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Q85 【立替交通費】外注等で立て替えた「交通費等」を請求する際の勘定科目は?/消費税や源泉所得税の取扱い/請求書の具体例

最終更新日:2026/01/21

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Q85 外注で立て替えた実費(交通費・宿泊費)の消費税・源泉所得税

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

はまだ税理士法人の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
あずさ監査法人出身
クレアビズコンサルティング株式会社:代表取締役
                                                           YouTubeチャンネル:はまだ税理士法人のちょっとお得な税金の豆知識
相続専門サイト:御影みらい相続センター

例えば、取引先から依頼された業務の際に立て替えた「交通費」や「宿泊費」などを、取引先に「請求」するケースもあると思います。こういった「立替金」を請求する場合、勘定科目は「立替金」なのか?「売上」なのか?判断に迷うケースも多いです。また、支払った「宿泊代」などの領収書には消費税が含まれているため、先方に「消費税」分を請求できるのか・・についても、疑問が生じます。

その他、別の論点として、個人事業主の場合は、支払の際に「源泉徴収」が必要な取引もあります。当該「源泉徴収税額」の金額は、当該立替分を含めて計算するのか?という論点もあります。

そこで今回は、立替で支払った交通費等の「勘定科目」や、「消費税」及び「源泉所得税」の取扱いをまとめます。

 

1.宿泊費や交通費は、消費税課税取引

「交通費」や「宿泊費」などは、たとえ立替で支払った場合でも、「消費税」がかかります。
「宿泊費」などは、消費税が明記されているためわかりやすいですが、「交通費」も、「内税」となっているだけで、消費税課税取引となります。

例えば、電車賃200円を支払った場合は、税込額となりますので、本体182円、消費税18円の合計で200円となります。
 

2.取引先への請求仕訳は、2種類

上記の通り、「交通費・宿泊費」とも、消費税課税取引となりますが、立て替えた「交通費等」を請求する際の勘定科目は、①立替金として実費精算する場合と、②交通費等を報酬に含めて請求する場合で異なります。
 

(1) 立替金として実費精算する場合

請求書上、「立替金部分」を、本体の売上とは区別して記載し、実費精算する場合です。請求書とは別に、「立替金精算書」などで、別途精算するケースもあります。
この場合は、本来、他人が負担すべき金額を一時的に肩代わりしただけですので、「資産や役務提供等の対価」に該当せず、消費税は課税されません。したがって、交通費支払時、取引先請求時とも、勘定科目は、消費税支払部分も含めて、税込額で「立替金(消費税対象外)」処理を行います。

当該ケースでは、取引先名義の領収書等を入手して、立替金精算時に添付するケースが一般的です。

なお、請求された取引先側は、ご自身が直接支払った交通費と同様、「旅費交通費(課税仕入)」で仕訳を行います。

 

(2) 報酬に含めて請求する場合

交通費を、立替金ではなく、報酬(=売上)の一部として請求するケースです。例えば、「出張費込の工事代金」などで請求するケースなどです。
この場合は、他人が負担すべき金額の請求ではなく、役務提供等の対価としての売上請求(消費税課税)となりますので、支払う際の交通費も、「消費税課税取引」となります。したがって、交通費支払時は、立替金ではなく、税抜額で「旅費交通費(課税)処理を行い、取引先に請求した金額も、税抜額で売上(課税売上)処理を行います。

 

3.具体例

● 取引先への売上額10,000(消費税 別途1,000)
● 業務にあたって支払った交通費2,200(税込額)。当該交通費は、取引先に請求するものとする。

 

(1) 立替金として実費精算する場合

支払った交通費を、「立替金」として実費精算する場合、「立替金(消費税対象外)」の勘定科目で仕訳を行います。

借方 貸方
交通費支払時(※) 立替金(対象外) 2,200 現金(対象外) 2,200
取引先請求時 売掛金(対象外) 13,200 売上(課売)
仮受消費税
立替金(対象外)
10,000
1,000
2,200

(※)立替金の金額は「消費税込み」の金額となります。
 

【請求書の記載例】

金額
売上請求分(課税) 10,000
消費税 1,000
小計 11,000
立替金(対象外) 2,200
請求額 13,200
(2) 報酬に含めて請求する場合

