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Q150 簡易課税 2種類以上の事業を営む場合の計算

最終更新日:2022/09/28

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Q150 簡易課税 2種類以上の事業を営む場合の計算

基準期間(2年前)における課税売上高が5,000万円以下の課税期間については、消費税簡易課税を選択することが可能です。
簡易課税の場合、売上に係る消費税額に、事業区分ごとに定められた「みなし仕入率」を乗じて算出した金額を「仕入税額控除」することが可能です(簡易課税の計算方法は、Q24をご参照ください)。

この点、自社の営む業種が「1種類」の場合は、当てはまる業種の「みなし仕入率」を選択するだけですので、そこまで難しくはありません。

一方、営む業種が「2種類以上」の場合、どの「みなし仕入率」を選択するのか・・?ちょっと迷いそうですね。

 

1. 基本的な計算方法

(1) 事業が1種類の場合

事業が1種類の場合の「仕入税額控除」の算定式は、以下の通りです。
 

仕入税額控除 = 課税売上に係る消費税額×業種に応じたみなし仕入率

 

課税売上に係る消費税額=課税売上消費税額―売上返品等消費税額

みなし仕入率」は、消費税法上、それぞれの業種(第1種~第6種)に対応する率が定められています(40%~90%)

したがって、業種が1種類の場合は、その業種にあてはまる「みなし仕入率」を適用すれば、「仕入税額控除」の額は自動的に算定されます。

 

(2) 事業が2種類以上の場合

①原則法

業種が2種類以上の場合は、原則として、業種ごとの消費税額を合算して算定した「加重平均みなし仕入率」を用いて「仕入税額控除」を算定します。
2種類以上の場合の算定式は、以下となります。小数点以下端数の規定はありませんので、そのまま計算します。
 

Q150 簡易課税 2種類以上の事業を営む場合の計算

 
②簡便法

貸倒回収等がないなど、一定の条件(※)を満たす場合は、業種ごとの「みなし仕入率」を掛け合わせた消費税額を単純に合算して「仕入税額控除」を算定することも可能です


 

(※)以下のいずれにも該当しない場合
①貸倒回収額がある場合
②売上対価の返還等がある場合で、各種事業に係る消費税額からそれぞれの事業の売上対価の返還等に係る消費税額を控除して控除しきれない場合。

 

2. 事業が2種類以上の場合の特例計算

2種類以上の業種を営む場合でも、1種類ないし2種類の事業で全体売上の75%以上を占める場合は、「特例計算」が認められます。基本的な計算と特例計算の結果は、納税者が有利な方を選択できます。

特例計算は、「2種類」の場合と「3種類以上」の場合で、少し計算方法が異なります。
以下それぞれまとめます。

 

(1) 事業が2種類の場合

2種類の事業を営む場合は、どちらか一方の事業の課税売上高が全体課税売上高の75%以上を占める場合、「75%以上を占める事業のみなし仕入率」を全体の課税売上等に対して適用できます。
 

 

(2) 事業が3種類以上の場合

3種類以上の事業を営む場合は、そのうち、特定の2種類の事業の課税売上高が全体課税売上高の75%以上を占める場合、特例計算が可能です。

 

 

事業が3種類以上の場合、それぞれの事業に適用する「みなし仕入率」は以下の通りとなります。

 

75%以上の「2種類事業」 みなし仕入率が高い業種 高いみなし仕入率を適用
みなし仕入率が低い業種 低いみなし仕入率を適用
上記以外(25%未満)の業種 上記②のみなし仕入率を適用

 

【具体例】

業種内訳(みなし仕入率) 課税売上金額 売上割合
卸売業(第1種) 90% 50,000千円 50%
小売業(第2種) 80% 30,000千円 30%
不動産業(第6種)40% 20,000千円 20%
合計 100,000千円 100%

①②の2業種の課税売上高合計 80%≧75% ⇒ 特例計算が可能

 

75%以上の「2種類事業」 みなし仕入率が高い業種 卸売業(第1種) 90%
みなし仕入率が低い業種 小売業(第2種) 80%
上記以外(25%未満)の業種 上記②の80%を適用

⇒ つまり、第6種の不動産業(③)についても、第2種(②)のみなし仕入率が適用できるということになります。

 

5. 具体例(業種が3種類の場合)

(1) 課税売上高の内訳

①第1種事業 課税売上高 38,000千円 (みなし仕入率 90%)
②第2種事業 課税売上高 10,000千円 (みなし仕入率 80%)
③第3種事業 課税売上高  2,000千円 (みなし仕入率 70%)
① + ② + ③ = 課税売上高合計 50,000千円

 

(2) 売上割合

(38,000千円+10,000千円)÷50,000千円=96%
2種類の事業割合≧75% ⇒ 特例適用可。
(なお、第1種+第3種の合計割合も75%以上となりますが、第1種+第2種で計算する方が明らかに「みなし仕入率」は高くなりますので、上記を採用)

 

(3) 業種別の消費税額
事業内訳(みなし仕入率) 消費税額 計算根拠
第1種事業(90%) 3,800千円 38,000千円×10%=3,800千円
第2種事業(80%) 1,000千円 10,000千円×10%=1,000千円
第3種事業(70%) 200千円 2,000千円×10%=200千円
合計 5,000千円

 

(4) 仕入税額控除額

①原則法
Q150 簡易課税 2種類以上の事業を営む場合の計算

② 特例法
Q150 簡易課税 2種類以上の事業を営む場合の計算

 

(解説)
75%以上をしめる2種類の事業(第1種と第2種)のうち、
 ● 高い方のみなし仕入率⇒第1種(90%)
 ● 低い方のみなし仕入率⇒第2種(80%)

 ⇒第1種の「課税売上高」は、高い方のみなし仕入率(90%)を適用。
 ⇒第2種の「課税売上高」は、低い方のみなし仕入率(80%)を適用。
 ⇒上記「2業種以外」の「課税売上高」(第3種)は、低い方のみなし仕入率(80%)を適用。

⇒この例では、特例計算の方が仕入税額控除が多くなり、有利となります。

 

6. 事業区分をしていない場合の取扱い

2種類以上の事業を営む事業者が、事業ごとの課税売上区分をしていない場合は、そのうち「一番低いみなし仕入率を適用」して「仕入控除税額」を計算します。

例えば、第1種と第2種を営んでいるにも関わらず、売上区分をしていなければ、低い方のみなし仕入率(第2種・80%)が適用され、仕入税額控除の額が少なくなります。

不利な取り扱いを受けないように、普段から事業区分を行っておく必要があります。

 

7. 参照URL

簡易課税制度
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6505.htm

 

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