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Q153【賞与】ボーナスの手取り計算方法 引かれるのは社会保険料・雇用保険料・源泉所得税の3つ/具体例でわかりやすく説明

最終更新日:2023/01/14

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Q153 賞与の源泉所得税・社会保険料の具体的計算例

ボーナスをもらう場合、額面額から社会保険料・雇用保険料・所得税が天引きされます。
手取り額は、給与や扶養人数等によって異なりますが、概ね、額面の75%~85%のレンジに収まるのが一般的です。
実際に天引きされる額はどのように計算されるのでしょうか?

今回は、ボーナス(賞与)から天引きされる社会保険料・雇用保険料・所得税の計算方法を解説します。
 

1. ボーナスの手取り計算方法

ボーナスから天引きされるのは、社会保険料+雇用保険料+所得税です。
住民税はボーナスからは天引きされません。住民税は、前年の給与+賞与を合わせた前年総所得から算定された税額を12ヵ月で割り、月々の給与から、既に天引きされているためです。
 

ボーナスの手取り額 = 賞与額面額 - 社会保険 - 雇用保険 ー 源泉所得税

 

天引きされる社会保険・雇用保険・源泉所得税のそれぞれの計算方法につき、以下解説します。
 

2. 賞与の社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の計算方法

ボーナスから天引きされる社会保険料の内訳は、健康保険料、厚生年金保険料の2つとなります。
40歳以上の方は、介護保険料の負担があるため、健康保険料率が若干高くなります(39歳以下の方の負担はありません)。
 

(1)計算方法

賞与から天引きされる社会保険料は、以下の式で計算します。

賞与の社会保険料 = 支給賞与金額(1,000円未満切捨) × 社会保険料率(労働者負担分)

 

(2)社会保険料率

社会保険料率(労使合計)は以下の通りです。通常の給与計算時に参照する「保険料額表」と同じ率です。
社会保険料は、労使折半のため、ボーナスの手取り計算を行う場合は、概ね、労使合計社会保険料率の1/2となります。

40歳未満 40歳以上
健康保険料率(※) 概ね10%程度 概ね10%程度
介護保険料率 1.64%(2022年3月~)
厚生年金保険料 18.3%(一律) 18.3%(一律)
合計(労使合計) 約28.3% 約29.9%
労働者負担分 約14.2% 約15%

(※)健康保険料率は、加入組合によって異なります。例えば、協会けんぽの場合、都道府県毎に率が異なりますが、概ね10%程度となります。例えば、協会けんぽ、兵庫県の保険料額表は以下となります。赤線部分が健康保険料率、緑線部分が厚生年金保険料率となります。健康保険料率は、40歳以上と40歳未満で「介護保険料率」の分だけ異なります
 

 

(3)社会保険上の賞与とは?

社会保険の対象となる賞与は、名称に関係なく、労働の対象として支給されるもののち、年3回以下の支給のものをいいます。年「4回以上」支給されるものは「賞与」ではなく、標準報酬月額の対象となります。

また、「結婚祝金」や「見舞金」などは、労働の対価ではありませんので、賞与からは除かれます。

 

3. 賞与の雇用保険料の計算方法

(1)計算方法

賞与の雇用保険料は、以下の式で算定します。

雇用保険料 = 支給賞与額 × 雇用保険料率(労働者負担分)

 

(2)雇用保険料率

雇用保険料率は、通常の給与計算時に利用される率と同じです。事業の種類により、大きく3つに分かれます。以下の通りです。


 

4. 賞与の源泉所得税の計算方法

「源泉所得税」は、給与計算時に利用する「源泉徴収税額表」とは、異なる表を利用します。
 

(1)通常の場合

賞与の源泉所得税の計算は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を利用して算定します。
ボーナス「前月の給与(社会保険料控除後)の金額」と扶養人数の2つのファクターで決まります。
手順をまとめると、以下となります。

対象者の「扶養親族」の数を把握する。
対象者の「賞与支給前月の給与支給額 – 前月社会保険料―前月雇用保険料」の金額を求める。
上記①と②を、「賞与に対する源泉徴収税額表」に当てはめて「縦軸に記載された率」を把握する。
(支給賞与 – 天引社会保険料 – 天引雇用保険料)×上記ステップ3の率
=賞与の源泉所得税が算定される。

【賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和5年分)】

 
扶養控除等申告書の提出がある方は、表中の「甲欄」を利用し、提出がない方は、「乙欄」を利用。なお、扶養親族等の数え方については、Q155をご参照ください。
 

(2)例外

以下の場合は、別の月額表を利用して源泉所得税を算定する例外的な基準があります。
これらの具体的な計算方法は、国税庁HPをご参照ください。

● 前月給与額(社会保険料等差引後)の10倍を超える賞与(社会保険料等差引後)を支払う場合
● 前月に給与の支払がない場合

 

(3)給与支給が数カ月まとめて支払われる場合

給与の支給時期が数か月に1回まとめてなどの場合は、賞与支給直前給与及び控除される社会保険料等を、1か月あたりに直して算定します。

 

5. 具体例

●勤務先の法人は、兵庫県、協会けんぽ、一般事業の会社とする。
●2023年2月に、Aさんに賞与300,000円を支払う際のAさんの手取り額は?

(Aさんの状況)
● 30歳正社員(介護保険なし)。扶養控除等申告書提出済(扶養親族2名)
● 2023年1月 給料額面200,000円、従業員負担社会保険料28,430円、雇用保険料1,000円、源泉所得税460円

 

(1) 社会保険料(労働者負担分)の計算

兵庫県の、令和4年3月以降の健康保険料率は10.13%(介護なし)+厚生年金保険料率は18.3%

健康保険料 15,195円 300,000円 × 10.13% ÷ 2 = 15,195円(労使折半)
厚生年金保険料 27,450円 300,000円 × 18.30% ÷ 2 = 27,450円(労使折半)
合計 42,645円
(2) 雇用保険料(労働者負担分)の計算

300,000円 × 0.5%(一般の事業・労働者負担率) = 1,500円

 

(3) 源泉所得税の計算
源泉所得税率の算定
(賞与支給前月1月給与)
200,000円(給与) – 28,430円(従業員負担社保) – 1,000円(雇用保険) =170,570円
⇒賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表
「甲欄」 扶養親族「2名」の「133千円以上269千円未満」に該当 ⇒ 2.042%
賞与の源泉所得税額の計算 (支給賞与 – 社会保険料- 雇用保険料)×源泉所得税率
⇒(300,000円 – 42,645円 – 1,500円) × 2.042% = 5,224円(1円未満切り捨て)
(4) 賞与手取り額

300,000円(額面)- 42,645円(社保)- 1,500円(雇用保険)- 5,224円(源泉所得税)=250,631円

 

6. ご参考~賞与支給後の会社側の手続~

賞与を支給した場合、事業主は賞与支給日から5日以内に「被保険者賞与支払届」と、「被保険者賞与支払届総括表」を、管轄する年金事務所に提出しなければなりません。
賞与の支払がない場合でも、「賞与支払届総括表」については、提出が必要です。
 

7. 参照URL

 保険料額表(社会保険)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3150/

 雇用保険料率(厚生労働省)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3150/

(No.2523 賞与に対する源泉徴収)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2523.htm

賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和5年分)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2022/data/15-16.pdf

給与所得の源泉徴収税額表(令和5年分)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2022/data/01-07.pdf

 

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