税金の豆知識

Q101 一般社団法人の課税対象と確定申告

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Q99 一般社団法人の課税対象と確定申告

 

1. 広義の一般社団法人とは?

一般社団法人のイメージは、公益や社会貢献的なイメージが強いかもしれませんね。
一言で一般社団法人と言っても、種類は様々で、収益事業を行う法人も存在します。

広義の「一般社団法人」は、「営利(=利益分配)を目的としない団体」を指します。

この、広義の「一般社団法人」は・・・

①公益社団法人
②狭義の一般社団法人

の2つに区分されます。

今回は、このうち、②狭義の一般社団法人を取り上げます。
(以下、狭義の方を、単に「一般社団法人」と略します)

 

2. 「一般社団法人」の課税対象

狭義の一般社団法人では、「営利事業」を行うこともあります。

狭義の一般社団法人も、実は以下の2つに分かれます。

(1)非営利型法人
(2)非営利型以外の法人

いろいろ区分があってややこしいですね・・

 

(イメージ図)

公益認定を
受けているか?
非営利型法人の
要件に該当するか
広義の一般社団法人 公益社団法人
狭義の一般社団法人 非営利型法人
× 非営利型以外の法人

また、上記区分とは関係なく、一般社団法人が行う「収益事業」については、「法人税等」が課せられます。

つまり、一般社団法人は、「すべての収入」に対して課税されるわけではありませんが、「収益事業」に対しては、税金がかかってきます。

 

「一般社団法人」の課税対象をまとめると、以下の通りとなります。

種類 課税対象
(1) 非営利型以外の法人 すべての所得
(2) 非営利型法人 収益事業から生じた所得

どうですか?つまり・・①非営利型法人で、かつ②収益事業を行っていなければ・・
確定申告は必要ないという結論になりますね。

この2つの点がポイントになります。以下、記載しますね。

 

3. 非営利型法人の要件

非営利型法人には、以下の2種類があります。また区分なんですが(笑)

非営利性が徹底された法人 非営利を目的とする法人(会費などなし)
共益的活動を目的とする法人 基本的に非営利を目的とするが、会員から受け入れる会費により、会員の共通利益を得るための事業を行う法人

上記のどちらに該当するか?で、「非営利型法人」になるかどうか?の要件も異なってきます。種類ごとに、要求されている「すべての要件」を満たす必要があります。

種類ごとの要件は以下の通りとなります。

 

種類 非営利性が徹底された法人 共益的活動を目的とする法人
要件 ① 定款に以下の定めがある

●剰余金の分配を行わない

●解散時の残余財産は、
国等一定の公益的団体に帰属する

② 理事と理事の親族等である理事の合計数が、理事全体の1/3以下。

③ 上記定款に違反する行為を行う決定or行ったことがないこと

① 定款に以下の定めがない。

●特定の個人や団体に剰余金の分配を行う

●解散時の残余財産を
特定の個人や団体に帰属させる

② 定款に会費の定めがある。

③ 会員に共通する利益を図る活動が目的

④ 主たる事業として収益業を行っていない

⑤ 理事と理事の親族等である理事の合計数が、理事全体の1/3以下

⑥ 上記①~④又は④の期間に該当していた期間において特定の個人又は団体に特別の利益を与える決定or与えたことがないこと。

4. 収益事業の範囲

次に、「収益事業」というのが、いったい・・どういったものを指すのか?です。

実は・・「収益事業」の範囲は、「法人税法」に明確に記載されています。

 

(1) 収益事業の範囲(法令第5条1項、法基通15-1-1~8)

① 法人税上の「収益事業34業種」に該当

② 事業場を設けて営まれること

③ 継続して営まれること

収益事業に「付随して行われる行為」も、収益事業に含まれます(法基通15-1-6)

 

(2) 収益事業判断の具体例

例)「共益的活動を目的とする法人」で下記の入金があった場合。

入金内容 収益事業に
該当するか?
理由
賛助会費 × 34業種に該当しない。
物販 34業種(物品販売業)に該当(法令5条1項 )
出版物の刊行 34業種に該当(法令5条12項)
出版物刊行に関係する講師料 収益事業を営むために行う付随行為

 

5. 確定申告書作成時の留意事項

一般社団法人で、「確定申告」が必要な場合、税務署等に必要な提出物自体は、一般的な「株式会社」と何ら変わるところはありません。
ただし、一般社団法人の場合、株式会社にはあてはまらない点や、申告対象が「収益事業」に限定されることから、申告書の記載方法で、迷うところがあります。
実務上、よく質問のある箇所を以下にまとめておきます。

提出物 記載事項 株式会社 一般社団法人
法人税申告書 ・別表2出資欄
・別表5(1)資本の部
記載 空欄で可
地方税申告書 ・均等割 資本金や従業員数に
応じた税率
最低の税率で可
決算報告書 ・貸借対照表
・損益計算書
・株主資本等変動計算書
すべての勘定科目を記載 収益事業に関する
勘定科目のみを
記載すれば可

 

6. 一般社団法人の消費税

一般社団法人では、「会費など」対価性のない収入が多く計上されます。そこで、消費税申告書の計算では、「仕入税額控除」につき、一定の調整計算が行われます。

具体的には、特定収入(会費、寄付金、補助金等)の占める割合が全体の5%を超える場合、「仕入控除税額の調整」を行います。詳しくは、また別の機会に記載します。

 

7. (ご参考)公益社団法人と一般社団法人の違い

大きな違いは公益認定を受けているかです。

公益社団法人
(公益認定を受けている)
・公益性が求められ、設立登記後に行政庁へ公益認定申請を行う
・都道府県(または内閣府)の監理下での活動となり、報告義務あり
一般社団法人
(公益認定を受けていない)
・公益認定を受けていない一般社団法人。
・登記のみで設立でき、自由度の高い活動が可能。

なお、公益社団法人も、公益目的事業以外の事業のうち、「収益事業から生じた所得」が課税対象となります。

 

参照URL

● 一般社団法人・一般財団法人と法人税https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/koekihojin/01.htm

● 収益事業の範囲(法基通15-1)
https://www.nta.go.jp/law/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/15/15_01_01.htm

● 収益事業34業種(法令 5条1項)
http://www.houko.com/00/02/S40/097.HTM#s1.1

● 特定収入がある場合の仕入控除税額の調整(消費税)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6495.htm

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