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Q118【絵画・骨董品】美術品の会計処理/税務処理 減価償却や勘定科目は? 100万円未満・30万円未満の美術品の取扱い・償却資産税は?

最終更新日:2022/10/25

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Q118【絵画・骨董品】美術品の会計処理/税務処理 減価償却や勘定科目は? 100万円未満・30万円未満の美術品の取扱い・償却資産税は?

会社のロビーや応接室のインテリアとして、絵画や焼き物などを購入することもありますね。一般的に、インテリア関係は、時の経過とともに価値が下落するため減価償却を行います。しかし、例えば、希少価値のある美術品などは、価値が下落しない、あるいは逆に価値が高まる作品もあります。
今回は、こういった「価値の下落しない美術品」を購入した場合の減価償却の有無、会計処理、仕訳、勘定科目等につき解説します。
(なお、販売用の美術品は棚卸資産となり、売却時に売却原価として経費にできます)

 

1. 美術品とは?範囲は?(法基通7-1-1、改正前通達)

税法上「美術品」の明確な定義はないですが、過去の通達等で例示されているものをまとめると、以下となります。

● 古美術品・古文書・出土品・遺物等
● 上記以外の絵画、彫刻、工芸品、書画、骨とう等

 

2. 美術品にかかる税法上の原則的な取扱い

1点当たりの取得価額100万円未満の美術品は、原則として減価償却を行いますが、1点あたりの取得価額100万円以上の美術品は、原則として減価償却は行いません

 

3. 例外的な取扱い

上記の金額基準のほか、時の経過によって価値が「減少する」、「減少しない」ことが明らかなものは、例外的な取扱いがあります。

1点あたり取得価額100万円以上 時の経過によって価値が減少することが明らかなもの 減価償却可能
1点あたり取得価額100万円未満 時の経過によって価値が減少しないことが明らかなもの 減価償却を行わない

 

(1) 「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」とは?

国税庁上、次のすべてを満たす美術品は、「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」として例示されています。すべてを満たす必要がある点がポイントです。

【美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ Q2 A】

会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として取得されるものであること
移設することが困難で、当該用途にのみ使用されることが明らかなものであること
他の用途に転用すると仮定した場合に、その設置状況や使用状況からみて美術品等としての市場価値が見込まれないものであること

100万以上の価値のある美術品の場合、上記③に該当するものは少ないかもしれません。なお、上記例示に該当しない美術品等でも、実態に応じた判断は可能です。

 

(2) 「時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの」とは?

例えば、古美術品、古文書、出土品、遺物等のように、歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないものなどは、たとえ取得価額が100万円未満でも、減価償却資産には該当しません。考え方として、減価償却は、時間経過とともに価値が下がる固定資産を対象にしています。したがって、歴史的価値の高いものは時間経過に関わらず高い価値を維持し続けるため、減価償却対象外になります。(FAQ 冒頭文)。
なお、100万未満の価値の美術品の場合、一般的に、事業用として展示することで価値が下がるものがほとんどだと思いますので、使用目的(事業用)を明確にしておけば、問題ないかと思います。

 

4. 美術品の取得価額の範囲は?

減価償却資産の取得価額の範囲と同様、美術品の取得価額は、付随費用も含まれます

当該資産の購入代価+事業の用に供するために直接要した費用)

具体的には、以下の費用となります。

購入対価 本体価格、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税
事業供用直接費用 据付費等

● 額縁は、その絵画の一部として取得価額に含まれると考えられています(Q8)

 

5. 勘定科目・耐用年数・少額資産の取扱い

 

(1) 勘定科目

実態に応じて判定しますが、室内装飾品の場合は「工具器具備品」となります。

 

(2) 耐用年数・減価償却方法は?

それぞれの美術品等の構造・材質等に応じて判定することとなりますが、例えば、室内装飾品(工具器具備品)の耐用年数は、以下となります(Q7)。

[室内装飾品(器具備品)の耐用年数]

耐用年数
金属製 15年 金属製の彫刻
その他 8年 絵画、陶磁器・彫刻

なお、器具備品の法定償却方法は、法人は定率法、個人は定額法となります。

 

(3) 少額資産は一括費用OK

減価償却を行う美術品の場合は、通常の固定資産同様、少額固定資産の規定や、一括償却資産の規定の適用ができます。
中小企業者等(資本金の額が1億円以下などの法人)については、取得価額が30万円未満の少額減価償却資産は、支出時に一括損金可能です(1事業年度あたり300万円が限度)。詳しくは、Q31をご参照ください。

 

6. 償却資産税上の取扱い

減価償却する美術品の場合、償却資産税(固定資産税)の対象となります。非減価償却資産となる美術品については、償却資産税の申告は不要です。
償却資産税は、事業者が1月1日現在保有している事業用資産について課税される市区町村税です。詳しくはQ98をご参照ください。

 

7. 社長個人利用のものは×

当然ですが、社長個人が利用するものは、減価償却対象外となります。こういった個人使用の美術品を法人で購入した場合は、役員賞与認定され、原則損金不算入となります。また、従業員や取引先贈答用の場合は、交際費、寄付金、給与認定されます。少なくとも法人利用と説明するためには、店舗、事務所のエントランスやロビー、会議室など、不特定多数のお客様等の目に触れる場所に飾っておく必要があります。逆に、社長個人宅に飾る場合や、展示せずに保有している場合は、損金にはならないケースがあります。

 

8. 参照URL

(美術品についての減価償却資産の判定に関するFAQ)

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/bijutsuhin_FAQ/index.htm

(減価償却資産)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/01/04.htm

(その他法令解釈に関する情報)
平成26年12月19日付課法2-12ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/141219/index.htm

 

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