税金の豆知識

Q61 土地仲介手数料等の消費税区分は?仕訳や勘定科目・按分方法は?

公開日:2016/08/25 最終更新日:2021/10/04

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土地仲介手数料等の消費税区分

土地の取得、売却に関しては、「消費」という概念がないため、消費税上、「非課税取引」とされています。
しかしながら、土地を取得する際には、土地本体のほか「仲介手数料」「造成費用」「税金」「司法書士報酬」等、さまざまな支払が発生します。
今回は、土地取得の際に支払う「仲介手数料等」には「消費税が課税されるのか?」という論点です。

なお、土地の賃貸については、Q59をご参照ください。
 

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1.支払内容ごとの消費税課税区分

土地を取得する際に支払が生じる内容ごとに、「消費税区分」をまとめると以下となります。

内容 課税or非課税 理由
土地本体(土地定着物も含む) 非課税仕入 消費が予定されていないため
土地造成費用 課税仕入 「造成」役務の提供があるため
土地取得仲介手数料 課税仕入 「仲介」役務の提供があるため
司法書士手数料 課税仕入 「登記作業」役務の提供があるため
借入事務手数料 課税仕入 「事務」役務の提供があるため
不動産取得税・登録免許税・印紙税 非課税仕入 それ自体が「税金」のため
土地にかかる固定資産税精算金 課税仕入 固定資産税精算金は売買代金の一部のため

●「造成費用」は、例えば、畑を宅地に変えるための土地埋め立て、整理等のコストのことです。
●「固定資産税精算金」は、税金そのものではなく、個人間の利益調整のための金銭の授受であり、不動産の譲渡対価の一部を構成するため、土地部分は「非課税」、建物部分は「課税」対象となります(基通10-1-6)。

 

2.課税仕入の3区分は?(個別対応方式)

「課税仕入」となる土地取得時の「仲介手数料等」ですが個別対応方式における3区分(課税売上対応、非課税売上対応、共通対応)はどのように行うのでしょうか?

個別対応方式における3区分は、「課税仕入を行った日」における土地取得の「目的」によって区分します(消基通11-2-20)。具体的には、土地取得日時点の状況で、「販売目的」「賃貸目的」等の違いにより、3区分の判断を行います。
将来計上される売上が「課税売上」か「非課税売上」か?で判定区分を行うイメージです。

以下の通りとなります。

土地購入の用途 土地購入の用途 将来の売上 課税仕入区分
販売用 土地のみ転売 土地売却収入(非課税) 非課税売上対応
(95%QA 問10)
分譲マンション販売 土地建物売却収入
(課税・非課税)
共通対応(※1)
賃貸用 居住用賃貸マンション 賃貸収入(非課税) 非課税売上対応(※2)
事務所用賃貸ビル 賃貸収入(課税) 課税売上対応
自社利用用 自社ビル建設用 当該土地で課税売上のみ 課税売上対応
同上 非課税売上のみ 非課税売上対応
同上 両方計上 共通対応
用途未確定 用途未確定 未確定(課税・非課税) 共通対応

(※1)合理的な基準により「課税売上対応」「非課税売上対応」に区分できる場合は、区分に応じて個別対応方式の適用が可能です(基通11-2-19)。
(※2)社宅として従業員に賃貸する場合も含まれます(家賃未徴収の場合は、「共通対応」課税仕入)。
なお、居住用賃貸建物については、令和2年の改正により、全額仕入税額控除が認められなくなりました。

(ご参考~建物取得費用は?)

建物取得費用は「課税仕入」に該当します。
個別対応方式における3区分(課税売上対応、非課税売上対応、共通対応)も、上記の「土地関連費用」と同様、建物の用途によって判断を行います。

 

3.途中で用途変更した場合は?

土地や建物等の購入後に、「一時的に用途」を変更する場合もあります。
こういった場合、「土地仲介手数料等」にかかる「個別対応方式の3区分」に影響はあるでしょうか?

(例)販売用で購入した「住宅」の買い手が見つからず、一時的に「居住用」賃貸した場合

(結論)
当初「課税仕入時点」での用途が「販売用」であれば、たとえ一時的に賃貸しても、課税仕入の用途区分に影響しないものと思われます。課税仕入を行った日(土地仲介手数料支払時・建物取得時)の目的が「販売用」であり、当該時点では「非課税となる家賃収入」の発生予定がなかったことから、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」で区分が可能です
(参考判例 平成29年(行ウ)第2号 ⇒最終目的での判定が否認された事例)
 

4.「仲介手数料」の勘定科目・仕訳・按分方法は?

(1)会計処理

不動産取得にかかる「仲介手数料」は、不動産取得のための費用=付随費用ですので、「土地建物の取得価額」に含めて会計処理を行います。
固定資産の取得価額に含める範囲はQ157をご参照ください。

(2)按分方法

土地と建物をセットで購入し、仲介手数料を支払った場合、通常は、土地建物売却にかかる「合計の仲介手数料」で請求されることが一般的です。
支払った仲介手数料は、土地、建物両方にかかる費用ですので、土地建物それぞれに区分しなければいけません。

実務上は、仲介手数料総額を「固定資産税評価通知書」などの「土地建物評価比率」で按分を行い、土地、建物の仕訳金額を確定します。

(3)注意事項

仲介手数料を土地と建物に按分した結果、以下の点に注意しましょう。

建物仲介手数料は償却可能だが、土地仲介手数料は償却できない。
土地仲介手数料は、科目は「土地」だが、 消費税上は課税仕入となる。

5. 参照URL

(課税仕入れ等の用途区分の判定時期(消基通11-2-20))
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/11/02.htm

(土地付建物の仲介手数料の仕入税額控除)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/19/18.htm

(副次的に発生する非課税売上げがある場合の課税仕入れの区分)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/19/11.htm

(未経過固定資産税精算金)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/02/33.htm
 

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