用となります(支払時の経費にならない)。仕訳は以下のとおり。
(消費税仕訳は省略)

借方 貸方
12月支払時 前払費用 ×× 預金 ×
1月 地代家賃 ×× 前払費用 ×

 

2.例外的な取扱い(短期前払費用)

例外的に、翌月以降分の支払であっても、「支払時に経費にできる」場合があります。「短期前払費用」という制度なんです。
毎月継続的なサービスの支払がある取引は、実務を考慮して、支払時に損金算入を認めてくれる制度です。

例えば、12月決算で、12月に翌月1月分を支払った場合の仕訳は以下のとおり
(消費税仕訳は省略)。

借方 貸方
12月支払時 支払家賃 ×× 預金 ×

一般的には、支払時の仕訳は、借方「前払費用」の科目を利用しますが、短期前払費用の制度を活用すると、支払時に「損金」にすることが可能です。
 

3.支出時の税金が安くなる

短期前払費用は、支払時に損金計上できるため、支出年度の税金が安くなりますよ!
しかも、1年以内の役務提供、例えば、家賃を1年分前払しても、要件さえ満たせば、支払時に一括で損金に認めてくれますので、意外と影響は大きいです。

 

4.短期前払費用が認められる要件

以下「すべての要件」を満たす必要があります。

① 支払日から「1年以内役務の提供を受ける」ものであること
契約に基づき、同一サービス継続的に受けるもの
 (毎月金額が変わる、サービス内容が一定でない場合は・・×。)
③ 継続的に支払時に費用処理していること
 (年払・月払を年度ごとに変更は×)
④ 収益計上と対応させる取引でないこと(例 借入金利息×)
⑤ 決算までに支払うこと(未払は×)

なお、勝手に1年分を支払っても×です。
契約書で、年払方法が可能であることが記載されているとよいですね。

 

5.対象取引の例

家賃、保険料、保守料、駐車場代など、継続的な取引形態のもの場合が対象となります。

 

6.具体例(3月決算)

例題 結論 理由
3月末に、4月~翌年3月家賃を支払
(※1)
要件すべて満たしているため
2月末に、4月~翌年3月家賃を支払
(※2)
× 支払日から1年を超えているため(要件1)
3月末に、4月~翌年3月分までの
「雑誌年間購読料」を支払。
× 「物の購入」で役務に該当しないため(要件2)
⇒(「前払金」であって、「前払費用」ではない)
3月末に、4月~翌年3月分までの
「税理士顧問料」を支払
× 毎月の報酬額は同一でも、月によってサービスの内容が異なるため(要件2)
3月末に、5月の「社員旅行ツアー代」を支払 × 継続的な契約ではないため
(要件1)
3月末に、4月~翌年3月分までの
「借入利息」を支払
× 収益計上と対応させる取引のため(要件4)
3月末に、4月~翌年3月分までの
「家賃収入に対応する支払家賃」を支払
× 収益計上と対応させる取引のため(要件4)

(※1)10日くらいの「かい離」はOKです。例えば、3月21日に、4月~翌年3月までの1年分を支払った場合、厳密には「10日オーバー」になりますが、そのあたりは柔軟な運用がされるようです。
(※2)この場合、超えた1か月分だけが否認されるわけではなく、全額が否認されます。(全額が支払時損金算入不可)。

 

7.消費税上の取扱いは?

「短期前払費用」の処理が認められる場合は、消費税上も、支払時の「課税仕入」にすることが認められます。

(例) 3月末に、4月分の家賃20万円(税抜)を支払った

(短期前払費用が認められる場合の仕訳)

日付 借方 貸方
3月末 地代家賃
仮払消費税
200,000
16,000
預金 216,000

 

参照URL

(短期前払費用として損金が算入できる場合 法人税)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5380.htm

(消費税 課税仕入れの時期11-3-8)
https://www.nta.go.jp/law/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shohi/11/03.htm

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