税金の豆知識

Q85【具体例で解説】外注立替交通費等の消費税・源泉所得税の取扱・請求書記載例

公開日:2017/04/21 最終更新日:2020/11/16

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Q85 外注で立て替えた実費(交通費・宿泊費)の消費税・源泉所得税

例えば、外注を請け負った場合、最終的に、「交通費」や「宿泊費」などの立替分を外注元に「精算請求」するケースってありますよね。この場合、「消費税」分を請求できるのか?って悩まれたことありませんか?

「立替」なんで、消費税なんてかからないのでは・・?
でも、領収書見ると「宿泊代」には消費税も含まれてる感じだな・・など悩まれるかもしれませんね。

今回は、立替で支払った交通費等の「消費税」及び「源泉所得税」の取扱いをまとめます。

 

1. 消費税は課税される?

まず、前提知識として「交通費」「宿泊費」にそもそも消費税がかかるのか?という論点です。

「交通費」や「宿泊費」は、たとえ立替で支払ったとしても、「消費税」がかかります。
したがって、立替分でも、原則としてご自身が支払った金額は「課税仕入」、外注元に請求した金額は「課税売上」となります。

ただし、こういった立替金を、通常の「請求書」と別に、「立替金精算書」などで実費精算する場合(外注元名義の領収書添付)は、本来、外注元が支払うべきものを、単に立替払しただけですので、立替金(消費税対象外)処理、外注元は「課税仕入」で処理を行います。

 

2. 内税?外税?

次に、消費税の表記です。
「宿泊費」は消費税が明記されていて外税表示になっていることが多いので、わかりやすいですね。
一方、「交通費」、一般的に「消費税」は明記されていませんが、消費税が課税されています。
つまり・・内税なんですね。

電車代やタクシー代などで支払った金額には、既に「消費税が含まれている」とお考え下さい。

 

3. 請求書の記載方法

次に、請求書の記載方法です。
「立替交通費」等を先方に請求する場合、「請求書」には、どうやって記載すればよいのでしょう?
「税抜で本体を記載」して、「消費税を別途記載」するような請求書の場合、特に混乱されるかもしれません。

おさらいになりますが、どちらも、支払った額には「消費税」が既に含まれていますので、支払額に上乗せして「消費税」を請求することはできません。
 

この点、宿泊代は「外税」ですので、分かりやすいと思います。
単純に支払時の領収書等を見ながら、「税抜額」を記載すれば終了です。

 

一方、交通費の場合は、「内税」ですので、どう記載するか?悩まれるかもです。
宿泊費と同様、「支払った額」に上乗せして消費税請求はできません。
ですので、請求書の本体には、支払額ではなく税抜額(支払額÷1.1)を記載します。
この結果、消費税込みの請求額は、「立替払で支払った額」と一致します。

 

「立替交通費」を請求書に記載する場合は、ちょっと注意しましょう。

 

4. 源泉所得税はどうやって計算するの?

例えば、フリーランスの方が講師などをした場合、「源泉所得税」を差し引いて請求書を作成する場合もありますね。
この場合、本体の講師料以外に、「立替交通費」や「消費税額」などの項目がある場合、「源泉所得税」の税率はどの額にかけるのか??交通費を含めた額?消費税を含めた額?・・悩みどころですね。

 

(1) 交通費等の取扱い

立替交通費も、原則として、報酬料金に含まれます。

つまり、交通費を含めた額に、源泉所得税率を掛け合わせます(所基通204-4)。

ただし、明らかに「立替分」と判別される、以下の項目は除外できます。

登記、申請をするための登録免許税、手数料等(弁護士や司法書士など)
通常必要な範囲内の交通費、宿泊費等を支払者が直接、交通機関やホテル等に支払う場合

 

なお、フリーランスの場合でも、交通機関やホテル等から「会社宛(外注元名義)の領収書」を受け取って精算する場合は、実態として支払者が直接支払われたものと同視できるため、源泉徴収不要ということのようです
(税務通信NO3615)。
逆に言うと、個人宛の領収書だと、原則通り、源泉徴収が必要ということになりますね。
 

(2) 消費税の取扱い

消費税を明確に区別した請求書であれば、「消費税を除いた額」に源泉所得税率をかけ合わせれることができます。

 

5. 請求書の事例

本体価格10,000円(税別)、別途立替交通費2,000円(税込)を請求する場合の「請求書」は、こんな感じになります
(源泉所得税率は10.21%とします)

(1) 原則

原則的な取扱いは、交通費にも源泉所得税がかかりますので、以下のような請求書となります。

内容 金額
本体請求分 10,000円
交通費 1,818円 ※1
源泉所得税 △1,206円 ※2
差引 10,612円
消費税 1,182円 ※3
請求額 11,794円

※1 交通費は税込2,000円支払⇒税抜額は?
 ⇒÷1.1=1,818円(消費税 182円)

※2 交通費には、「源泉所得税」がかかります。
 一方、消費税は別建てされているため、「源泉所得税」がかかりません。
 つまり、源泉所得税の課税対象は、「本体請求分+交通費」となります。
 ⇒(10,000円+1,818円)×10.21%=1,206円

※3 「本体+交通費」にかかる消費税

 ⇒(10,000円+1,818円)×10%=1,182円

 

(2) 例外

立替金の領収書名義を、会社宛(外注元名義)で入手した場合の場合は、交通費部分から源泉徴収を行う必要がありませんので、以下の請求書になります。
 

内容 金額
本体請求分 10,000円
交通費 1,818円 ※1
源泉所得税 △1,021円 ※2
差引 10,797円
消費税 1,182円 ※3
請求額 11,979円

※1 上記同様

※2 会社宛ての領収書の場合、交通費には、「源泉所得税」がかかりません。
また、消費税も別建てされているため、「源泉所得税」がかかりません。
つまり、源泉所得税の課税対象は、「本体請求分」のみとなります。

 ⇒(10,000円)×10.21%=1,021円

※3 「本体+交通費」にかかる消費税
 ⇒(10,000円+1,818円)×10%=1,182円

 

6. 参照URL

~実費弁償金の課税~
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/02/12.htm

~弁護士や税理士等に支払う報酬・料金~
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2798.htm

~ホテルの客のタクシー代の立替払~
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/02/11.htm

 

7. YouTube

 

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