税金の豆知識

Q31 少額の減価償却資産の特例とは?

公開日:2014/10/16 最終更新日:2020/04/13

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少額の減価償却資産の特例とは?

固定資産は、通常は「取得した時」に資産で計上し、所定の耐用年数で償却していくのが原則です。
 
ただし、金額が少額の場合、実務上の簡便性を考慮した「優遇規定」が設けられています。
より早く損金にできる優遇規定です。

3種類

  1. (1)取得価額10万円未満or使用可能期間1年未満(少額の減価償却資産)
  2.   事業の用に供した事業年度に一括損金算入可

    要件 ・損金経理
    POINT ・白色申告でもOK、中小企業者に限られていません。

     

    1. (2)取得価額が20万円未満(一括償却資産)
    2.   各事業年度ごとに一括し、3年で償却可

      要件 ・損金経理
      ・「一括償却資産の損金算入に関する明細書」添付
      ・少額の減価償却資産の損金算入の規定の適用を受けない資産
      POINT ・白色申告でもOK、中小企業者に限られていません。

       

      1. (3)取得価額が30万円未満(中小企業者等の少額減価償却資産特例)
      2.     事業の用に供した事業年度に、一括損金算入可

        要件 ・損金経理    
        ・「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」添付
        POINT 青色申告「中小企業者等」で常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
        年間合計300万円まで(事業年度が1年に満たない場合は月割)

         

        (中小企業者等とは?)

        資本金が1億円以下の法人で、以下に該当しない法人です。
            ・単一の大規模法人(※1)に発行済株式総数(※2)の1/2以上を所有されている
            ・複数の大規模法人(※1)に発行済株式総数(※2)の2/3以上を所有されている

        (※1)大規模法人とは?
        ①資本金1億円超かつ常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
        ②大法人(資本金の額が5億円以上である法人等)との間に、その大法人による完全支配関係がある普通法人
        ③100%グループ内の複数の大法人に、発行済株式等の全部を直接または間接に保有されている普通法人
         
        (※2)発行済株式とは?
        発行済株式には、自己株式は除かれます。

         
        (留意事項)
        30万未満の中小企業等の特例は、「新品資産の取得に限定」されます。
        既に使用している資産に係る交換部品の購入は、少額減価償却資産の適用はありません
        こういった交換部品に関しては、資本的支出と修繕費の論点で「費用か資産か?」の判定を行います(税務通信NO3530)。

         

        金額判定単位は?

         通常取引される1単位ごとに判定。

        機械及び装置 1台又は1基ごと
        工具、器具及び備品 1個、1組又は1揃いごと
        構築物 単体で機能を発揮できないものは1工事ごと

         (例)
          ・応接セット・・1組で判定(通常、テーブルと椅子が1組で取引されるため)
          ・カーテン・・部屋ごとに判定(1つの部屋で数枚が組み合わされて機能するため)

         

        金額の判定は?

        (1)税込?税抜き?
         ・税込処理をしている会社なら税込、税抜処理の会社なら税抜で金額判定。

        (2)取得価額の範囲は?
        次の金額を合計した金額が「取得価額」となります。
        ・購入対価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税その他)
        ・事業の用に供するため直接に要した費用

        詳しくは、Q157をご参照ください。
         
        (例)

        搬入作業代、ソフト等導入設定作業代 取得価額算入
        租税公課(不動産取得税、自動車税、登録免許税等)  取得原価算入しなくてOK
        借入金の利子 資産購入のためにのための借入利子は、算入しなくてOK

         

        償却資産税との関係は?

         

        (1)少額の減価償却資産 適用対象外
        (2)一括償却資産 適用対象外
        (3)中小企業の特例 適用対象

         

        適用順序は?

        30万円未満の固定資産は、全部上記(3)中小企業の特例で損金にすればよいのでは・・?
        と疑問に思う方もいるかもしれません。

        しかし、(3)は年間300万までの上限がありますし、中小企業者、青色申告の要件があります。
        また、(3)は、償却資産税の対象になるため、償却資産税の影響も考えなければいけません。

        中小企業者、かつ青色申告事業者を前提とした場合に、よりよいと考えられる適用方法は以下となります。

         

        10万未満 少額減価償却資産の規定により損金経理
        20万円以上30万円未満  中小企業の特例規定により損金経理
        10万円以上20万円未満  中小企業特例か一括償却資産を選択適用(※)

        (※)とはいっても、300万までは、中小企業特例を選択したほうがお得なケースが多いと思います。

        まとめ

        取得価額 10万未満 20万未満 30万未満 30万以上
        取扱い 全額損金 3年均等償却 全額損金 通常償却
        限度額 300万以下
        償却資産税 非課税 非課税 課税 課税
        対象企業 すべて すべて 中小企業者のみ すべて

         

        参照URL

        (少額の減価償却資産になるかどうかの判定)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5403_qa.htm

        (一括償却資産を除却した場合の取り扱い)
        https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/04/03.htm

        (中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm

        (少額の減価償却資産又は一括償却資産の取得価額の判定)https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_01_02.htm

        (減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5400.htm

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