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Q187【公的年金受給者】確定申告不要のケース/した方が得なケース/しないとどうなるのか?

公開日:2021/11/08 最終更新日:2021/11/17

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Q187【公的年金受給者】確定申告不要のケース/した方が得なケース/しないとどうなるのか?

年金についても、原則として「所得税」が課税されます。
会社員の場合、勤務先が行う「年末調整」で所得税計算は完了しますので、原則として「確定申告」を行う必要はありません。
一方、公的年金を受給する場合はどうでしょうか?

公的年金の場合は・・誰も「年末調整」を行ってくれません。
したがって、確定申告の有無を、ご自身で判断する必要があります。

 

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1. 年金の種類・所得区分

年金の種類は、大きく2つに分かれます。①公的年金と②公的年金等以外の年金です。通常の国民年金、厚生年金等は「公的年金」に該当します。

種類 対象となる年金
公的年金 国民年金、国民年金基金、厚生年金、厚生年金基金、確定給付年金、確定拠出年金(企業型、個人型)など
公的年金等以外の年金 生命保険契約や生命共済契約による年金など(個人年金)

 

2. 確定申告不要の場合

年金収入は「雑所得」として所得税が課税され、原則として確定申告が必要となります。
ただし、例外的に、確定申告をしなくてよい場合があります。

 

(1) 確定申告不要のケース

年金受給者のうち、一定要件を満たす方は「確定申告不要」とされています。下記両方の要件を満たす必要があります。

● 公的年金等の収入金額の合計額が400万以下全部が源泉徴収対象
● 公的年金等にかかる雑所得以外の所得金額が20万円以下

● 2か所以上から年金を受け取っている場合は、合計額で判定。
● 源泉徴収されていない公的年金(外国で支払われる年金等)は、確定申告が必要。

 

(2) 公的年金等にかかる雑所得以外の「所得」とは

上記の確定申告不要の要件のうち、多くの方は「年金収入金額400万以下」の要件はクリアすると思いますが、副業等がある場合、2つ目の要件に引っかかるケースがあります。

では・・「公的年金等にかかる雑所得以外の所得」とは、どんなものでしょうか?
例えば、給与所得、不動産所得、株式譲渡所得、配当所得、個人年金保険などが該当します。
内容別にまとめると、以下となります。

アルバイト収入 給与所得(給与所得20万超⇒給与収入換算75万円超
不動産賃貸 不動産所得
株式運用 譲渡所得
配当金 配当所得
個人年金保険 雑所得(毎年受け取る場合)or一時所得(一時払)

それぞれの収入から、給与所得控除、必要経費、特別控除額等を差し引き、合計所得金額が20万円を超える場合は、確定申告が必要になります。
ただし、株式譲渡や配当に関しては、「特定口座源泉徴収あり」の口座で、源泉分離課税を選択する場合の所得に関しては、20万基準から除外できます。この取扱いは、給与所得者が副業等で確定申告が必要「20万基準」の場合も同様です。

 

(3) 住民税上は20万未満基準なし

実は・・上記の20万基準は、所得税のみの規定で、住民税上、20万基準はありません。
この住民税の例外を知らない方が・・大多数だと思います。

つまり、「公的年金等にかかる雑所得以外の所得」金額が20万円以下の場合でも、住民税だけは申告する必要があります。

ただし、現実的に住民税だけ申告されている方は少ないかもしれません。もちろん、正しくは確定申告すべきですが、仮に申告が漏れていた場合でも、追徴金額は最大で2万円+ペナルティ数百円程度ですので、そこまで大きな金額ではありません。私見ですが、市役所がここをターゲットに調査にくることは・・現実的ではないように思います。

 

(4) そもそも確定申告不要な場合

年金収入から公的年金等控除やその他各種控除を差し引いて、ゼロになる場合は、そもそも確定申告は不要となります、詳しくはQ35をご参照ください。
また、障害年金、遺族年金は「非課税」となりますので、これらについては確定申告の必要はありません。

 

3. 確定申告した方がお得なケース

上記のとおり、年金に関しては、「確定申告不要」のケースがありますが、確定申告することで、徴収済の税金が還付されるケースがあります。

 

(1) 年金は源泉徴収されている

公的年金等を一定額以上受給する方は、公的年金等を受け取る際に所得税につき源泉徴収されます。源泉徴収額は、あらかじめ提出している「公的年金等の受給者の扶養控除等申告書」に基づき、金額が決定されます。

 

(2) 確定申告したほうがよいケース

公的年金受給時に源泉徴収される金額は、提出した「扶養控除等申告書」に記載された各種控除のみを前提として天引きされています(扶養控除配偶者控除寡婦・ひとり親控除・障害者・年金天引きの社会保険料控除)。したがって、それら以外の医療費控除、生命保険料控除、寄付金控除、住宅ローン控除などがある場合は、本来は引かれるべきではない税金が天引きされています。つまり、あくまで受取時の源泉徴収税額は、仮計算での天引き額となりますので、ご自身でこれらの控除を含めて確定申告することで、所得税が還付される場合があります。

医療費控除がある場合 医療費が10万以上なら医療費控除可能です。所得金額が少ない年金受給者は10万円以下でも医療費控除を受けられる場合があります。
社会保険や生命保険など 公的年金等から天引きされていない社会保険や生命保険がある場合は、還付が可能です。配偶者の国民年金保険料を納めている場合なども含まれます。
住宅借入金等特別控除 住宅ローンがある場合は、要件を満たせば「住宅ローン控除」を受けることで、還付が可能です。
寄付金控除(ふるさと納税等) ふるさと納税等がある場合は、「寄付金控除」を受けることで還付が可能です(ワンストップ特例の場合は不要)。
扶養構成の変更 配偶者と死別した場合など家族構成の変更があった場合は、還付が可能です。

ただし、還付額は、あくまで、源泉徴収票に記載されている「源泉徴収税額」が最大値となります。源泉徴収税額がゼロ、あるいは金額が僅少な場合は、確定申告の手間と還付額との比較で、確定申告の有無を決める形でよいかと思います。
こちらは、実際の年収に基づいた確定申告具体例を作成しています。Q188をご参照ください。

 

4. 確定申告しないとどうなる?

確定申告義務があるにもかかわらず、しなかった場合どうなるのでしょうか?
この場合は、本来の税額に加えて、「無申告加算税や「延滞税」」、悪質な場合は「重加算税」が課せられる場合もあります。

無申告加算税 納税額に対して15%~20%
(自主的に期限後申告をした場合には、5%に軽減)
延滞税 特例基準割合 + 1% or 7.3%
重加算税 追加納付税額 × 35% or 40%

 

5. 参照URL

(公的年金等を受給されている方へ)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/campaign/h30/Dec/01.htm

(No.1600 公的年金等の課税関係)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm

 

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