支払った交通費を、役務提供の対価(売上)として請求する場合、「旅費交通費(課税)」・「売上(課税)」の勘定科目で仕訳を行います。

借方 貸方
交通費支払時 旅費交通費(課仕)
仮払消費税
2,000
200
現金 2,200
取引先請求時 売掛金 13,200 売上(課売)(※)
仮受消費税
12,000
1,200

(※)本体10,000+交通費2,000(税抜額)=12,000
⇒交通費も含めた金額を、「課税売上」で計上します。集計金額は、立替金処理の場合と異なり、税抜額となります。
 

【請求書の記載例】

内容 金額
売上本体請求分(課税) 12,000
小計 12,000
消費税 1,200
請求額 13,200

【注意事項】

なお、立て替えた交通費は税込額となりますので、「支払った額(=税込額)」に上乗せして消費税の請求はできません。したがって、交通費部分は、支払額ではなく税抜額(支払額÷1.1)を記載する必要があります。

 

4.源泉所得税は?

個人事業主の場合は、源泉徴収が必要なケースがあります。
例えば、フリーランスの方が、講師料を請求する場合や、デザイン料などを請求する場合です。
こういった場合は、「源泉所得税」を差し引いて、請求書を作成します。

しかしながら、例えば、請求書において、本体の講師料以外に、「交通費」を請求する場合、「源泉所得税」の金額算定時の金額は、交通費を含めた額なのか、消費税を含めた額なのか・・疑問が生じます。
 

(1) 交通費等の取扱い

源泉所得税の計算における「報酬料金」には、原則として、立て替えた交通費も含まれます。
したがって、本体価格だけではなく、交通費を含めた金額で、源泉所得税を計算します(所基通204-4)。

【例外】

ただし、明らかに「立替分」と判別される、以下の項目は除外できます。

● 登記、申請をするための立替登録免許税等(弁護士や司法書士など)
● 通常必要な範囲内の交通費、宿泊費等を、取引先(外注元)が直接ホテル等に支払う場合
● 交通機関やホテル等から「取引先(外注元名義)の領収書」を受け取って精算する場合(※)

(※)実態として支払者が直接支払われたものと同視できるため、源泉徴収不要(税務通信 NO3615)。
逆に言うと、取引先名義ではなく、立て替えた個人名義で領収書をもらっている場合は、原則通り、源泉徴収が必要ということになりますね。
 

(2) 消費税の取扱い

消費税を明確に区別した請求書であれば、「消費税を除いた額」で、源泉所得税の計算が可能です。

 

(3) 請求書の具体例(源泉徴収あり)

● 講師料の請求額10,000(消費税 別途1,000)。当該取引は源泉徴収が必要な取引とする(10.21%)。
● 業務にあたって支払った交通費2,200(税込額)。当該交通費は、取引先に請求するものとする。
● 消費税は、請求書に別途明示しているものとする。

原則的な取扱いは、「交通費部分」についても源泉所得税がかかります

内容 金額
本体請求分(課税) 10,000
交通費(課税) 2,000 ※1
小計 12,000
源泉所得税 △1,225 ※2
差引 10,775
消費税 1,200 ※3
請求額 11,975

※1 交通費税込2,200 ⇒ 税抜額 2,000(消費税200)

※2 交通費部分は、「源泉所得税」がかかります(消費税部分は別途明示しているため「源泉所得税」はかかりません)。
 ⇒(10,000 + 2,000) × 10.21% = 1,225

※3 「本体+交通費」にかかる消費税 ⇒(10,000 + 2,000) × 10%=1,200

 

【例外】
例えば、立替金の領収書名義を、取引先名義(外注元名義)で入手した場合は、交通費部分は源泉徴収不要です。
 

内容 金額
本体請求分(課税) 10,000
源泉所得税 △1,021 ※1
差引 8,979
消費税 1,000 ※2
交通費(対象外) 2,200
請求額 12,179

※1 取引先名義の領収書の場合、交通費には、「源泉所得税」がかかりません(消費税は、上記「原則」と同様)。
 ⇒(10,000円) × 10.21%=1,021

※2 「本体」にかかる消費税 ⇒ 1,000 × 10%=1,000

 

5.参照URL

~実費弁償金の課税~
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/02/12.htm

~弁護士や税理士等に支払う報酬・料金~
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2798.htm

~ホテルの客のタクシー代の立替払~
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/02/11.htm
 

6.YouTube

 

YouTubeで分かる「外注立替交通費等の消費税請求」
 

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