税金の豆知識

Q153 賞与の源泉所得税・社会保険料の具体的計算例

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Q153 賞与の源泉所得税・社会保険料の具体的計算例

源泉所得税や社会保険料、雇用保険料は、毎月の給与だけに課税されるわけではありません。
賞与に対しても・・もちろん課税されます。

今回は、賞与にかかる「源泉所得税」「社会保険料」「雇用保険料」の計算方法をまとめます。

特に、「源泉所得税」は、給与計算時に利用する「源泉徴収税額表」とは、異なる表を利用しますので、注意しましょう。

 

1. 賞与の社会保険料(健康保険、厚生年金保険、介護保険)の計算方法

賞与の社会保険料は、通常給与と同様の「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」を用いて算定します。

ただし、「標準月額」をもとに毎月定額で算定される「給与の社会保険料」とは異なり、
支給賞与金額(額面。1,000円未満切捨)×% (10.14%など)で算定します。
(=支給額面を、表上の「標準月額」にあてはめて、社会保険料を算定するわけではない)

 

賞与の社会保険料=支給賞与金額(1,000円未満切捨)×社会保険料率

 

(図表1)
図表1

なお、社会保険の対象となる賞与は、
名称に関係なく、労働の対象として支給されるもののち、年3回以下の支給のものをいいます。

年「4回以上」支給されるものは「賞与」ではなく、標準報酬月額の対象となります。
また、「結婚祝金」や「見舞金」などは、労働の対価ではありませんので、賞与からは除かれます。

 

2. 賞与の雇用保険料の計算方法

賞与の雇用保険料は、通常の給与と同様の計算です。

雇用保険料=支給賞与額×雇用保険料率

 

平成31年度 雇用保険料率表

雇用保険料率 労働者負担
(被保険者負担)
事業主負担
一般の事業 9/1000 3/1000 6/1000
農林水産業 11/1000 4/1000 7/1000
建設の事業 12/1000 4/1000 8/1000

 

3. 賞与の源泉所得税の計算方法

(1) 計算方法

賞与の源泉所得税の計算は、国税庁が公表している「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を利用して算定します。

①ステップ1
対象者の「扶養親族」の数を把握する。

②ステップ2
対象者の「賞与支給前月の給与支給額 – 前月社会保険料―前月雇用保険料」の金額を求める。

③ ステップ3
上記①と②を、「賞与に対する源泉徴収税額表」に当てはめて「縦軸に記載された率」を把握する。

④ステップ4
(支給賞与 – 天引社会保険料 – 天引雇用保険料)×上記ステップ3の率
=賞与の源泉所得税が算定される。

(図表2)
図表2

 

(2) 注意事項

① 扶養控除等申告書の提出がある方(甲欄)
扶養控除等申告書の提出がある方は、表中の「甲欄」を利用します。
扶養親族等の数は、その方が障害者、寡婦、寡夫、勤労学生の場合は1プラスします。
また、同一生計配偶者や扶養親族に、障害者や同居特別障害者が含まれる場合は、同様に1プラスします。

 

② 扶養控除等申告書の提出がない方(乙欄)
扶養控除等申告書の提出がない方は、表中の「乙欄」を利用します。

 

③ 前月中給与がない場合や、賞与が多い場合
前月中の給与がない方や、賞与額が多い場合(前月の社会保険控除後の給与の10倍を超える賞与)は、別の月額表で算定します。また、給与の支給時期が数か月に1回まとめてなどの場合は、1か月あたりに直して算定するなどの例外があります。

 

4. 賞与支給後の手続

賞与を支給した場合、事業主は賞与支給日から5日以内に「被保険者賞与支払届」と、「被保険者賞与支払届総括表」を、管轄する年金事務所に提出しなければなりません。
賞与の支払がない場合でも、「賞与支払届総括表」については、提出が必要です。

 

5. 具体例

● クレア社(兵庫県、一般事業)。2019年12月に、Aさんに賞与を支払った。

(Aさんの状況)
● 30歳正社員(介護保険なし)。扶養控除等申告書提出済(扶養親族2名)
  (本人や扶養親族等に、寡婦等、特別な方はいない)
● 2019年12月 賞与額面300,000円
● 2019年11月 給料額面200,000円、従業員負担社会保険料28,440円、雇用保険料600円、源泉所得税460円

Aさんの賞与にかかる源泉所得税・社会保険の計算は?
 

(1) 賞与の社会保険料の計算

兵庫県の平成31年4月以降の「保険料額表」(図表1)に基づくと、健康保険料率は10.14%(介護なし)、厚生年金保険料率は18.3%

支給賞与300,000円に対応する社会保険(介護保険なし)は・・

① 健康保険料
300,000円 × 10.14% ÷ 2 = 15,210円(法人個人で折半)

② 厚生年金保険料
300,000円 × 18.3% ÷ 2 = 27,450円(法人個人で折半)

①+②=42,660円

 

(2) 賞与の雇用保険料の計算

300,000円 × 0.3%(一般の事業・労働者負担率) = 900円

 

(3) 賞与の源泉所得税の計算

① 12月賞与支給 前月(11月)の状況
給料200,000円 – 従業員負担社保28,440円 – 雇用保険600円 =170,960円
⇒図表1より、甲欄 扶養親族「2名」の「133千円以上269千円未満」に該当⇒2.042%

② 賞与の源泉所得税の計算
(支給賞与 – 社会保険料- 雇用保険料)×源泉所得税率
⇒(300,000円- 42,660円 – 900円)×2.042%=5,236円(1円未満切り捨て)

 

(4) 賞与手取り額

300,000円(額面)-42,660円(社保)-900円(雇用保険)-5,236円(源泉所得税)=251,204円

 

6. 参照URL

平成31年分源泉徴収税額表
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2018/data/15-16.pdf

平成31年度 保険料額表(平成31年4月分から)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/h31/h31ryougakuhyou4gatukara

 

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