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Q89 有価証券を売却した場合の消費税仕訳/会計処理 課税売上割合で5%を認識するための仕訳の工夫

最終更新日:2022/06/09

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Q89 有価証券を売却した場合の消費税仕訳 / 会計処理

消費税上、有価証券の購入・売却等取引は、「消費」という概念になじまないため(単なる資本の移転)、消費税は「非課税取引」となります。

この点、有価証券の譲渡については、例外的に、「消費税課税売上割合」の計算上、分母の非課税売上の額に譲渡額の5%だけ加算すればOKという取扱いがあります。

ただし・・会計ソフトに、単純に有価証券の「売却取引」を、「非課税売上」で入力しても、5%の非課税売上を認識してくれませんので、入力の際に少しテクニックが必要となります。

今回は、「具体例」を用いて、有価証券売却に係る消費税の取扱いや、仕訳の入力方法等につき解説します。

 

1. 有価証券売却に係る消費税上の取扱い

消費税納税額の計算上、「課税売上割合」という概念が関連します。計算式は以下となります。
 

課税売上割合ってどうやって出すの?

 

課税売上割合が少なければ少ないほど、消費税納税額が多くなります。
この点、有価証券取引は、「非課税取引」となりますので、有価証券の売却が多ければ多いほど「課税売上割合」が下がり、消費税納税額が多くなってしまいます。

資金運用等をビジネスとする会社の場合、有価証券等の譲渡は、毎日のように行われますので、原則通りに課税売上割合の計算を行うと、課税売上割合が極端に低くなり、消費税納税額が極端に多くなる可能性があります。
そこで、会社間での税制上の不利が生じないよう、「有価証券」や「金銭債権等」の譲渡については、課税売上割合の計算上、例外規定が設けられています。

課税売上割合の計算上、譲渡額の5%のみを「課税売上割合」の分母に加算すればOKという取り扱いが認められています。

 

2. 有価証券の売却は複合仕訳

会計ソフトの入力上、単純に、有価証券の売却取引を消費税区分「非課税売上」で入力すると、他の非課税売上と区分されず、課税売上割合の算定上、5%の正しい集計が行われません。
 

この点、会計ソフトでは、「有価証券の譲渡」に関する消費税区分が、別に設定されているケースが多いです。
お使いのソフトで、消費税区分を確認していただくと「非売有価証券」あるいは「有価証券譲渡」という区分があれば、当該区分を利用し、仕訳を入力します。

ただし、有価証券の売却取引は、下記のように、仕訳が借方貸方が1行、2行となる「複合取引」となり、「有価証券」という勘定科目が「売却額」を表しているわけではありません。

借方 貸方
 現金
有価証券売却損
××
××
有価証券 ×× 

そこで、「有価証券の売却額」に対する5%を認識するためには、会計ソフト入力時に少しテクニックが必要です。
イメージですが、消費税の計算上、「有価証家売却損益」ではなく、あくまで「有価証券の売却額」を把握しなければいけない!という点さえ間違えなければ、そこまで難しくありません。

 

3. 会計ソフトでの入力方法

会計ソフトでの入力方法につき、以下、売却益、売却損に分けて解説します。
 

(1) 売却益の場合

簿価500の有価証券を1,000で売却、売却手数料は無視する。

売却益の場合

 

有価証券の売却は「非課税取引」となりますが、5%を集計する関係上、「非売有価証券」の消費税区分を利用します。
売却益の場合は、貸方「有価証券」及び「有価証券売却益」の合計が「有価証券の売却額」を示します
したがって、「有価証券」及び「有価証券売却益」につき、「非売有価証券」の消費税区分を利用すると、正しい集計が可能です。

借方 貸方
現金 1,000 有価証券(非売有価証券)
有価証券売却益(非売有価証券)
500
500

上記の仕訳を行うと、会計ソフト上も、売却額1,000×5%=50が、課税売上割合の分母として集計されます。

 

なお、売却手数料が生じる場合は、売却手数料には「消費税」が課税されますので、ご留意ください。
 

(2) 売却損の場合

簿価500の有価証券を200で売却、売却手数料は無視する。

売却益の場合

 

通常の売却損の場合の仕訳は、以下となります。この仕訳には、直接的には「売却額200」の金額が出てきません

借方 貸方
 現金
有価証券売却損
200
300
有価証券 500 

したがって、仕訳の入力方法を工夫する必要があります。
以下の仕訳を行います。

借方 貸方
 現金
有価証券売却損(対象外)
200
300
有価証券(非売有証)
有価証券(対象外)
200(※1)
300(※2)

(※1)有価証券売却額200です。「非売有価証券」で認識し、5%で集計するテーブルに乗せます
(※2)有価証券簿価500のうち、売却額200を除いた金額です。当該金額は売却額を構成しないため、消費税「対象外」で計上します。

上記の仕訳の結果、分母に計上される5%部分は、200円(売却額)×5%=10となります。
つまり、売却損の場合は、貸方で減少させる有価証券簿価のうち、売却額とそれ以外に区分して入力し、売却額についてのみ、消費税区分を「非売上有価証券」として認識すれば正しい消費税区分の集計が行われます。
 

4. (ご参考)5%分母に含めないもの

●上記の例外基準は有価証券に限定されますので、合同会社の出資持分を譲渡したときは、非課税売上となりますが、分母には「全額を含める」必要があります。
●仮想通貨については支払手段となりますので、非課税売上となりますが、分母には含めません。

 

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