税金の豆知識

Q75 貯蔵品の会計処理/税務処理

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Q73 貯蔵品の会計処理/税務処理

 

1. 貯蔵品って何?

貯蔵品っていうのは、消耗品・事務用品、切手、商品券などのことです。
イメージは仕入商材(商品)以外の「こまごましたもの」、段ボールなども「貯蔵品」です。

貯蔵品の会計処理は、「法人税」と「消費税」で取扱いが異なる場合があるので、意外と迷われる方も多い論点です。

以下、貯蔵品を、2つに分けて記載します。
①「郵便切手・物品切手」(お金同様の価値があるもの)と②「それ以外」(消耗品等)

種類 内容
郵便切手・物品切手 切手、商品券、旅行券、収入印紙など、お金と同等の価値があるもの。
上記以外(消耗品等) 事務用・店舗用消耗品、広告宣伝用印刷物など

 

2. 郵便切手・物品切手(自社利用)の会計処理

(1) 法人税・消費税の取扱い

郵便切手・物品切手は、「法人税」と「消費税」の取扱いが異なるので、実務的に混乱する論点です。
法人税、消費税それぞれの原則・例外をまとめますね。

法人税 消費税
原則 使用時「損金」 使用時「課税仕入」
例外 なし 継続適用を条件に、購入時「課税仕入」可

ただし、収入印紙は税金ですので、最終的に「消費税不課税」となりますし、「商品券」については、その利用目的によって、課税仕入にならない場合もありますので、注意しましょう。
 

(2) 実務上の仕訳例

●実務上は、購入時に費用処理しておき、期末に未使用分だけ振替える処理が多いです。

切手を例にすると、以下の仕訳となります。

(例)切手10,000円(税別)購入。期末1,000円(税別)未使用

借方 貸方
購入時 通信費(切手)
仮払消費税
10,000
800
現金 10,800
期末 貯蔵品(税込) 1,080 通信費
仮払消費税
1,080
80

購入時「費用」処理(課税仕入)。期末に、未使用分だけ「資産」(税込で)に振替。

 

(ご参考)

例外処理の場合は、期末に、貯蔵品1,000/通信費1,000の仕訳を行います。

しかし、「通信費」は、一般的な会計ソフトでは、「課税仕入」で設定されています。
つまり、上記仕訳を行うと、勝手に消費税が認識されてしまいますので、消費税部分を「手修正」する必要があります。

この手間を考えると、「原則処理」の方が楽かもしれません。

 

3. 上記以外(消耗品等)の会計処理

消耗品等の場合は、法人税上も購入時に「損金」で認められますので、実務的にはそこまで難しくありません。
法人税、消費税それぞれの原則・例外は以下の通りです。

法人税 消費税
原則 使用時「損金」 購入時「課税仕入」
例外 購入時「損金」(※) 同上

(※)法人税法上、例外処理(購入時損金処理)が認められる要件

●経常的に消費するもの

●毎年、おおむね一定数量を取得

●継続して取得(購入)時に経費計上

 

(1) 仕訳例

実務上は、「例外」処理、つまり購入時に費用処理することが一般的です。
 
以下のような仕訳となります。

(例)事務用品10,000円(税別)購入。期末1,000円(税別)未使用

借方 貸方
購入時 事務用品費
仮払消費税
10,000
800
現金 10,800
期末 仕訳なし

(ご参考)

原則処理の場合は、期末に貯蔵品1,080/通信費1,000(仮払消費税80)

 

4. 収入印紙等の消費税は?

収入印紙についてはちょっと注意しましょう!
なぜなら、収入印紙はたとえ自社で利用したとしても、最終的に「不課税仕入」になるからです。
ですので、実務的にも購入時には消費税を認識しません。
科目は、消費税を認識しない「租税公課」で計上する場合が一般的です。

また、得意先に対する謝礼的な「商品券」なども、消費税上は、課税仕入にできません。
(謝礼を受けた方が使用した際に「課税仕入」)
ですので、収入印紙同様、購入時に消費税を認識しない点、注意しましょう。
科目は交際費(不課税)などで計上する場合が一般的です

5. 貯蔵品の管理はどうするの?

上記のとおり、税務上は「貯蔵品」計上するかどうか?という論点があります。

しかし、「管理」という観点は、税務とは全く別の話です。
管理の観点では、その「貯蔵品」が会社にとって重要かどうか?という点で考えなければいけません。

例えば、「段ボール」を利用する頻度が高いビジネスの場合は、たとえ、段ボール購入時に「費用処理」したからといって、「数量管理しないでいい」わけではありません。使う頻度が多いのであれば、たとえ費用処理したとしても、「数量管理」は行うべきという結論になります。一方、同じ消耗品でも、「消しゴム」などは金額小なので、管理対象外、という意思決定も可能です。
 

「数量を管理」する目的は、例えば、従業員が横流ししないか?とか、盗難による損害の影響等を勘案して、「会社財産を正確に把握する」ことが目的です。すべての「消耗品」に管理が必要かというと?そうではありませんので!

 

管理のお話と、税務のお話は全く別ですので、ごっちゃにしないように!
 

6. ~参照URL~

(法人税~消耗品等の例外処理2-2-15)

https://www.nta.go.jp/law/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/02/02_02_02.htm

(消費税~郵便切手類又は物品切手等の課税仕入時期11-3-7 )

https://www.nta.go.jp/law/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shohi/11/03.htm

(消費税~商品券やプリベイトカードなどなど)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6229.htm
 

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