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Q31 PC・プリンター購入時の特例は?税務処理や勘定科目?~少額の減価償却資産の特例~

公開日:2014/10/16 最終更新日:2021/07/18

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少額の減価償却資産の特例とは?

パソコンやプリンターなど、お仕事で利用するOA機器を購入する機会も多いですね。

これらは、経費にできるのか?固定資産で計上するのか?勘定科目や税務処理に迷う方もいるかもしれません。

今回は、これらOA機器購入にかかる会計処理と、「少額減価償却資産」の税務上の取扱いをまとめます。
 

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1.原則 固定資産で計上

パソコンやプリンターは、「固定資産」と呼ばれます。
こういった機器は、一般的に、支出年度だけでなく、3~4年程度は利用できるものが多いです。

したがって、税務上は、原則として「備品」(固定資産)で計上し、税務上定められた耐用年数に応じて「複数年度」で費用処理します。

 

2.特例

ただし、固定資産で計上し、耐用年数で費用処理していくは管理が大変です。
そこで、実務上の便宜を考慮し、金額小のものや、中小企業者等の場合、支出時一括経費or3年で経費にできる3つの特例が認められています。個人事業主も適用可能です。

(1) 3つの特例
①10万未満or使用可能期間1年未満
(少額の減価償却資産)
一括損金算入可 ●損金経理が要件
●白色申告でもOK
●中小企業者に限られない。
②取得価額が20万円未満
(一括償却資産)
各事業年度ごとに一括し、3年で償却 ●損金経理が要件
●白色申告でもOK
●中小企業者に限られない。
●「一括償却資産の損金算入に関する明細書」添付
③取得価額が30万円未満
(中小企業者等の少額減価償却資産特例)
年間合計300万円まで一括損金可(事業年度が1年に満たない場合は月割) ●損金経理が要件   
青色申告の「中小企業者等」で、常時使用する従業員数が500人以下(連結法人除く)
●「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」添付

中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等)は除かれます。
 

(2)中小企業者等とは?

●資本金の額が1億円以下で以下に該当しない法人
    ・単一の大規模法人(※1)に発行済株式総数(※2)の1/2以上を所有されている
    ・複数の大規模法人(※1)に発行済株式総数(※2)の2/3以上を所有されている

(※1)大規模法人とは?
①資本金1億円超
②常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
③大法人(資本金の額が5億円以上である法人等)との間に、その大法人による完全支配関係がある普通法人
④100%グループ内の複数の大法人に、発行済株式等の全部を直接または間接に保有されている普通法人
 
(※2)発行済株式とは?
発行済株式には、自己株式は除かれます。

 

(3)勘定科目は?

特に決まりはありませんが、消耗品費や減価償却費等でも構いません。
ただし、上記②③の場合は、「明細書」の作成が必要となりますので、他の科目と区別するため、新たに「備品費」等の科目を設けて集計するのもよいかと思います。
 

3.金額判定単位は?判定は税込み?

(1) 金額判定単位は?

 通常取引される1単位ごとに判定。
ポイントは以下
●通常、単独での取引単位となるか?
構造的・物理的に一体性があるかどうか。

機械及び装置 1台又は1基ごと
工具、器具及び備品 1個、1組又は1揃いごと
構築物 単体で機能を発揮できないものは1工事ごと

(国税庁での具体例)

 ●応接セット・・1組で判定(通常、テーブルと椅子が1組で取引されるため)
 ●カーテン・・部屋ごとに判定(1つの部屋で数枚が組み合わされて機能するため)

 
(ご参考~さいたま地裁判例H.16.2.4 内容要約)

●衣料品販売チェーンストアが、各店舗に「防犯用ビデオカメラ」を設置。
●防犯用ビデオカメラは、①監視カメラ②コントローラー③接続ケーブル④テレビ⑤ビデオで構成。
(監視カメラ・テレビ・ビデオは、家庭用製品と同じもの)
●上記①~⑤は1単位として判断しなければならないか?

(判決)

●テレビ・ビデオなどの家庭用製品は、通常「単独で取引単位」となるため、1品ごとに判定
(監視目的で一体使用されていても、常に一体、一資産として捉えることは合理的ではない)
●監視カメラ・コントローラー・接続ケーブルは、「一体」として、「店舗ごと」に判定。
 

(2) 判定は消費税込み?税抜き?

税込処理をしている会社なら税込、税抜処理の会社なら税抜で金額判定。
 

(3)取得価額の範囲は?

次の金額を合計した金額が「取得価額」となります。詳しくは、Q157をご参照ください。

●購入対価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税その他)
●事業の用に供するため直接に要した費用

 
(例)

搬入作業代、ソフト等導入設定作業代 取得価額算入
租税公課(不動産取得税、自動車税、登録免許税等)  取得原価算入しなくてOK
借入金の利子 資産購入のためにのための借入利子は、算入しなくてOK
(4)資本的支出・交換部品は対象に含まれない

30万未満の中小企業等の特例は、「新品資産の取得に限定」されます。
資本的支出に該当するものは対象に含まれません。例えば、既に使用している資産に係る交換部品の購入は、少額減価償却資産の適用はありません。
資本的支出か修繕費かという論点での判断となります。

 

4.償却資産税との関係は?

「中小企業の少額減価償却資産の特例」だけ、「償却資産税」の対象となります。
詳しくは、Q98をご参照ください。

(1)少額の減価償却資産 適用対象外
(2)一括償却資産 適用対象外
(3)中小企業の少額減価償却資産特例 適用対象

 

5.適用順序は?

30万円未満の固定資産は、全部上記(3)中小企業の特例で損金にすればよいのでは・・?
と疑問に思う方もいるかもしれません。

しかし、(3)は年間300万までの上限がありますし、中小企業者、青色申告の要件があります。
また、(3)は、償却資産税の対象になるため、償却資産税の影響も考えなければいけません。

中小企業者、かつ青色申告事業者を前提とした場合に、よりよいと考えられる適用方法は以下となります。

 

10万未満 少額減価償却資産の規定により損金経理
20万円以上30万円未満  中小企業の特例規定により損金経理
10万円以上20万円未満  中小企業特例か一括償却資産を選択適用(※)

(※)とはいっても、300万までは、中小企業特例を選択したほうがお得なケースが多いと思います。

6.まとめ

取得価額 10万未満 20万未満 30万未満 30万以上
取扱い 全額損金 3年均等償却 全額損金 通常償却
限度額 300万以下
償却資産税 非課税 非課税 課税 課税
対象企業 すべて すべて 中小企業者のみ すべて

 

7.参照URL

(少額の減価償却資産になるかどうかの判定)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5403_qa.htm

(一括償却資産を除却した場合の取り扱い)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/04/03.htm

(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm

(少額の減価償却資産又は一括償却資産の取得価額の判定)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_01_02.htm

(減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5400.htm

 

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