税金の豆知識
Q155【令和7年改正】給与源泉所得税が安くなる「扶養親族等」の範囲・数え方は? 源泉控除対象配偶者・源泉控除対象親族とは?
最終更新日:2025/08/1170080view

毎月の給料から差し引かれる「源泉所得税」は・・
①給与等の金額(社会保険控除後)と②扶養親族等の数、の2つのファクターで決まります。
今回は、そのうち、令和7年に改正された②「扶養親族等の数」について解説します。
目次
1. 「扶養親族等の数」が違うと、手取りが全然違う!
源泉所得税算定時の「扶養親族等の数」が1人違うと、手取額に大きな差が生じます。
●額面20万の方の場合
●社会保険は無視します
毎月の源泉徴収税額は、以下の通りとなります。
親族等の数 | 毎月の源泉所得税額 | 年間源泉所得税額 |
---|---|---|
0人 | 4,770 | 57,240 |
1人 | 3,140 | 37,680 |
2人 | 1,530 | 18,360 |
3人 | 0 | 0 |
毎月の源泉徴収税額は、親族0人の場合は4,770円に対し、親族3名の場合は0円です。
これを、年間に換算すると57,240円の差が生じます。・・だいぶ違いますよね。
2. 源泉所得税計算時の「扶養親族等の数」って?
「扶養親族等の数」は、原則として、下記2つの人数の合計となります。
令和7年改正により、「源泉控除対象扶養親族」という概念が創設されています。
16歳以上19歳未満の方については、控除対象扶養親族でない場合でも、源泉徴収時の「扶養親族等の数」にカウントできるケースが生じます。
源泉控除対象配偶者 | 本人(合計所得900万以下に限定)と生計を一にする配偶者で、年間合計所得が95万円以下の方 給与年収に換算すると・・ ⇒本人給与年収1,095万円以下かつ、配偶者の給与160万円以下の方 |
---|---|
源泉控除対象親族 | ①本人と生計を一にする16歳以上の親族で、年間合計所得58万円(給与収入換算123万円)以下の方 (=控除対象扶養親族と呼ばれます) ②本人と生計を一にする19歳以上23歳未満の親族で、年間合計所得が58万円超100万円以下(給与収入換算123万円超165万円以下)の方 (「特定親族」のうち、合計所得金額100万円以下の方) |
3. 具体例
すべて給与収入・お子様は収入ゼロとします。
本人 | 配偶者 | お子様 | 扶養親族等の数 | 摘要 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
奥様 | お子様 | 合計 | ||||
年収800万円 | 専業主婦 | 18歳 | 〇 | 〇 | 2 | すべて満たすため |
年収1,500万円 | 専業主婦 | 18歳 | × | 〇 | 1 | 本人所得基準満たさないため |
年収800万円 | 専業主婦 | 10歳 | 〇 | × | 1 | お子様16歳未満のため |
年収800万円 | 年収200万円 | 18歳(給与収入165万以下) | × | 〇 | 1 | 奥様所得基準満たさないため |
年収800万円 | 年収200万円 | 10歳 | × | × | 0 | 奥様・お子様どちらも満たさないため |
4. 「扶養親族等の数」に加算できるケース
上記1の「扶養親族等の数」に人数を「加算できる」場合があります。次の2つの場合です。
(1) 本人が障害者・「ひとり親・寡婦」・勤労学生の場合
(注意事項)
● 該当するごとに「親族等の数」に1人ずつ加算。
(例) 本人が「障害者」かつ「ひとり親」の場合は「2人」加算。
(2) 本人の同一生計配偶者や扶養親族に、障害者・同居特別障害者が含まれる場合
一般障害者・特別障害者 | 1人加算 |
---|---|
同居特別障害者 | 2人加算 |
(注意事項)
● 該当するごとに「親族等の数」に1人ずつ加算。
(例) 控除対象扶養親族が「同居特別障害者」の場合は、1人+同居特別障害者で2人加算し、合計3人となります。
● 「同一生計配偶者」ですので、上記1.の「源泉控除対象配偶者」とは異なる点、注意。
● 「扶養親族」ですので、16歳未満のお子様も含みます。上記(1)「源泉控除対象親族」と異なる点、注意。
(例) 障害者の場合は、16歳未満であっても「1人加算」できます。
5. 配偶者にかかる3つの概念(令和7年改正)
税務上、「配偶者」には①源泉控除対象配偶者②同一生計配偶者③控除対象配偶者の3つの概念があります。
似たような名前ですが、微妙に概念が異なります。それぞれ利用する場面が異なりますので、注意しましょう。
種類 | 定義 | 利用する場面 |
---|---|---|
源泉控除対象配偶者 | 本人(合計所得900万以下に限定)と生計を一にする配偶者で、年間合計所得が95万円以下の方 給与年収に換算すると・・ ⇒本人給与年収1,095万円以下かつ、配偶者の給与160万円以下の方 | 源泉所得税計算時の扶養親族等の数 (上記1) |
同一生計配偶者 | 本人と生計を一にする配偶者で、年間合計所得が58万円以下の方。納税者本人の所得制限はありません | 障害者等で源泉所得税計算時の扶養親族等の数に加算できる場合 (上記4) |
控除対象配偶者 | 上記「同一生計配偶者」に該当する方で、かつ納税者本人の合計所得が1,000万円以下の方 配偶者の給与123万円以下かつ、本人の給与年収1,195万円以下の方 | 最終的に配偶者控除を適用する場合 |
(給与所得者の場合のイメージ図)
旦那様を本人とした場合、奥様は「源泉控除対象者」には該当しますが「同一生計配偶者」に該当しません。
この場合、奥様が「障害者」の場合でも、障害者として扶養親族等の数に1人加算することはできません
(扶養親族等の数は、「源泉控除対象者」として「1人のみ」カウントします)。
6. 同居特別障害者とは?
特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族で、納税者自身、配偶者、生計を一にする親族のいずれかとの同居を常としている方。
7. 参照URL
(令和6年分源泉徴収税額表)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2023/data/01-07.pdf
(配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し)
https://www.nta.go.jp/users/gensen/haigusya/index.htm
(扶養控除)
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1180.htm
8.YouTube
YouTubeで分かる「給与源泉所得税計算時の扶養親族等の数え方」