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Q193【一般社団法人等】法人税が課税される「収益事業」の判定で迷いやすい事例 / 技芸教授業とは? /保育園・障害福祉サービスの法人税・消費税課税判断

最終更新日:2022/03/12

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Q193【一般社団法人等】法人税が課税される「収益事業」の判定で迷いやすい事例 / 技芸教授業とは? /保育園・障害福祉サービスの法人税・消費税課税判断

一般社団法人(非営利型)、NPO法人等は、すべての所得に法人税が課税されるわけではなく、「収益事業」についてのみ課税されます。今回は、こういった一般社団法人等の法人税上の「収益事業」につき、実務上迷いやすい①「技芸教授業」に該当する事業の論点②保育園・障害福祉サービスを中心に解説します。

(なお、一般社団法人は、「営利型」と「非営利型」に区分され、「営利型」の場合は、すべての所得に法人税が課税され、非営利型の場合は「収益事業」についてのみ課税されます。今回の論点は、一般社団法人の場合は「非営利型」のケースとなります)

 

1. 収益事業、非収益事業の判定方法

法人税上、収益事業の業種は、下記の34業種と規定されています(法人税法2条13項、法令5条1項、法基通15-1-1~8)。下記34業種に該当し、かつ「継続して」「事業場を設けて」営んでいる場合は、法人税が課税されます。収益事業に「付随して行われる行為」も、収益事業に含まれます(法基通15-1-6)。
詳しくはQ101をご参照ください。

1 物品販売業 10 請負業 19 仲立業 28 遊覧所業
2 不動産販売業 11 印刷業 20 問屋業 29 医療保健業
3 金銭貸付業 12 出版業 21 鉱業 30 技芸教授業
4 物品貸付業 13 写真業 22 土石採取業 31 駐車場業
5 不動産貸付業 14 席貸業 23 浴場業 32 信用保証業
6 製造業 15 旅館業 24 理容業 33 無体財産権提供業
7 通信業 16 飲食業 25 美容業 34 労働者派遣業
8 運送業 17 斡旋業 26 興行業
9 倉庫業 18 代理業 27 遊技所業

なお、「収益事業」の判定は、上記「34業種に該当するかどうか」で、一律に判定します。本来の目的事業かどうか?会員等に利益の分配を行うかどうか?で判断するわけではありませんので、ご留意ください。

 

2. 技芸教授業に該当する事業は? パソコン教室・サッカー教室は?

上記34業種のうち、30番「技芸教授業」の内容は、以下の通りです。

(1) 「技芸教授業」とは?

技芸教授業とは、①技芸の教授、②公開模試学力試験、③大学入試のための学力の教授の3つです。技芸に関する「免許付与」も含まれます。このうち①「技芸」は、法人税上、以下の22項目が「限定列挙」されています。

【法人税施行例第5条30項】

洋裁 手芸 茶道 舞踊 書道 自動車操縦
和裁 料理 生花 舞踏 写真 小型船舶操縦
着物着付け 理容 演劇 音楽 工芸
編物 美容 演芸 絵画 デザイン

上記項目は「限定列挙」となりますので、例えば、書道は列挙されているため「収益事業」になりますが、そろばん・PC教室・サッカー教室等は「収益事業」になりません。

 

(2) セミナー・講師派遣事業の課税判断

例えば、一般社団法人(非営利型)が開催する有料のセミナーは、当該セミナーの内容が、上記の「22項目技芸」に該当すれば、収益事業に該当します。「講師派遣事業」も同様に判定します。また、収益事業には「付随して行われる行為」も含まれますので、例えば「上記22項目技芸」に付随して行われる「一般セミナー」も「技芸の教授」に該当します(法基通15-1-6)。

 

(3) 資格認定事業は?(技芸に関する免許付与)

一般社団法人では、「資格認定事業」(免許付与)を行うケースも多いと思います。こういった「資格認定事業」についても、考え方は上記(2)と同様です。限定列挙された「22項目技芸」に該当する資格認定かどうかで判定します(法人税基本通達15-1-66)。

 

(4) 「教材の頒布」は?

