税金の豆知識

Q106 法人が寄付した場合の損金算入限度額

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Q106 法人が寄付した場合の損金算入限度額

寄附金とは、金銭、物品その他経済的利益の贈与又は無償の供与をいいます。
一言でいうと、「対価性がない支出」です。
法人税上、寄付金を無制限に認めると、経費がどんどん計上できてしまうため、「損金算入が可能な上限額」を定めています。

 

1. 寄付金の種類

 

寄付金の種類は下記3つです。種類に応じて損金算入限度額が定められています。

種類 例示 損金算入額
指定寄付金 ● 国・地方公共団体に対する支出
● 日本育英会に対する寄付金(学資貸与)
● 日本赤十字社(大蔵大臣指定のもの)
● 共同募金(赤い羽根)
● 日本赤十字社義援金等(被災者配分)
● 国公立学校への寄付(新増築費・拡張)
全額損金算入
特定公益増進法人等
に対する寄付金
● 社会福祉法人・公益社団法人・
  公益財団法人に対する支出
● 認定NPO法人への寄付
● 独立行政法人に対する支出
● 日本育英会・日本赤十字社(上記①以外)

一部損金算入
一般の寄付金 ● 政治団体・町内会・宗教法人への寄付
経済的利益の供与・低額譲渡等
一部損金算入

 

2. 「損金算入額」の計算方法

 

上記の①は「全額損金算入」となりますが、②③は「損金算入限度額」が定められています。ですので、「寄付金損金不算入額」は、以下の式で計算されます。

上記①~③支出寄付金合計 -(①の支出額 + ②③の損金算入限度額

以下の章で、具体的に、上記②③の「損金算入限度額の算定方法」を見ていきます。

 

3. 損金算入限度額の計算方法

 

(1) 特定公益増進法人等に対する寄付金

「特定公益増進法人等に対する寄付金」の損金算入限度額の
計算方法は以下となります。
特別損金算入限度額といいます)

● 特別損金算入限度額=(資本基準+所得基準) × 1/2
 
(※1) 資本基準
  期末資本金等の額×当期の月数/12×0.375%
(※2) 所得基準額
  当期の所得金額(別表4仮計の金額+支出寄付金の額)×6.25%

 

「資本金等の額」とは、別表5(1)Ⅱ差引合計欄のことです。詳しくは、「資本金等の額」って何?をご参照ください(以下同様です)。

● 「支出寄付金の額」は「一般寄付金」に限らず、「指定寄付金」や、「特定公益増進法人等に対する寄付金」も含まれますので、注意しましょう (以下同様です)。

● また、「特別」損金算入限度額という点にも注意です。下記(3)の「一般の寄付金」とは「別枠」で、「特別に認められた損金算入限度額」となります。
特定公益増進法人等に対する寄付金(公益法人等が支出したものを除く)のうち、「特別損金算入限度額」を超える部分の金額は、「一般の寄附金」に係る損金算入限度額の範囲内で損金の額に算入されます。

 

(2) 一般の寄付金

「一般の寄付金」の損金算入限度額の計算方法は以下となります。

● 損金算入限度額=(資本基準+所得基準)×1/4
 
(※1) 資本基準
  期末資本金等の額×当期の月数/12×0.25%
(※2) 所得基準額
  当期の所得金額(別表4仮計の金額+支出寄付金の額)×2.5%

 

4. 注意事項

 

(1) 経済的利益の供与・低廉譲渡

寄付をした!という認識がなくても、税務上「寄付金認定」されるケースがあります。「一般の寄付金」に例示される「経済的利益の供与・低廉譲渡」と言われる取引です。
例えば、財産や物を無償で贈与したり、無利息貸付を行った場合などは、法人税上、「経済的利益の供与」とみなされ、「時価相当額」や「利息部分」が寄附金となります。関係会社に対する債権放棄も、要件を満たさない限り「寄付金認定」されます。寄付金認定されると、課税関係が生じますので注意しましょう。

 

(2) 実際支出した寄付金のみ

寄付金が損金になるためには、実際に支出が必要となります。未払の段階の寄付金は損金として認められない点に注意しましょう。

 

5. 具体例

 

指定寄付金 1,000千円(会計上 費用計上)
一般の寄付金支出額 2,000千円(会計上 費用計上)
● 別表4「仮計」の金額 8,600千円
● 資本金等の額 100,000千円

 

(1) 支出寄付金合計(指定寄付金+一般の寄付金)

1,000千円(指定)+2,000千円(一般)=3,000千円

 

(2) 損金算入限度額(一般寄付金のみ)

① 資本基準額
100,000千円×12/12×0.25%=250千円

② 所得基準額
(8,600千円+1,000千円+2,000千円)×2.5%=290千円

③ 限度額
(250千円+290千円)×1/4=135千円(損金算入限度額)

 

(3) 損金不算入額

3,000千円-1,000千円(指定寄付金)-135千円(一般の寄付金限度額)=1,865千円

 

(4) 別表4 所得の金額の計算に関する明細書の記載
区分 総額 処分
留保 社外流出
当期利益 ・・・
加算 ・・・ ・・・
減算 ・・・ ・・・
仮計 8,600,000
寄付金の損金不算入額(※) 1,865,000 1,865,000

(※)実際は、別表8から転記されます。
 

参照URL

● (特定公益増進法人に対する寄付金)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5283.htm

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