税金の豆知識

Q55 個別対応方式と一括比例配分方式って?

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個別対応方式と一括比例配分方式って?

消費税納税額の計算方式には・・
「個別対応方式」と、「一括比例配分方式」の2種類があります。
 
ただし、先にお伝えしておきますが
課税売上高5億円以下かつ課税売上割合が95%以上の事業者は、全額控除可能ですので、今回の論点は関係ありません。
 
今回の論点は、それなりの売上規模だったり、土地売買等などで「課税売上割合が低くなる」事業者向けとなります。
 

1. 消費税の納税額はどうやって算定するの?

「消費税の納税額の算定方法」は以下の通りです。
「預かった消費税」から「支払った消費税」を差し引いて算定します。

消費税納税額=預り消費税―支払消費税

 

2. 支払った消費税は、全額差し引ける?

上記のとおり、消費税納税額の計算上、支払った消費税は、預かった消費税から控除することができます
(控除できる支払消費税は、「仕入税額控除」と呼ばれます)。
 
ただし・・支払った消費税の全額の控除が認められない事業者もあります。以下の会社となります。

課税売上高が5億円超、又は課税売上割合が95%未満の事業者

(まとめ)
事業者 控除できる消費税
課税売上高が5億円超、又は又は課税売上割合が95%未満の事業者 一部控除不可
上記以外(課税売上高が5億円以下、かつ課税売上割合が95%以上の事業者) 全額控除可

控除できない消費税は、「控除対象外消費税等」と呼ばれます。
 

3. 個別対応方式と一括比例配分方式

上記①(一部控除不可)の事業者は、差し引ける金額=「仕入税額控除」の金額を算定しなければいけません。
 
ここでようやく、消費税納税額の計算方式「個別対応方式」「一括比例方式」の論点が出てきます。
消費税上、「仕入税額控除」額の算定方法は、上記2種類の方法が定められています。
 

4. 個別対応方式

(1)課税仕入を3つに区分する

「課税仕入」を以下の3つに区分して、仕入税額控除の額を算定します。
なお、3区分するのはあくまで課税仕入のみです。
非課税仕入、不課税仕入はそもそも関係ありません⇒ここ大事!

区分 説明 控除の可否
課税売上対応 課税売上のみに対応する課税仕入 全額控除可
非課税売上対応 非課税売上のみに対応する課税仕入 控除不可
共通対応 ①②以外の課税仕入 課税売上割合部分のみ控除可

①は全額控除可、②は控除不可、③は一部だけ控除可となります。
 
誤解を恐れずいうと、売上原価に集計される科目は、①が多いでしょうね。販管費項目は、③が多いでしょうか。
 
支払った消費税は、原則的には全額控除できるけれど、いくら「課税仕入」でも、非課税売上に対応するものまで控除はさせないよ!って趣旨ですね!

 

(2)仕入税額控除の額の算定

上記3つの区分ができたら、後は簡単です。
以下の式にあてはめると、個別対応方式の「仕入税額控除」の金額が算定できます。
 

● 個別対応方式での「仕入税額控除」= ① + (③×課税売上割合)

 

(3)実務上の留意事項

個別対応方式を採用する場合は、日々の取引記帳段階から、「課税仕入」を3区分しておかないといけないので、実務的には結構大変ですね。
 

5. 一括比例配分方式

個別対応方式と異なり、「課税仕入」を3区分せず、「課税仕入」総額に対応する税額に、課税売上割合をかけ合わせて、一括して仕入税額控除の額を算定する方法です。
 

(仕入税額控除の額の算定)

●一括比例配分方式の控除額=課税仕入総額に対する税額×課税売上割合

 

6. 2種類の方法はいつでも変更可能?

一括比例配分方式を採用した場合、2期間は継続が必要となり、個別対応方式に変更はできません
(個別対応方式⇒一括比例配分方式への変更は制限ありません)。
 

7. 個別対応方式と一括比例方式の具体例

 

● 課税売上高合計 12億円(税抜)
● 非課税売上高合計 0.5億円
● 課税仕入合計 8億円(税抜)
●消費税率は10%とします)
● 課税仕入合計の内訳は、以下の通りとします。

 

課税仕入の内訳 金額 摘要
課税売上対応「課税仕入」 5億円 全額控除可
非課税売上対応「課税仕入」 0円 控除不可
共通対応「課税仕入」 3億円 課税売上割合部分のみ控除可
合計 8億円

(1) 判定
    課税売上(税抜)12億円≧5億円 ⇒消費税が一部控除できない会社に該当

(2) 課税売上割合の計算
    12億円÷(12億円+0.5億円)=96%

(3) 個別対応方式での計算
    (① × 10%)+(③ × 10% × 96%)=78,800千円

(4) 一括比例方式での計算
    課税仕入総額(① + ② + ③)× 10% × 96% = 76,800千円

どうですか?控除できる額に差がでましたね!
上記のように、「課税売上対応の課税仕入」が多いケースは、個別対応方式の方が控除額が多くなるケースが多いです。
 

8. ご参考~課税売上割合の計算方法~

課税売上割合は、以下の計算式で算定します。詳しくは、Q87をご参照ください。

 

課税売上割合ってどうやって出すの?

 

参照URL

(仕入税額控除の計算方法)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6401.htm

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