税金の豆知識
Q114【徹底比較】雑所得と一時所得の違いは?確定申告や扶養との関係は?事業所得との違いも解説
最終更新日:2022/02/03165512view
所得税は、所得の種類に応じて10の区分が設けられています。
特に「雑所得」と「一時所得」は・・区分が難しく、迷われるケースも多いです。
今回は、判断に迷いやすい「雑所得」と「一時所得」を、比較してみました。
目次
1.雑所得・一時所得の比較
雑所得 | 一時所得 | |
---|---|---|
どんなもの | 他に分類することのできない所得全て | 「一時的」に得られた収入。 イメージは臨時収入的なもの |
例示 | ① 副収入(事業的規模除く) ② 公的年金 ③ FXや仮想通貨(事業的規模除く) | ● 懸賞金(賞品相当額含む) ● 競馬の当選金 ● 保険金や損保の一時金・満期返戻金 ● 法人からの贈与金品(個人は除く)。ポイントで交換した景品相当額等。 ● 家屋の立退料、解除償還金 ● 謝礼(報酬的なものを除く) |
課税対象額 | 収入額-必要経費(年金の場合は公的年金等控除額)。特別控除はなし | (収入-支出金額-特別控除額)×1/2 ⇒特別控除額は最高50万円 |
課税方式 | 原則「総合課税」となります。 ただし、FXや先物取引等は「分離課税」となります(今はやりの仮想通貨、ビットコインなどは総合課税)。 | 「総合課税」となります (源泉分離課税取引を除く) |
経費(支出) | 認められます(年金は公的年金等控除額)。ただし、事業所得と比べると範囲は狭いです。 ● 「専従者給与」はなし | 認められますが、事業所得や雑所得と比べると範囲は狭いです。 ● 「支出」の範囲は、その収入を得るために支払った「直接的に負担したもの」のみ |
損益通算 | 認められません | 認められません |
● 雑所得・一時所得とも、内容により、「非課税」になるものもありますので、
名称だけで判断すると誤ります。例えば、遺族恩給や遺族年金(雑所得っぽい)、
損害保険や生命保険保険金で一定のもの(一時所得っぽい)は、非課税になります。
● 一時所得の保険金は、「源泉徴収」されている場合もありますので、チェックしましょう。
● 講演料(雑所得)や、満期保険金(一時所得)などは、支払者(保険会社等)から
税務署に報告されていますので(支払調書)、申告しないと、ばれる可能性大です。
● 参考ですが・・「宝くじの当選金」は非課税となります。
2.扶養との関係は?
例えば、扶養親族の奥様自身が、賞金(一時所得)に当選した場合や、FX(雑所得)などで儲かった場合を考えてみます(株の売却収入(譲渡所得)も同様)。
この場合・・奥様は、旦那様の「扶養」から外れる可能性はあるのでしょうか?
答えは、扶養範囲内の所得金額を超えると・・扶養から外れます。
一時所得も、雑所得も、扶養可否の判断基準となる「合計所得金額」に含まれます。つまり、これらの所得が48万円を超えるかどうかで判断します。
ただ・・「一時所得」の場合は、特別控除(50万円)差引後に1/2した金額に課税されますので、結構な賞金が当たらないと扶養からは外れないでしょうけど!
3.雑所得と事業所得との違い
副収入やFX(雑所得)で生じた所得でも、事業として行う場合には「事業所得」となります。
4.雑所得同士の内部通算は?
「雑所得」や「一時所得」は、他の所得区分との「損益通算」はできません。
また、同じ雑所得同士でも、「総合課税」と「分離課税」は、完全に区分されますので、「総合課税」と「分離課税」の雑所得同士を「内部通算」することもできません
(総合課税内部、分離課税内部での「内部通算」は可能)
(例)
先物やFX収入(申告分離課税の雑所得)⇔仮想通貨収入(総合課税の雑所得)
⇒内部通算不可。
しかも、FXや仮想通貨の売却は、株式の売却と異なり、売却時に源泉所得税も差し引かれていませんので、申告がもれると納税がもれてしまうことになります。
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