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Q243 【法人成り】個人名義の車を、会社が「無償」で使っても大丈夫か?個人名義の車両が、税務調査で指摘されるケースは? 

最終更新日:2026/03/29

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Q243 【法人成り】個人名義の車を、会社が「無償」で使っても大丈夫か?個人名義の車両が、税務調査で指摘されるケースは? 

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

はまだ税理士法人の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
あずさ監査法人出身
クレアビズコンサルティング株式会社:代表取締役
                                                           YouTubeチャンネル:はまだ税理士法人のちょっとお得な税金の豆知識
相続専門サイト:御影みらい相続センター

中小企業では、オーナー社長の個人名義の車を、同族法人の業務で利用するケースもあるかもしれません。ただし、個人名義の車を、法人が無償で利用する場合、法人側は、「ただで利益を受けた」ものとして、法人税が課税されないのか・・疑問が生じます。また、個人側にも何らかの課税関係が生じないか・・不安に思う方もいるかもしれません。
そこで今回は、個人名義の車両等を、法人が「無償で利用」する場合の課税関係をお伝えするとともに、「税務調査」で問題となるポイント等を中心にお伝えします。

 

1. 無償で利用する契約は「使用貸借契約」

他人の物を「無償」で利用する契約は「使用貸借契約」、「有償」で利用する契約は「賃貸借契約」と呼ばれ、民法上、適法な契約として認められています。
例えば、個人事業主が法人成りする場合、事業として利用していた車を、法人成り後もそのまま法人が無償で利用する場合は、「使用貸借契約」を締結します。

しかしながら、個人名義の車両を、法人が無償利用する場合、法人は、対価を支払うことなく、使用できる利益を得ています。こういった場合、法人側は「タダで利益を受けた」ものとして、法人税が課税されないのか・・疑問が生じます。

 

2. 「使用貸借契約」の税法上の取扱い

「使用貸借契約」の税務上の取扱いにつき、「無償譲渡」の場合と比較してお伝えしていきます。

 

(1) 無償譲渡の場合

所得税上、個人名義の車を、法人に(無償賃貸ではなく)無償or著しく低い価額で譲渡した場合は、「時価で譲渡」があったものとして、所得税が課税されます(「みなし譲渡所得課税」、所得税59条)。この場合、法人側も、時価相当額につき、「受贈益」として法人税が課税されます(法22条2項、法基通4-2-6)。

 

(2) 無償賃貸の場合

一方で、個人が法人に無償で賃貸する「使用貸借」の場合は、所得税、法人税とも、税金を課税する規定は存在しません(借地権認定課税は除く)。
税務上は、そもそも、個人は営利を目的とする主体ではないため、他人に「タダで貸す」だけでは、(無償譲渡ほどの)課税すべき収入は発生しないと考えているものだと思われます。
この場合、無償で使用する法人側にも、法人税は課税されません。

結論ですが、個人名義の車を会社が「無償」で利用する「使用貸借」の場合、個人側及び法人側とも課税されません

 

(3) 不動産の場合

ただし、土地の場合は例外があります。「使用貸借」の対象物が「土地」の場合は、「借地権に相当する経済的利益」が移転しているものとして、法人税が課税されます(借地権認定課税)。同じ「使用貸借」でも、土地の場合は、税法上、「利用権」という「無形の財産」が移転しているものと考えます。

 

3. 税務調査で問題となるケース

上記の通り、「使用貸借」自体に課税されることはありませんが、個人名義の車両については、税務調査で厳しくチェックされる傾向があります。
個人名義車両を、法人に「使用貸借」する場合でも、「法人から個人への経済的利益の供与」がある場合は、個人側に「給与課税」が行われます。
具体的には、以下のケースです。

 

(1) 法人が、「使用権」を超える費用を負担するケース

個人から法人への「使用貸借契約」は、あくまで、法人側に「使用権」を与えるにすぎません。したがって、法人が、使用権を超える費用を負担する場合は、本来個人が負担すべき費用を会社が負担していることとなり、法人から個人への「経済的利益の供与」として、個人側に給与課税が行われます。
例えば、ガソリン代や駐車場代などは、使用者側(法人側)で負担すべきものです。一方で、車検代や保険料などは、所有者側(個人側)で負担すべきものです。したがって、使用者である法人が、車検代や保険料まで負担している場合は、個人側に「給与課税」が行われます。
実務上は、使用貸借契約において、貸主・借主双方の「費用負担の範囲を明記」しておく必要があります。使用に伴う費用は使用者側で負担し、所有に伴う費用は所有者が負担する、などを明確に記載しておきます。

 

(2) プライベートで利用している場合

法人に使用貸借している車両を、プライベートで利用する場合は、個人側に給与課税が行われるケースがあります。
例えば、「プライベート利用部分のガソリン代等」を、法人が負担している場合は、法人が、「個人が負担すべき部分」を負担していることになります。この場合は、経済的利益の供与として、個人側に「給与課税」が行われます。
なお、法人税上、個人事業主のような「家事按分」の概念はありませんが、個人と法人が混在するような支出の場合は、当然に、「法人業務利用部分」のみが、法人側で経費となります。
したがって、例えば、運行記録を記載するなどで「法人業務利用部分」を明確にし、業務部分のみを経費、その他の部分は貸付金として、役員個人から返金してもらう形が安全かと思われます。

個人側に「給与認定」が行われる場合、役員の場合は、「役員賞与」となりますので、法人税上は損金不算入となり、源泉徴収の対象にもなりますので、税額へのインパクトは大きくなります。

 

4. 法人名義の車両を個人が使用貸借する場合は?

上記と逆のパターンです。法人名義の車両を、使用貸借契約で「個人」が利用する場合は、「本来個人が負担すべき費用を法人が負担」していることになります。この場合は、法人税、所得税上、給与課税する明確な規定がありますので、原則として、個人側に「経済的利益」が生じているものとして、給与課税されます。

 

5. ご参考 高級車の場合は?

単に「高級車である」という理由だけで税務否認されることはありませんが、「私的利用がある部分」については、上記同様の論点があります。法人名義の購入事例で、「フェラーリの経費計上」が認められた裁判例をご紹介します。

【国税不服審判所 平成7年10月12日熊裁 平7第2号】
【経費計上が認められた背景】
● 業務として、3年間で7500キロ程度走行しており、業務利用実態が証明できた。
● 代表者は、個人で別の高級車を複数台所有しており、それらの費用は法人経費にはしていなかった。
● 社用車利用時は交通費を支給しないという「社内旅費規程」が存在し、交通費・通勤手当は支給されていなかった。

結論的には、高級車というだけで経費性を否認することはないことが読み取れますが、逆にいうと、以下のケースは、税務上問題になること想定されます。

業務使用の記録が不十分または存在しない
実態は私用が中心で、個人使用と業務使用の区分が曖昧
● 役員が個人所有の車を持っていない状態で、会社名義の車のみを使用

 

6. YouTube

Coming soon

 

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

はまだ税理士法人の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
あずさ監査法人出身
クレアビズコンサルティング株式会社:代表取締役
                                                           YouTubeチャンネル:はまだ税理士法人のちょっとお得な税金の豆知識
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