税金の豆知識

Q157 固定資産の取得価額に含める「付随費用」の範囲は?

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Q157 固定資産の取得価額に含める「付随費用」の範囲は?

例えば、建物を取得した際は、不動産取得税や仲介手数料など、本体代金以外にもさまざまな支払が発生します。
これらの支払は・・どういった会計処理をするのでしょうか?

本体の取得価額に含めて処理すれば、「減価償却」を通じて数年間で損金となります。
一方、支払時に一括で損金処理可能であれば、早めに節税ができますね。

今回は、固定資産の取得価額に含める「付随費用」の範囲についてまとめます。

 

1. 原則

減価償却資産の取得価額は、原則として、以下の2つです

①資産の購入代価
②付随費用
事業の用に供するために直接要した費用(据付費、機械等の試運転費など)
● 資産購入に要した費用(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税など)

 

2. 取得価額に含めなくてよいもの

国税庁で、固定資産の取得原価に含めなくてもよいものが例示されています。
これらは、取得時に一括損金計上できるということですね。
代表的なものを記載します。

(1) 租税公課

不動産取得税、自動車取得税、登録免許税その他登記等関連費用、新増設に係る事業所税

 

(2) 建築費用の一部

建物建設などのために行った調査、測量等で、計画変更により不要となったもの

 

(3) 違約金

減価償却資産の取得契約を解除し、他の減価償却資産を取得する場合の違約金

 

(4) 固定資産の取得のための借入金利子

減価償却資産取得のための借入金利子(使用開始するまでの期間分)

 

(5) 割賦で購入した固定資産の利息相当額

割賦購入した減価償却資産で、契約書で購入代価と割賦利息等の金額が区分されている場合の、利息及び利息相当額

 

3. 実務上迷いやすい事例

(1) 仲介手数料

不動産業者などに支払う仲介手数料は、取得価格に含まれます。
手数料=経費だと誤解しがちですが、直接土地・建物取得に関わるものですので、取得価格を構成します。

 

(2) 固定資産税精算金

不動産購入時に支払う「固定資産税精算金」は、取得価額に含まれます。
不動産購入のために必要な費用として、売買代金の一部と考えられています。

(固定資産税精算金とは?)
「固定資産税精算金」とは、引渡し以降の「固定資産税相当分」を日割精算して、買主が負担するものです。
固定資産税は、毎年1月1日時点の不動産保有者に課税されます。年途中で保有者が変わっても、納税義務者は変わりませんので、期の途中に売却した場合は、引渡し以降の固定資産税は、売却時に「買主が負担」する慣習となっています。
契約書の売買価格とは、別に支払うこともあります。

 

(3) 司法書士報酬

司法書士報酬は、登録免許税等と同様、取得価額に含めません。
登記関連費用は、あくまで第三者対抗要件を具備するための費用であって、取得に要した費用ではないためです。

 

(4) 収入印紙代

収入印紙代は、取得価額に含めません。
収入印紙は、印紙税の課税文書(売買契約書)の作成に伴う費用であり、不動産の取得に要した費用ではないためです。

 

(5) 管理費・修繕積立金の精算金

管理費・修繕積立金の精算金は、不動産の取得価額に含めません。
マンション所有期間中の管理費(費用)の精算であり、不動産の取得に要した費用ではないためです。

 

(6) 将来返還する保証金等

賃貸不動産のオーナーは、借主から保証金等を預かっているケースがあります。オーナーが当該賃貸不動産を売買する際は、一般的には、保証金も含めて買主に引き継ぎます。つまり、買主は本体の不動産価格を支払う一方、「引き継ぐ保証金」のお金は受け取ることになります。例えば本体売却価額が5,000万円、保証金が1,000万円の場合、買主は売主に、保証金分を相殺して、4,000万円を支払えば済みますが、固定資産の取得価額は、あくまで保証金1,000万円を含めた5,000万円となります(1,000万円は、負債の「預り金」に計上)。

 

(7) 火災保険・地震保険料

これらは、保険料ですので、取得価額には含めません。
期間の経過に応じて前払費用計上、「短期前払費用」の特例適用も可能です。

 

(8) 新工場棟の落成、操業開始等にともなう記念費用

固定資産取得後に支払う費用ですので、取得価額に含めなくて構いません。

 

(9) 土地建物取得に際して支払う立退料

取得するために必要な費用ですので、固定資産の取得価額に含まれます。

 

4. ご参考~仲介手数料の按分~

土地と建物をセットで購入し、仲介手数料を支払った場合、通常は、土地建物売却にかかる「合計の仲介手数料」で記載されていることが一般的です。
しかし、この仲介手数料は、「土地部分」と「建物部分」に按分しなければ、土地、建物の仕訳の金額が算定できません。
そこで、実務上は、仲介手数料総額を「固定資産評価額」などの比率で按分を行い、土地、建物の仕訳金額を確定します。

仲介手数料を土地と建物に按分する場合、以下の点に注意しましょう。
建物仲介手数料は償却可能だが、土地仲介手数料は償却できない。
● 土地仲介手数料は、科目は「土地」だが、消費税上は課税仕入となる。

 

5. 参照URL

(減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5400.htm

(固定資産の取得価額)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_03_01.htm

 

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