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Q242 【インボイス制度】海外ホテルサイトを利用した「国内宿泊料金」の消費税の取扱い/インボイス番号がない領収書への対応は?

最終更新日:2026/03/29

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Q242 【インボイス制度】海外ホテルサイトを利用した「国内宿泊料金」の消費税の取扱い/インボイス番号がない領収書への対応は?

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

はまだ税理士法人の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
あずさ監査法人出身
クレアビズコンサルティング株式会社:代表取締役
                                                           YouTubeチャンネル:はまだ税理士法人のちょっとお得な税金の豆知識
相続専門サイト:御影みらい相続センター

出張などで宿泊する場合、AgodaやBooking.comなどの海外サイトで予約するケースもありますね。国内宿泊の場合でも、こういった「海外サイト」を利用した場合は、消費税の取扱いがどうなるのか・・悩まれる方も多いかもしれません。
また、消費税インボイス制度では、インボイス番号がない領収書等については、原則として仕入税額控除ができません。海外サイトを経由した支払の場合、インボイス番号がないケースも多いため、「消費税仕入税額控除」ができるのか?についても疑問が生じます。
今回は、海外サイトを利用して支払った「宿泊費」にかかる消費税の取扱いや、インボイス制度との関係につきお伝えします。

 

1. 消費税は、サービス提供を受ける場所で判断

「日本国内」のホテルに泊まる場合、「日本国内でサービス提供」を受けることになります。一方で、「海外ホテル」に泊まる場合は、「海外でサービス提供」を受けることになります。したがって、たとえ海外サイトで予約・決済する場合でも、日本国内ホテルでの宿泊は消費税課税取引、海外ホテルでの宿泊は、消費税不課税取引(国外取引)となります。
なお、海外サイトを利用した場合、領収書に「消費税が明示されていない」ケースも多いです。こういった場合でも、国内宿泊取引については、「消費税相当額」が含まれています。したがって、たとえ海外サイトを利用した場合でも、国内宿泊取引については、支払総額を税込額として、「課税仕入」で認識します。
(宿泊者が日本人、外国人で変わることもありません)

 

2. インボイス番号の判定は、ホテル予約サイト?現地ホテル?

消費税インボイス制度では、領収書等に「インボイス番号」がない場合は、原則として、「消費税仕入税額控除」ができません。
この点、ホテル予約サイト等を利用した場合でも、事前決済ではなく、現地ホテルで支払う場合は、「宿泊ホテルの領収書」で、インボイス番号の判定を行います。
一方で、ホテル予約サイト等で事前決済する場合、現地ホテル側は、実際の代金授受を行っていないため、領収書を発行しないケースも多いです。こういった場合は、実際に代金授受を行った「ホテル予約サイト」の領収書でインボイス判定を行うことになります。以下、国内宿泊取引を前提に、国内予約サイト、海外予約サイトごとの取扱いをまとめます。

 

(1) 国内宿泊予約サイトの場合

インボイス制度では、実際宿泊するホテル側の領収書ではなく、予約サイト運営会社の領収書で代用できる仕組みが整備されています(媒介者交付特例)。例えば、楽天トラベル、じゃらん、Yahoo!トラベルなど国内大手旅行会社では、「サイト運営者」自身が適格請求書発行事業者となっているため、利用者は、ホテル側からの領収書を取得しなくても、予約サイトの領収書(インボイス番号あり)を取得すれば、仕入税額控除が可能です。

【媒介者交付特例の要件】
● 予約サイト運営者が、適格請求書発行事業者であること
● 委託者(ホテル側)も、適格請求書発行事業者であること

実務上は、予約サイト運営者名義の領収書にインボイス番号が記載されていれば、「媒介者交付特例」で仕入税額控除可能となります。一方で、サイトに登録しているホテル等が適格請求書発行事業者でない場合は、媒介者交付特例が使えないため、予約サイトは、インボイス付きの領収書を発行してくれません。

 

(2) 海外宿泊予約サイトの場合

一方、海外宿泊予約サイトの場合、サイト運営者が「適格請求書発行事業者」でないことが多く、上記の「媒介者交付特例」の適用もできません。この場合、領収書にインボイス番号が記載されていないため、仕入税額控除ができない・・ということになります。
つまり・・同じ国内宿泊先でも、国内予約サイトを利用するか?海外予約サイトを利用するかで、仕入税額控除の取扱いが異なってきます。

 

3. 海外予約サイト経由で消費税仕入税額控除ができるケースは?

