税金の豆知識
Q246 【暫定税率廃止】 ディーゼル車注意!通常の車とディーゼル車で、ガソリンの会計処理は異なるのか?ガソリン税・軽油税の消費税上の取扱い
最終更新日:2026/05/278view

ガソリンスタンドで、ガソリンを購入した場合、領収書に、「ガソリン税」「軽油税」という項目が含まれているケースがあります。「税金」には消費税は課税されない、と思われている方も多いですが、実は・・こういった「税金」でも、「消費税課税標準」に含まれるケースがあります。
今回は、「ガソリン税」、「軽油税」の消費税上の取扱いや会計処理をお伝えするとともに、最近撤廃された「暫定税率」の内容や影響についても解説していきます。
(厳密には、税金に消費税は課税されませんが、今回は、「消費税課税標準」に含まれるかどうか?という観点で、課税標準に含まれるもの=消費税課税取引と記載します)
目次
1. ガソリン税と軽油税の課税対象
「ガソリン税」とは、軽油も含む「ガソリン」を購入した場合に課税される税金です。一方で、「軽油税」とは、軽油を購入した場合のみ課税される税金です(ガソリン税は、「揮発油税と地方揮発油税(国税)、軽油税は、「軽油引取税(地方税)の略称です)。
「軽油」を利用しない通常の車の場合は「ガソリン税」のみ、ディーゼル車のように「軽油」を購入する場合は、「ガソリン税」と「軽油税」の両方を支払います。
2. ガソリン税と軽油税の消費税の取扱い
(1) ガソリン税は「消費税課税取引」
「ガソリン税」は、ガソリン税そのものが「ガソリン販売価格・流通価格に内包されたコスト」と位置付けられます。したがって、「ガソリン税」に関しては、ガソリン本体価格と同様に、消費税課税取引となります(なお、ガソリン税と消費税は、各々の徴収目的が異なるため、二重課税にはなりません)。
(2) 軽油税は「消費税不課税取引」
「軽油税」については、「ガソリン税」とは異なり、本体価格とは別に課税される税金と位置付けられます。したがって、「軽油税」に関しては、資産の譲渡等の対価には該当せず、消費税不課税取引となります。
3. ガソリン税と軽油税の会計処理
上記の通り、「ガソリン税」と「軽油税」で、消費税の取扱いが異なります。したがって、軽油を利用しない通常の車(ディーゼル車以外)と、軽油を利用するディーゼル車等で、ガソリン購入時の会計処理・消費税区分が異なってきます。以下それぞれに分けて記載します。
(1) 通常の車(ディーゼル車以外)の場合
通常の車の場合は、「ガソリン税」のみを支払います。「ガソリン税」については、本体価格と同様に「消費税課税取引」となりますので、本体+ガソリン税も含めた支払額を税込額として、「消費税課税取引」として会計処理を行えば完了します。
勘定科目は、「車両費」or「燃料費」(課税取引)として処理します。
(2) ディーゼル車等の場合
ディーゼル車等の場合は、「ガソリン税」だけでなく「軽油税」も支払います。この場合、それぞれの税目の消費税の取扱いが異なるため、仕訳は複雑になります。
「本体価格+ガソリン税」の合計を「消費税課税取引」として処理を行い、軽油税については「消費税不課税取引」として処理を行います。
勘定科目は、本体+ガソリン税は、「車両費」or「燃料費」(課税取引)、軽油税については「租税公課」(不課税)として処理することが一般的です。
4. 軽油の場合の仕訳例
例えば、「軽油」を1リットル購入した場合の領収書は、以下のような細目となります。
| 区分 | 内容 | 消費税の扱い | 金額 |
|---|---|---|---|
| ① | 軽油本体価格(課税) | 課税対象 | 101.3円 |
| ② | ガソリン税(課税) | 課税対象(本体と同様の扱い) | 28.7円 |
| ③ | 小計①+②(本体+ガソリン税) | 消費税の課税標準 | 130円 |
| ④ | 消費税(③に10%) | – | 13円 |
| ⑤ | 軽油税(不課税) | – | 15.0円 |
| ⑥ | 支払合計 | – | 158円 |
【仕訳】
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 車両費(課税) 仮払消費税 租税公課(不課税) |
130 13 15 |
現金 | 158 |
● 本体101.3円+ガソリン税28.7円=130円(上記③)を、「車両費」(課税取引)で計上。
● 軽油税15円(⑤)については、租税公課(不課税取引)で計上。
上記のとおり、ディーゼル車(軽油)の場合は、領収書で記載された「税目ごとに区分」して会計処理を行う必要があり、非常に手間がかかります。
5. ガソリン・軽油税率と、暫定税率の撤廃
⑴ ガソリンにかかる暫定税率とは
ガソリンにかかる「暫定税率」とは、「道路整備の財不足」と「第一次オイルショック後の財政・エネルギー問題」への対応を背景に、1974年から一時的な取り組みとして始まった制度です。当該暫定税率の存在により、ガソリン税、軽油税は、どちらも「本則税率」と「暫定税率」の両方が課税されるしくみとなっていました。
⑵ 暫定税率撤廃へ
上記の暫定税率は、長年、国民からの批判の的となっていたことを背景に、最近、ようやく法改正が行われ、撤廃されることになりました。
ガソリン税は2025年12月末、軽油税は2026年4月1日に、暫定税率が撤廃されました。
⑶ 本則税率と暫定税率の一覧
本則課税と、(最近撤廃された)暫定税率を一覧にすると、以下の通りです。
(すべて1リットル当たりの単価です)
| 税目 | 本則税率 | 暫定税率(旧) | 合計 | 撤廃後 |
|---|---|---|---|---|
| ガソリン税 | 28.7円/L | 25.1円/L | 53.8円/L | 28.7円/L |
| 軽油税 | 15.0円/L | 17.1円/L | 32.1円/L | 15.0円/L |
上記を見ると、「暫定税率」がいかに高かったのか?がわかると思います。 今回の暫定税率撤廃により、今後は、ガソリン税に関する負担は、半分程度におさえられることになります。
6. ご参考 消費税が課税される税金・課税されない税金
ガソリン税・軽油税のように、「税金」という名称でも、消費税が課税されるもの、されないものに区分されます。消費税の観点から、実務上迷いやすい税金は以下の通りです。
| 消費税課税扱いのもの (ガソリン税と同じ扱い) |
ガソリン税、関税、酒税、たばこ税、石炭石油税、石油ガス税、たばこ特別税など |
|---|---|
| 消費税不課税扱いのもの (軽油税と同じ扱い) |
軽油税、ゴルフ場利用税、入湯税、法人税、所得税、印紙税、印紙税など、ほとんどの税金 |
7. 参照URL
特例税率の廃止について
https://www.nta.go.jp/information/other/data/r07/kihatsu/index.htm
酒税、たばこ税などの個別消費税の取扱い
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6313.htm
8. YouTube
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