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Q184【社内販売】社員割引価格で販売した場合の税務処理・会計処理/仕訳・勘定科目は?

公開日:2021/09/01 最終更新日:2021/09/23

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Q184【社内販売】社員割引価格で販売した場合の税務処理・会計処理/仕訳・勘定科目は?

法人が、自社商品等を、従業員に社員割引価額で社内販売する場合もあると思います。こういった場合、法人や個人側に「税金」は課税されるのでしょうか?また、法人側の会計処理や勘定科目はどういった処理が行われるのか・・悩まれる場合もあるかもしれません。
今回は、社内販売時の「税務上の留意事項」及び「会計処理」につき解説します。

 

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1. 社内販売(社員割引・値引販売)に関する税法上の規定

(1) 法人税・所得税上の規定

法人が、従業員等に販売する場合の法人税上の規定は特にありません
所得税上は、以下の要件すべてを満たす値引販売は、課税されません(所基通36-23)

値引後販売価額が会社の取得価額以上、かつ、通常他に販売する価額のおおむね70%未満でないこと。
値引率が従業員等全員一律or地位や勤続年数等に応じて合理的なバランスが保たれる範囲内の格差を設けて定められていること。
値引販売をする商品等の数量は、一般消費者が自己の家事のために通常消費すると認められる程度のものであること。

● 土地・建物等の不動産の値引販売は、多額かつ通常消費するものでないため、上記規定の適用外となります(「住宅の値引販売による経済的利益」参照)。
● 季節商品などで、外部への販売価額自体が値下げされている場合は、「通常他に販売する価額」も、「値下げ後の価額」を基準に判定可能です。
● 「通常他に販売する価額」は「店頭価額」に限られません。例えば、メーカーが「通常他に販売する価額」は卸売業者への販売価額⇒店頭価額の7割程度となります。

 

(2) 消費税上の規定

法人の役員に対して、「著しく低い価額」により棚卸資産を譲渡した場合、譲渡時の時価を基準に消費税が課税されます。ただし、以下すべての要件を満たす場合は「著しく低い価額により譲渡」は該当しないとされています。

当該資産の仕入価額(=取得価額)以上であること。
通常他に販売する価額のおおむね50%に相当する金額以上であること。

ただし、上記要件を満たさない場合でも、従業員等全員一律or勤続年数等に応じた「合理的な基準」での「値引率」に基づいて行われた資産の譲渡は、時価ではなく、実際対価の額に課税されます。

 

2. 税務上の要件を満たさない取引の取扱い

社内販売取引が「税法上の要件」を満たさない場合は、「通常販売価額」を基準に、所得税上は給与課税、消費税は通常販売価額に対して課税されます。

 

3. 会計処理

具体例を用いて解説します。

● 法人が、自社の商品(通常販売価額 税抜10,000円)を従業員に販売した。
● 上記商品の取得価額は5,000円とする。
● 法人は消費税課税事業者、税抜処理、簡便的に源泉所得税の処理は省略

● 所得税上の基準
  通常販売価額10,000円 × 70%=7,000円
● 消費税の基準
  通常販売価額10,000円×50%=5,000円

 

(1) ケース1 従業員に7,000円(税抜)で販売した場合

従業員販売価額7,000円≧7,000円・5,000円のため、所得税、消費税とも要件を満たします。この場合は、実際販売価額で売上計上します。

(仕訳)

借方 貸方
現金 7,700 売上
仮受消費税
7,000
700

 

(2) ケース2 従業員に4,000円(税抜)で販売した場合

従業員販売価額4,000円≦7,000円・5,000円のため、税法要件を満たしません。この場合は、通常販売価額で仕訳を行い、差額は従業員への給与課税、消費税は「通常販売価額」に対して課税されます(源泉所得税の仕訳は省略)。

(仕訳)

借方 貸方
現金
給与
4,000
7,000
売上
仮受消費税
10,000
1,000

車内販売の相手が「役員」の場合は「役員賞与損金不算入」となり、法人税が増加します。

 

(3) ケース3 従業員に無料で贈与した場合

従業員販売価額0円≦7,000円・5,000円のため、税法要件を満たしません。ケース2同様、通常販売価額で仕訳を行い、差額は従業員への給与課税、消費税は「通常販売価額」に対して課税されます(源泉所得税の仕訳は省略)。

(仕訳)

借方 貸方
給与 11,000 売上
仮受消費税
10,000
1,000

 

4. サービス提供の場合

従業員への車内販売の対象が、商品ではなく「サービス」の場合はどうでしょうか?例えば、散髪屋、運送業等が、従業員に「通常販売価額」よりも安い値段で役務を提供した場合です。
この場合、所得税上は、以下の場合に「課税する」規定があります(所基通36-29)。
● 経済的利益の額が著しく多額である場合
● 役員だけを対象として行なっている場合

 

5. 飲食業での「まかない」は?

飲食業の場合、自社製品=食事となりますので、従業員等に食事を提供する場合は「社内販売」となり、「上記基準」が適用されるのか・・疑問が生じます。
この点、従業員等への食事については、上記の基準と別に、「福利厚生費」として損金処理できる要件が定められています。詳しくは、「Q42食事代が福利厚生費で認められる条件」をご参照ください。
なお、個人事業主の自家消費については、「Q15自家消費」をご参照ください。

 

6. 参照URL

(課税しない経済的利益・商品、製品等の値引販売 所得税)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/03.htm

(法人が課税資産を役員に対して低廉譲渡した場合 消費税)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6321.htm

(住宅の値引販売による経済的利益)

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/26.htm

 

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