上記の「22項目技芸」に該当する「教材の頒布」は「付随行為」となりますので、収益事業に該当します。ただし、「教材の頒布」は、そもそも「1.物品販売業」となりますので、「上記22項目技芸」に該当しない「教材の頒布」についても、収益事業となる点にご留意ください。

 

3. 保育園の課税判断

(1) 法人税上の「収益事業」の判定

① 保育料の「収益事業」判断
保育園と幼稚園は、根拠となる法律が異なりますので、「保育料」に関する法人税上の収益判断も異なります。以下の通りです。

法律(所管) 保育料の法人税上の取扱い
幼稚園 学校教育法(文部科学省)に基づく「教育事業」 原則 非収益事業
保育園 児童福祉法(厚生労働省)に基づく「育児サービス業」 原則 収益事業
(10.請負業・子供を預かる業務委託)

ただし、保育園についても、「児童福祉法」に基づく都道府県等の認可、証明施設等、一定要件を満たす場合は、法人税上「非収益」となります。
以下の通りです(消費税の判定は後述します)。

 

形態 法人税判定 消費税判定
認可保育園(認定こども園含む) 非収益事業 非課税
認可外保育園 監督基準を満たす「証明施設」(※) 非収益事業 非課税
上記以外 収益事業 課税
認可小規模保育事業 非収益事業 非課税

(※)一定の質を確保し、児童の安全を図る目的で定められた監督基準を満たしている認可外保育施設は、都道府県知事からその旨の「証明書」が交付されます。

 

② 保育料以外の取引の「収益事業」判断
保育園ではさまざまな活動が行われるため、保育料以外にも、法人税法上の「収益事業」の判断につき、判断に迷うことが多いです。法人税上、取引ごとの収益事業判定が例示されています。以下の通りです。 

収益or非収益事業 根拠
絵本・ワークブックの頒布(はんぷ) 非収益事業 法基通5-1-10(2)教科書その他これに類する教材の販売
はさみ・のり・粘土その他工作道具の頒布 収益事業。ただし、原価に近い価格での販売が明らかなものは非収益事業 法基通5-1-10(3)(4)
希望者を対象とした音楽教室のための教室等の席貸し 非収益事業 法施令第5条第1項第14号(席貸業)のかっこ書
園児に対し課外授業として実施する音楽教室の開設 収益事業(技芸教授業) 法施令第5条第1項第30号 (技芸教授業)
スクールバスの運行 非収益事業 教育事業そのものに含まれる
給食 非収益事業 学校給食法等の規定に基づく「学校給食事業」に準ずる

 

(2) 消費税上の「課税取引」判断

認可保育園等、一定の保育園については、「乳児又は幼児を保育する業務として行われるもの」につき、消費税非課税とされています(消法14条の3第1項他)。
上記の定義より、消費税が非課税取引となるもの、課税取引となるものをまとめると、以下の通りとなります。

消費税非課税 消費税課税
● 保育料(延長保育、一時保育、病後児保育を含む)
● 保育を受けるために必要な予約料、年会費、入園料(入会金・登録料)、送迎料
● 保育に必要不可欠な給食費、おやつ代、施設に備え付ける教材費、傷害・賠償保険料の負担金、施設費(暖房費、光熱水費等)
● 施設利用者に対して販売する教材等の販売代金
● 施設利用者の選択により付加的にサービスを受けるためのクリーニング代、オムツサービス代、スイミングスクール等の習い事の講習料等
● バザー収入

 

4. 障害福祉サービス

(1) 法人税上の「収益事業」の判定

障害福祉サービスとは、障害者総合支援法に規定する「障害者に対して介護等を行うサービス」です。傷害福祉サービスは、医療保健面でのケアが必要であり、医療と密接な連携があることから、原則として、「29.医療保健業」に該当し、収益事業となります(法令5条1項㉙)。
なお、「就労移行支援」のように「医療や保健」と直接関わりのないサービスでも、「利用者からそのサービス対価を収受する」点を重視して、「10.請負業(事務処理の委託を受ける業を含む。)」に該当するものとされています(法令5条1項⑩)。
結論的には、障害福祉サービスは、「医療保健業」か「請負業」のどちらかにあてはまり、「収益事業」と取り扱われます。

 

(2) 消費税上の「課税取引」判断

障害者支援事業についての消費税判断は、制度内事業(障害者総合支援法に基づいて行われる事業)は原則非課税、制度外事業(生産活動としての資産の譲渡)は原則課税となります(消基通6-7-5(2)チ、6-7-6)。
考え方は、介護保険事業と似たような感じです

 

5. 参照URL

(法基通 15-1-66・67 技芸教授業)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/15/15_01_30.htm

(認可外保育施設)

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/21/17.htm

(小規模保育事業の認可を受けて行う保育サービス事業)

https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/shohi/161107/01.htm#a01

(幼稚園が行う各種事業の収益事業の判定について)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/830603/01.htm

(認可外保育施設の利用料(消費税)

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/10/05.htm

(保育所を経営する事業に類する事業として行われる資産の譲渡等)

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=33aa7001&dataType=0&pageNo=1

(障害者総合支援法に規定する障害福祉サービス)

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/21/18.htm

 

6. YouTube

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