税金の豆知識

Q87 課税売上割合って何?

公開日:2017/05/29 最終更新日:2020/01/27

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Q87 課税売上割合って何?

消費税額を計算する際、「課税売上割合」という言葉がでてきます。

課税売上割合??聞いたことあるけれど・・どういう場面で使うのか?イメージわかない方もいるかもしれません。

今回は、消費税上の「課税売上割合」のお話をします。

 

1. ビジネス取引にはすべて消費税がかかっている?

消費税納税額の計算方法は、預かった消費税(売上等)から支払った消費税(仕入等)を差し引いて算定します
Q55 参照)。

 

消費税納税額=預り消費税―支払消費税

 

ただし、ビジネス上のすべての取引に「消費税が課税」されているわけではありません。

例えば、「給料」を支払っても、消費税は関係ありません。
また、「土地」を売却しても、消費税は課税されません。

つまり・・消費税納税額の計算を行う前提として、まずは、消費税が課税されている取引(課税取引)を把握しなければいけないんですね。

普段から、消費税がかかる取引(課税取引)、それ以外(非課税取引・不課税取引)を区分集計しておく必要があります。

 

2. 支払った消費税は全額控除できる?

「課税取引」を区分集計できたとして・・次のステップに移ります。
実は、支払った消費税は、「全額控除できる事業者」と「一部しか控除できない事業者」の2つに区分されます。
以下の通りです。

事業者 控除できる消費税
課税売上高が5億円超、又は又は課税売上割合が95%未満の事業者 一部控除不可
上記以外(課税売上高が5億円以下、かつ課税売上割合が95%以上の事業者) 全額控除可

上記の通り「課税売上割合」が95%以上(かつ課税売上高が5億円未満)の場合だけ、全額差し引くことができます

 

ここでようやく出てきましたね!「課税売上割合」
つまり・・「課税売上割合」という概念は、まず「消費税を全額控除できる事業者か?」を判断する場合に利用します

まずは、「消費税が全額控除できる事業者か?」を判断するために、「課税売上割合」を算定しなければいけません。

 

3. 課税売上割合ってどうやって出すの?

課税売上割合とは、売上に占める、課税売上(消費税が課される売上高)の占める割合のことです。式は以下となります。

(課税売上割合の計算式)

 

課税売上割合ってどうやって出すの?

 

(1) 課税売上高って?

国内において、「事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」取引です。
ビジネス上の売上は、ほとんどが「課税売上」となります。

 

(2) 輸出免税売上高って?

国内からの輸出として行われる資産の譲渡等取引です。「輸出取引」は、海外で消費されるため消費税は0%となります。ただし、これは「たまたま海外で消費するから0%になるだけ」で、取引の中身自体は「課税売上」です。
つまり、「消費税0%が課されている課税取引」という理解をしてもらった方がわかりやすいかもしれません。
その結果、「課税売上割合」の計算上は、「課税売上」と同列に取り扱われます。

 

(3) 非課税売上高って?

「非課税売上」というのは、「本来は課税売上」だが、政策的な配慮や消費という概念になじまないなどの理由から、消費税が課せられない取引です。例えば、土地や有価証券の譲渡、預貯金や貸付金などの利息、社宅の従業員負担分などです。
「非課税売上高」は、消費税法上、限定列挙されています。

 

(4) 不課税売上高って?

「不課税売上高」というのは、そもそも消費税の対象とならない売上取引です。例えば、配当金の受取、保険金の受取損害賠償金の受取、寄付や贈与の受取などは、そもそも消費税の課税対象となりません。
この「不課税売上」は、上記計算式の中には出てきません。つまり、「不課税売上」は、課税売上割合の計算上「無視できる」ということです!

 

(5) その他

値引や売上返品等は、「総売上高」と「課税売上高」から控除します。
ただし、 貸倒になった売上高は控除しない点、注意。

 

(注意事項)

● 「課税売上割合」の算出にあたり、「非課税売上」は計算式の分母に含まれるが、「不課税売上」は計算式に含まれない点です。つまり、両者の区分は・・「課税売上割合」の計算という点で、非常に重要となります。

● 原則として、課税売上割合の「端数処理」は行いません。例外的に、任意の位で切り捨てすることは認められています
(消基通11-5-6)。四捨五入OKとは書いていない点に注意

 

4. 具体例

● すべて税抜額。両社とも、課税売上高5億円未満です。

● A社・B社で異なるのは「社宅家賃」の額だけで、それ以外の数値は同じです

 

消費税区分 A社 B社
国内売上 課税売上 1,000万 1,000万
輸出売上 輸出免税売上 900万 900万
社宅家賃入金 非課税売上 100万 200万
課税売上割合 95% 90.47%

課税売上割合=( ①+② ) / ( ①+②+③ )

 

A社・・課税売上割合が95%以上のため、消費税額は全額控除可能。
B社・・課税売上割合が95%未満のため、消費税額の控除額が制限されます。

 

5. 実際差し引ける額は??

課税売上割合が95%未満の場合、「全額控除」はできませんが、課税売上割合を用いて算出した金額を「控除」することが出来ます。消費税控除額の計算には、①個別対応方式、②一括比例方式という2種類があります。
つまり、「課税売上割合」は、実際に控除できる金額を算定する際にも利用します。

これらについては、Q55で具体例を記載していますので、ぜひご参照ください。

なお、控除できない消費税は、「控除対象外消費税等」と呼ばれます。

 

参照URL

(課税売上割合の計算方法)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6405.htm

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