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Q176【簡易課税選択届・簡易課税不適用届とは?】提出忘れで、思わぬ納税が発生する「リスク」を具体例で解説

公開日:2020/12/01 最終更新日:2021/08/17

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Q176【出し忘れ注意!】「簡易課税選択届」「簡易課税不選択届」の提出忘れで、思わぬ納税が発生する「リスク」を具体例で解説

前回の「消費税課税事業者選択届」に引き続き、今回は「簡易課税選択届」につき解説します。事故が起きやすい事例もまじえて解説します。
なお、簡易課税の制度概要については、Q24をご参照ください。

 

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1. 簡易課税選択届(以下「選択届」と略します)

(1) 内容・提出期限
内容 課税仕入れが少ない場合等、簡易課税を選択することにより、消費税納税額が少なくなることが見込まれる場合に提出する書類
提出期限 原則:適用したい課税期間開始日の前日まで
例外:事業「開始」年度の場合は、開始事業年度末までOK

 

(2) 提出するケース~課税仕入が少ない場合~

実際の課税仕入が少なく、業種ごとに定められた「みなし仕入率」による計算結果の方が「消費税納税額」が少なくなると見込まれる場合に提出します。

 

(3) 注意事項

① 2期間簡易課税の継続適用が強制⇒2年トータルでの判断が必要

簡易課税を選択した場合、2期間「継続適用」が強制されます。例えば、1年目の「実際仕入」が少ない場合でも、2年目に「実際仕入」が多く見込まれる場合は、2年トータルで試算すると損をする場合があります。したがって、「簡易課税」を選択する際は、2年間トータルの税額を考慮の上、意思決定する必要があります。

 

② 還付はされない

簡易課税の場合、「課税売上高×業種ごとのみなし仕入れ率」より算定された税額を控除するしか選択肢がありませんので、仮に大幅な赤字になった場合(=実際仕入が多くある場合)も、還付を受けることはできません

 

2. 簡易課税不適用届(以下「不適用届」と略します)

(1) 内容・提出期限
内容 簡易課税選択事業者が「原則課税」に戻りたい場合に提出する書類
提出期限 原則:適用したい課税期間開始日の前日まで

 

(2) 提出するケース

実際仕入が多く見込まれる状況に変わった場合は、「原則課税」の方が納税額有利になるため提出します。「選択届」を提出した状況と「逆の状況」になった場合を想像すれば、どういった状況の場合に提出するか?はイメージできると思います。
具体的には、以下のケースです。

① 課税仕入れが多くなった場合

「みなし仕入れ率」で計算した仕入額よりも「実際仕入」が多くなる状況に変わる場合は、「原則課税」の方が消費税納税額は少なくなり、「簡易課税」を選択するメリットはありません。この場合、「簡易課税不適用届」を提出し、「原則課税」に戻ります。

 

② 大幅な赤字で還付が見込まれる場合

大幅な赤字になる場合は、支払消費税>受取消費税となることが予想されます。この場合、「原則課税」を選択すれば「還付」を受けることが可能となりますので、「不適用届」を提出し、「原則課税」に戻ります。

 

3. 事故が起きやすい事例

過去に「選択届」が提出されている場合、「不適用届」を提出しない限り、「選択届」提出の効果は続くため、「簡易課税」が永久に続きます。
「簡易課税選択届」提出済の場合で「事故が起きるケース」は、以下の場合です。

 

(1) 売上等減少により一旦「免税事業者」となり、再び「課税事業者」になったケース

免税事業者の期間は「消費税申告書」を提出していないため、再度「課税事業者」になった場合に、過去に「選択届」を提出している事実を失念して、誤って「原則課税」を適用してしまう間違いが予想されます。

 

(2) 普段は基準期間の課税売上高が5,000万円を超える会社で、一時的に基準期間(2年前)の課税売上高が5,000万以下となったケース

普段は「原則課税」で申告をしていることから、基準期間の課税売上高が5,000万以下になった場合に、過去に「選択届」を提出している事実を失念して、誤って「原則課税」を適用してしまう間違いが予想されます。過去に「選択届」が提出されている以上、基準期間の課税売上高が5,000万円以下になった事業年度は「簡易課税」が強制適用されます。

 

(3) まとめ

過去に「簡易課税選択届」を提出していたか?の確認は、非常に重要です。「還付」を受ける予定で「原則課税」を適用したが、税務署から指摘されて「簡易課税」を強制され、結果、還付ができない事故が圧倒的に多いです。

 

4. 届出を忘れた場合の対応

(1) 課税期間の短縮

消費税を計算する期間は原則として1年ごとですが、3カ月or1か月に課税期間を短縮することが可能です。仮に「届出書」の提出漏れに気づいた場合は、「課税期間の短縮」により、新たな課税期間の前日までに「届出書」を提出すると、影響を最小限に抑えることが可能です。

 

(2) 決算期の変更

法人の場合は、決算期を自由に変更できます。仮に「届出書」の提出漏れに気づいた場合、「決算期を変更」することで、新たな年度の前日までに「届出書」を提出すると、影響を最小限に抑えることが可能です。

 

5. 参照URL

簡易課税選択届
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_13.htm

簡易課税選択不適用届
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_14.htm

 

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