税金の豆知識

Q169 入社・退職時の「住民税特別徴収」関連手続

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Q169 入社・退職時の「住民税特別徴収」関連手続

「特別徴収」とは、「個人住民税」の納税方法の1つです。
個人住民税を、給料を支払う法人が給料から天引きし、天引きした法人が市役所に収める納税方法です。
一方、個人(従業員)が、自ら市役所に納税する方法は「普通徴収」と呼ばれます。
 

個人住民税の納税方法は、原則的に、「特別徴収」になりますので、サラリーマンの方は、おおむね「特別徴収」の方法により、法人が「個人住民税」を納税しているのではないでしょうか。
 

今回は、「特別徴収」に関する法人側の手続につき、入社時、退社時に分けてまとめます。

 

1. 入社した場合の手続

(1) 特別徴収切替依頼書の提出

従業員が入社した場合、法人は、個人住民税を「特別徴収」に切り替える手続として、各市役所に「特別徴収切替依頼書」を提出します。ただし、従業員が、前職退職時に「特別徴収引継」を選択している場合は、前職の法人で作成された「異動届出書」に追加事項部分を記載し、市役所に提出することで「特別徴収」が引き継がれます。

 

前職退職時の未納額の取扱い 入社した法人側の処理
新入社員 「特別徴収切替依頼書」を作成
中途採用 一括徴収済 同上
普通徴収切替 同上
特別徴収引継を選択 前職の法人が作成した「異動届出書」に、転職先の法人が追加事項を記載し、市役所に提出(※)

(※)退職時に旧勤務先が「給与所得者異動届出書」の上段を記載し、転職先法人で下段部分を記入して市役所に提出
(退職日の翌月10日まで)。

 

(2) 特別徴収切替依頼書に記載する事項

 

特別町有切替依頼書

 

① 特別徴収開始予定月
特別徴収の開始月(=給与明細から天引きする月)を記載します。
ただし、切替依頼書の提出期限がありますので、事前に各市役所に期限を確認しておく方が安全です。
(市によって異なる。神戸市は開始月前々月15日必着)
 

以下の場合は、たとえ「特別徴収」に切り替えた場合でも、来年6月まで(新年度住民税の徴収開始月)、特別徴収する住民税額はゼロになります。
 ●退職した前職の会社で「未納住民税を一括徴収済」の場合
 ●普通徴収で第4期分まですべて支払済の方の場合

 

② 普通徴収納付済額・残税額
市役所によっては、「普通徴収納付済額」の記載が求められる場合があります。
この欄には、従業員が、その時点までに「普通徴収納付済の金額や期」を記載します。
普通徴収の納期限は第1期~4期までとなっており、従業員入社の際、普通徴収で何期分まで納付済みか?を確認しておく必要があります(「普通徴収納税通知書」で確認可能)。
 

なお、普通徴収の納期限を過ぎた部分は、特別徴収できません。
期日超過分は、従業員自身が普通徴収で納付する必要があります。

(普通徴収の納期限~)

1期 6月末
2期 8月末
3期 10月末
4期 翌年1月末

 

(3) 給与天引き&納税

「特別徴収切替依頼書」を提出すると、後日市役所から「税額通知書」が送付されます。
「税額通知書」には、各月の特別徴収額が記載されていますので、これをもとに、各人の給与明細から住民税を天引きし、天引きした住民税は、翌月10日までに市役所に支払います。
ちなみに・・「税額通知書」到着前でも、市役所に電話すれば金額は教えてくれるようです。

 

(4) 特別徴収での月々の税額

毎月の「特別徴収額」は、特別徴収に切り替える「税額総額」を、「徴収する月数」で割って算定されます。
例えば、8月から特別徴収を開始する場合は、8月~翌年5月までの10か月で割った金額が、毎月の特別徴収額となります(100円未満の端数は最初の月分に加算)。

 

2. 退職した場合の手続

(1) 給与所得者異動届出書の提出

従業員が退職した場合、翌月10日までに、各市役所に「給与所得者異動届出書」を提出します。
なお、退職社員の再就職先が決まっている場合は、「給与所得者異動届出書」を転職先に送付し、新しい職場が追記の上、各市役所に提出することで「特別徴収」を引き継ぐことが可能です
(新しい職場での提出期限も、翌月10日まで)。

 

挿入給与所得者異動異動届

 

(2) 未納税額の取扱い

① 特別徴収開始予定月
従業員が退職する場合は、「特別徴収未納額」の取扱いに留意する必要があります。
未納額の取扱いは、退職月によって異なります(「特別徴収引継」の場合は除く)。

退職月 原則的な取扱い 新しい職場での取扱い
1~4月 残り分を一括徴収(※1) 前職退職時に住民税が一括徴収されているため、転職先で住民税特別徴収の切替手続を行ったとしても、来年6月まで(新年度住民税の徴収開始月)、特別徴収する住民税額はゼロになります。
5月 通常通り特別徴収
6月~12月 退職月まで特別徴収。翌月から普通徴収切替(※2) 前職退職時に一括徴収されていませんので、普通徴収の期限未到来分については、特別徴収の対象となります。ただし、普通徴収で4期分まですべて支払済の場合は、上記同様、来年6月まで(新年度住民税の徴収開始月)、特別徴収する住民税額はゼロになります。

(※1)退職金や給料を超える金額の場合は、普通徴収も認められる。
(※2)本人希望で一括徴収も可能。

 

3. 休職・転勤の場合

従業員が休職する場合や、転勤等により役所が変わる場合も、「給与所得者異動届出書」を、市町村に提出します。
休職の場合は、当面給与の支払が発生しないことになるため、特別徴収の取扱いは、退職時と同様になります。
未納額を給与から一括徴収するか、納税者個人が普通徴収で納めるかの選択枝となります。

 

4. 特別徴収の納期特例

特別徴収は、原則、給与天引きした翌月10日が納期限となりますが、事前申請を要件に、納期が年2回に短縮される「住民税特別徴収の納期特例」の制度があります。詳しくは「Q17」をご参照ください。

 

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