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Q144 出張手当の目安は?

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Q144 出張手当の目安は?

会社によっては、基本給のほか、残業手当、職務手当、家族手当などの「手当」がつく会社もありますね。
これらの「諸手当」には、所得税がかかるのでしょうか?

原則的に、「手当」と名前がつくものには、基本給と同様に「所得税」がかかりますが
例外的に、「出張手当」については所得税がかからないことになっています。

今回は、この「出張手当」について解説します。

 

1. 出張手当って?

出張した際に発生する経費には、交通費や宿泊代、出張中の食事代などがあります。
一般的に「交通費」や「宿泊費」は、領収書等と引き換えに「実費精算」を行います。

しかし、食事代などの場合は、各人によって支出額にばらつきがあり、実費精算を行うと「各人間の不公平」を生む可能性あります。そこで、交通費、宿泊費以外の雑費は、「出張旅費規程」に基づいて「日当」に含めて支払う場合が一般的です。⇒これが出張手当です。

つまり、食事代などの雑費は、領収書の有無に関係なく(渡し切り)日当・手当として一律に支払うことが多いですね。

 

2. 所得税は非課税・法人側は損金

「転勤や出張などのための旅費のうち、通常必要と認められるもの」には、所得税がかかりません(所法第9条1④)。
例えば、交通費、宿泊費だけでなく、出張中の食事代なども「通常必要と認められるもの」であれば、非課税となります。

逆に言うと、出張手当に含めて支給される食事代等の雑費も、「出張手当の金額」が「通常必要と認められるもの」であれば、所得税は課税されないことになります。

つまり、「社内規定」などで、出張手当を「通常必要と認められる金額」で定めておくことが非常に重要となります。

なお、出張手当を支払う会社側は「旅費交通費」として全額経費計上(損金算入)ができます(国内出張の場合は、「課税仕入」、海外出張の場合は「課税対象外」)

 

3. 出張旅費規定作成のポイント

「出張旅費規定」を作成する際、具体的にどのような点に注意すべきでしょうか?
参照すべき「税法上の規定」は以下となります。

 

(所得税基本通達9-3)非課税とされる出張旅費の範囲 抜粋

・・・その旅行に必要な運賃、宿泊料、移転料等・・通常必要とされる費用・・範囲内の金品・・当該範囲内の金品に該当するかどうかの判定に当たっては、次に掲げる事項を勘案する。
(1) その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。
(2) その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか。

 

(1) 適正なバランスとは?

「特定の者に有利な規定になっていないか」という点がポイントです。
例えば、新人Aさんの日当が5,000円/日であるのに対し、新人Bさんの日当が1,000円/日だと・・適正なバランスとは言えませんよね。
一方、職務内容の違いに応じて、例えば、役員は5,000円/日、社員は3,000円/日など、役職に応じて日当金額に差異を設ける分には問題ありません。

 

(2) 同業種等との比較での相当性

「産労総合研究所」というシンクタンクが、2年に1回、出張旅費の支給状況を調査していますので、参考に調査結果を抜粋します(2017年度の調査結果)

① 国内出張日当(1日あたり)

部長 一般
日帰り日当 2,491円 1,954円
宿泊日当 2,809円 2,222円
宿泊費 9,870円 8,723円

② 海外出張旅費

部長 一般
宿泊日当(北米地域) 6,189円 5,080円
宿泊日当(中国地域) 5,604円 4,603円
宿泊費(北米地域) 15,950円 14,170円
宿泊費(中国地域) 13,780円 12,259円

● 役職の違いや、国内海外出張先の違いにより、日当金額が異なっているのがわかります。
● 出張先までの距離に応じて(100キロ基準など)、差異を設ける会社もあります。
● 上記をもとに、国内宿泊出張手当の一般的な目安を記載します(あくまで私見)。

社長 役員 部長 課長 社員
5,000円 4,000円 3,000円 2,500円 2,000円

  会社によって出張の内容も異なると思いますので「明確な答え」はない論点ですね。

 

(3) 出張報告書や出張旅費精算書等

出張手当規定のほか、出張先や出張目的、日程等の情報を、「出張報告書」や「出張旅費精算書」などに記載し、根拠を残しておくことをお勧めします。

 

4. 出張手当が否認された場合の影響

税務署から出張手当が否認されると(=給与認定される)・・面倒なことになります。
影響がある論点は、以下でしょうか。

税目 否認された場合の影響
会社側 消費税 仕入税額控除(課税仕入)が減少
法人税 役員の場合は、役員賞与損金不算入
源泉所得税 源泉所得税徴収漏れによる不納付加算税
個人側 所得税 個人側の所得税課税所得が増える

否認された場合の影響が「かなり広範囲」にわたるので、出張旅費規定で定める「出張手当」は、無難な金額で設定しておく方がよさそうですね。

 

5. ご参考~個人事業主の場合

個人事業主本人に支払った出張手当は必要経費に算入されません。個人事業主の場合、経費にできるのは従業員に支払う出張手当のみとなります。

 

6. 参照URL

出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当などの取扱い
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6459.htm

給与所得となるもの
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2508.htm

所得税基本通達9-3
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/02/02.htm#a-02

「産労総合研究所」出張旅費に関する調査 2017年度
https://www.e-sanro.net/research/research_jinji/shanaiseido/shuccho/pr1710.html

 

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