税金の豆知識

Q171 決算賞与の損金算入要件

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Q171 決算賞与の損金算入要件

決算賞与とは、通常の賞与と異なり、会社の決算業績に応じて支給する賞与です。
予想外の利益が出る場合等に従業員に還元するものですが、要件を満たせば、支給前でも損金として認められます。

 

1. 決算賞与のメリット・デメリット

メリット デメリット
● 従業員のモチベーションが上がる
● 損金が増えるため節税が可能
● キャッシュの流出
● 従業員の無用な期待が膨らむ

 

2. 決算賞与の支給要件

事業年度内に支払がなくても損金として認められますが、下記の要件が必要となります
(要件満たさない場合は、実際支給年度の損金となります)。

事業年度内に、支給額を、各人別かつ同時期に支給を受ける全ての使用人に通知していること。
通知した金額を、通知した全従業員に対し決算日翌日から1ケ月以内に支払っていること(未払OK)。
支給額につき、通知した日の属する事業年度に損金経理をしていること。

 

3. 支払しなかった人や通知額と異なる支給者が1人でもいたら×

決算賞与通知後、退職等により、1人でも支払しなかった人がいた場合は、全員分の決算賞与を損金に計上できません
また、1人でも、当初通知額と支払額が異なる人がいた場合、全員分の決算賞与を損金に計上できません。

 

4. 決算賞与に対応する社会保険料は×

決算賞与に係る社会保険料の支払義務が確定するのは、決算賞与支払月の末日、支払は決算月翌々月末となります。
つまり、、決算賞与にかかる社会保険の支払は、決算日翌日から1か月以内に支払を終えていないということになるため、決算賞与の要件を満たしません。
 
したがって、未払決算賞与に係る社会保険料に関しては、翌年度に損金算入となります
 
社会保険料も含めて損金にしたい場合は、決算期末までに支給しておく必要がありますね。

 

5. 就業規則等による制約

「賞与支給日に在籍していない者には決算賞与を支給しない」等の就業規則がある場合、決算日時点では未払の決算賞与額が確定しておらず、「支給時に決決算賞与が確定した」と考えられますので、要件を満たさず×となります。
(停止条件、民127①)。
 
「支給時に在籍している人に支給する」規則の場合も同様です。

 

6. その他の事例(平成31年4月15日 第6555号 国税速報)

(1) 「当年度粗利益00円を達成した場合に決算賞与を支給する」場合

この場合、条件を満たさない場合は支給されず、期末に支給額が確定しているとはいえないため、要件を満たしません。

 

(2) 解除条件付の場合

「決算賞与支給日時点で退職済」の場合は、「退職時点で決算賞与受給権を放棄する」とした場合はどうでしょうか?
この場合、一旦確定した決算賞与受給権をその後の退職により放棄するだけであり、決算期末時点では確定しているため要件を満たします(解除条件、民127②)。上記5と似てますが、結論が逆になりますので注意です。
 
なお、解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時から効力を失います。

 

7. 通知は書面・銀行振込が原則

税務調査を想定して、以下の点を整備しておくことが必要です。

決算賞与の通知は口頭ではなく書面
銀行振込or現金払いの際は領収書をもらう

 

参照URL

(使用人賞与の損金算入時期)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5350.htm

 

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