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Q174【業種別完全解説】簡易課税の事業区分 迷いやすい事例/建設業・飲食業・宿泊業・不動産業・修理業・医療など

公開日:2020/10/01 最終更新日:2021/07/20

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Q174 簡易課税の事業区分判断ポイント~迷いやすい事例~

簡易課税制度は、売上高に「みなし仕入率」を乗じて消費税納税額を計算する方法です。
実際支払った消費税額に関係なく、売上高に業種ごとに決められた「みなし仕入率」を掛け合わせて納税額を算定します。

簡易課税の場合、「どの業種」に該当するかにより、「みなし仕入率」が大きく異なってきますので、事業区分の選択は非常に重要になります。

今回は、簡易課税にかかる「みなし仕入率」の内容と、実務上迷いやすい事例につき解説します。

 

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1. 業種ごとの「みなし仕入率」

事業区分 みなし仕入率 該当する事業
第1種事業 90% 卸売業 (対事業者)
第2種事業 80% 小売業 (対消費者)
第3種事業 70% ● 農業、林業、漁業、鉱業、採石業、砂利採取業、建設業、製造業・電気・ガス・熱供給・水道業、印刷業。
加工賃等を対価とする役務の提供は除く
第4種事業 60% 他の区分以外の事業すべて(例 飲食店、スナックなど)
加工賃等を対価とする役務の提供も含む
第5種事業 50% ● 金融業、保険業 、情報通信業、運輸業、物品賃貸業・学術研究、教育、学習支援業
● 専門・技術サービス業、宿泊業、生活関連サービス業、娯楽業、医療、福祉、複合サービス事業(士業、コンサルティング業、美容室、イベント運営、デザイン業、ソフトウェア制作、人材派遣、修理業などはココ)
飲食店業は除く
第6種事業 40% ● 不動産業(不動産仲介、不動産賃貸、不動産管理業)

 

2. みなし仕入率の判定ポイント

(1) 国税庁判定フローチャート

国税庁で、業種区分の判定フローチャートが開示されています。
商品を加工することなく、そのまま販売する場合は、第1種・第2種事業(卸売業、小売業)
第3種、第5種、第6種事業については、概ね「日本標準産業分類」の大区分を基礎として判断します。中区分、小区分に詳細な分類記載がありますので、これらも参照して決定します。

判断に迷う場合は、国税庁質疑応答事例(簡易課税)「日本標準産業分類からみた事業区分」で留意事項が記載されていますので、こちらを参考に決定します。
 
国税庁「フローチャート」

みなし仕入率の判定ポイント

 

(2) 判断のポイント

自社が、「どのみなし仕入率」を適用するか?の判断ポイントは、以下となります。

● 他から仕入れた商品を、「加工することなく」販売する場合は、第1種又は第2種事業
 (事業者向けは第1種、消費者向けは第2種事業)
● 材料・商品等を「加工して」販売する場合は、第3種事業
飲食業は第4種事業
事業用固定資産等(建物・車両等)の売却は、第4種事業。
本体付随事業(段ボール、副産物、加工屑の売却等)は、本体と同じ区分。

 

3. 判断に迷いやすい事例

実務上迷いやすい事例をまとめます。

① 製造業・建設業(第3種)
事業の内容 事業区分 理由
● 製品の製造販売
● 建設の請負工事・改修工事
● 上記付随事業(加工屑・副産物等の売却)
材料を自ら購入 第3種 製造
材料を無償支給 第4種 役務の提供
製品の修理 第5種 修理はサービス
製品の取付けに係る手数料 第5種 手数料はサービス
建設物の解体工事、足場の組み立て 第4種 役務の提供

 

② 飲食業(第4種)
事業の内容 事業区分 理由
店内での飲食・宅配(店内酒等自販機販売含む) 第4種 宅配は、店内飲食の延長
テイクアウト(※) 第3種 商品を作って販売
お土産品の販売 第2種 商品を加工することなく販売(消費者)

(※)宅配ピザ店・移動販売のように、店内飲食スペースがない場合の宅配、テイクアウトは第3種事業となります。
なお、「食品業」は、第1種or第2種事業となります

軽微な加工(切る、つぶす、乾かす)をする場合 第1種or第2種事業に含む
上記以外の加工(煮る、焼く)、例 惣菜販売など 第3種事業

 

③ ホテル・宿泊業(第5種)
事業の内容 事業区分 理由
宿泊代 第5種 サービス提供
レストラン・ルームサービス・客室内冷蔵庫 第4種 飲食業。ルームサービス等もレストランの延長
お土産品販売・自販機収入 第2種 商品を加工することなく販売(消費者)

 

④ 医療業(第5種)
事業の内容 事業区分 理由
通常の自由診療収入 第5種 サービス提供
中古医療機器の売却収入 第4種 事業用固定資産の売却
歯ブラシ・健康食品・福祉用具の販売 第2種 商品を加工することなく販売(消費者)
⑤ 不動産業(第6種)
事業の内容 事業区分 理由
他から購入した不動産
(棚卸資産)の販売
販売先が事業者 第1種 商品を加工することなく販売
販売先が消費者 第2種
自己が建設した建売住宅の販売 第3種 建設業
リフォーム・原状回復工事 第3種 建設業
不動産の賃貸・管理・不動産取引仲介(住宅貸付は非課税) 第6種 不動産業

 

⑥ 自動車業
事業の内容 事業区分 理由
● 車・中古車の販売
● タイヤ・オイルだけの商品販売
 (工賃は無償)

販売先が事業者 第1種 商品を加工することなく販売
販売先が消費者 第2種
塗装・板金・部品の取替 第5種 サービス提供(平13.6.28熊裁)
自動車の整備(部品交換代も含む) 第5種 サービス提供
タイヤ・オイル交換等の工賃(区分している場合)(※) 第5種 サービス提供
車検等の代行手数料 第5種 サービス提供

 

4. 事業を「複数」展開している場合

展開する事業は1つとは限りません。複数の事業を展開する場合は、原則として、事業区分ごとに簡易課税消費税額を計算します。ただし、1種類の事業の課税売上高が全体の75%以上を占める場合などは、その1種類のみなし仕入率のみで計算できる特例があります。詳しくはQ150をご参照下さい。

 

5. 参照URL

簡易課税制度の事業区分
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6509.htm

事業区分の判定
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/13/02.htm

簡易課税の事業区分について(フローチャート)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/20/02.htm

日本標準産業分類
http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/sangyo/02toukatsu01_03000023.html

 

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