海外予約サイト経由の「国内宿泊」についても、以下の方法であれば、インボイス制度に対応した領収書入手でき、仕入税額控除が可能となります。

 

(1) 海外予約サイトは予約のみ、支払は現地ホテル(現地決済)

予約サイトでは予約のみを行い、支払は現地で決済する方法です。この場合、現地ホテルで支払う際に、ホテル側がホテル名義の領収書を発行してくれます。当該ホテルが適格請求書発行事業者であれば、インボイス番号を取得することが可能です。

 

(2) 海外予約サイトで事前決済するケース

海外予約サイトで、カードなどで事前決済する場合、海外予約サイトからの領収書にインボイス番号がなければ、原則として仕入税額控除はできないことになります。
ただし、あくまで、宿泊というサービス提供行ったのはホテルのため、利用者からの求めがあれば、ホテル側に適格請求書交付義務があります(インボイスQ&A 49-2・消費税法57の4①)。ホテル側は代金を受け取っていない等の理由で「領収書」の交付を行わない場合でも、領収書以外、例えば、「宿泊明細書」などの様式で、適格請求書の記 載事項を満たした書類を交付する必要があります(Q&A Q49―3)。
したがって、現地ホテルにおいて、適格請求書の記載事項を満たした代わりの書類を入手することで、仕入税額控除が可能となります。

なお、予約サイトが提供する「パックツアー」などの場合は、(ホテルではなく)あくまで予約サイト等が宿泊客にサービス提供を行ったものとなります。この場合は、予約サイト等に適格請求書の交付義務があり、宿泊ホテル側には交付義務はありません(Q&A Q49-3)。

 

(3) 出張旅費の特例を利用

消費税上、「出張旅費等に係る交通費や宿泊費」については、「帳簿保存での仕入税額控除特例」が認められています(出張旅費特例)。当該特例の要件を満たせば、たとえインボイス番号のない領収書であっても、帳簿のみで仕入税額控除が認められます。出張旅費特例は、「従業員に対して支給する、通常必要と認められる範囲内のもの」に限定されます。したがって、例えば、事業主が、直接ホテル等に支払う場合は、「出張旅費特例」は利用できません。Q240 リンク
なお、出張旅費特例は、法人の役員の場合は適用可能ですが、フリーランスや個人事業主自身が行った出張については適用できません
出張旅費規定等を作成し、規定にしたがって、従業員に支給をする出張旅費が対象となります。

 

4. ホテルから「適格請求書」をもらえない場合の対策

現実的には、予約サイトで事前決済した場合、現地ホテル側では、インボイスを発行しない「業界慣行」が確立されており・・実務上は問題となっています。
この場合、海外予約サイトの場合は、仕入税額控除ができないことになります。
したがって、現状、従業員が自由に海外ホテル予約サイトを使って事前決済しているような場合は、経費精算ルールや出張規程等を見直す必要性も生じます。
具体的には、以下のルールを整備する対応が考えられます。

● 国内出張の宿泊は、ホテルへの直接現地払いにすることで、インボイス付き領収書を必ず受け取る。
事前決済をする場合は、国内サイトで、媒介者交付特例でインボイスがもらえるサイトを選択する
● 出張旅費規程を設け、出張旅費特例を利用する

 

5. ご参考 海外サイトの手数料は、消費税対象外

なお、国内ホテル側の立場では、予約サイトに対して、「予約システム」の利用手数料を支払っています。海外予約サイトに支払う手数料は、「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当し、消費税課税取引、役務提供を受けるホテル側に消費税申告納税義務が転換されます(リバースチャージ方式

 

6. 参照URL

インボイス制度に関するQ&A
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/qa_invoice_mokuji.htm

 

7. YouTube

Coming soon

 

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

はまだ税理士法人の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
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